白夜の炎

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台湾からみたアジア情勢

2013-02-14 19:18:19 | アジア
「中国時報(台湾) 2013年2月13日

東アジア情勢が直面するもつれ

 旧暦の蛇年の始まりに際し、人々はこの1年の平安と繁栄を願っている。しかし東アジア情勢はもつれそうである。現在注目されているのは、朝鮮半島情勢と釣魚台(日本名:尖閣諸島)をめぐる紛争である。加えて南沙諸島の主権争いもまた、先鋭化しそうだ。表面的には長年の領土紛争が再浮上し、関係諸国がやや強硬な姿勢を打ち出していると捉えられよう。しかし水面下で起きているのは、東アジアにおける権力構造の再編であり、その過程における衝突である。
 金正恩が再び核実験で脅しをかけたのは、第一に韓国への恫喝、第二に米国に北朝鮮を核兵器保有国として認めさせ、金正恩政権の安全を保障することを迫ること、第三に金正恩の軍事的権威を確立するためである。だが金正恩が父親の金正日が敷いた瀬戸際政策の継続にこだわれば、国際的孤立と制裁は免れず、経済振興に向けた彼の努力にも影響するだろう。しかし北朝鮮と韓国の政権は実際に戦火を引き起こそうとは考えてはおらず、中国もまた隣接する地で巨大な変動が勃発するのを望んでいない。

 韓国と日本は独島(日本名:竹島)の主権を争っているが、独島を実効支配しているのは韓国であり、日本の船舶が周辺海域に入らない限り、基本的に口争いにとどまるだろう。しかし釣魚台情勢は異なる。中国は海洋監視艦に加えパトロール機や、さらには戦闘機を付近海域に出動させ、日本側もそれに対応せざるを得なくなった。台湾の民間活動家もしばしば釣魚台に出航しては示威活動し、台湾の海洋巡視船も護衛に随行するなど、中・日・台の三者による釣魚台の主権をめぐる行動は、ものものしさを増している。偶発的衝突がないとは、誰も保証できない。

 近年、東アジア情勢は逆行不可能な転換が出現している。もっとも顕著なのは日本の衰退と、中国と韓国の急速な台頭である。日本はその焦りから、主要政党と世論は右寄りの民族主義的路線に向かい始めた。米国もアジア太平洋回帰、あるいは「リバランス」政策を採用し、日本への支持を強化している。

 中国の現在の行動は様子見にすぎない。最終的には米国が長く主導してきたアジアの権力の構図に挑戦しようとするだろう。米国はもちろん、アジア太平洋における権力範囲を放棄するはずがなく、制圧だけでなく、硬軟取り混ぜた策略を取るが、中国と正面対決には至らないだろう。それこそが米国にとって最も不利となるからだ。今後、東アジアにおける勢力バランスは確実に変化する。しかし米中がアジア太平洋における新しい均衡に達するまでに、行きつ戻りつの調整期間が長く続くものと予想される。」

http://www.worldtimes.co.jp/wtop/paper/html_fr13/sr130214.html


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