白夜の炎

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敦賀原発の断層・そもそも1号炉建設のときから

2013-06-06 19:27:37 | 原発
「 敦賀原発の“命取り”になりそうな敷地内断層。実は1960年代の1号機建設に端を発する「活断層隠しの疑惑」が背景にある。原子炉から約250メートルの敷地内を南北に貫く、全長35キロ以上の活断層「浦底断層」の存在を、日本原子力発電が認めたのは2008年。不都合を避けようと、後戻りできなくなるまで否定し続ける。それが原電の体質なのか、宿命なのか―。

 60年代前半のある日、東京大地震研究所をスミスという米国人が訪れた。目的は、敦賀半島周辺にある活断層の情報収集。敦賀原発とともに進行中の関西電力美浜原発建設を請け負った米ウェスチングハウス社の関係者だった。対応した東大名誉教授の松田時彦(まつだ・ときひこ)は「あんなところに原発を造ると聞いて驚いた」。

 敦賀半島など若狭湾周辺の活断層は、地震研の研究者が27年の論文で紹介していた。地形から疑われる断層の一覧図に浦底断層の位置も大まかに図示されている。


 原電は1号機の調査で浦底断層の活動は「洪積世中期(80万~十数万年前)前に終わった」と評価。旧通産省は80年の2号機増設の審査で、8万~5万年前ごろの地層をずらしておらず、活断層(5万年前以降)ではないとの原電の主張を認めた。

 活断層が専門の名古屋大教授、鈴木康弘(すずき・やすひろ)は指摘する。「日本で活断層研究が本格化したのは60年代後半。1号機は既に建設が進んでいて、原発敷地内の浦底断層を一般研究者が調査することはできなくなっていた」
 学術界で80年ごろには浦底断層は活断層として認識されるようになり、91年には名称も付いて存在が確実視されるようになった。こうした状況でも原電は04年に3、4号機の増設を国に申請する。ボーリング調査の結果、「浦底断層は5万5千年前以降の活動はない」と主張した。

 だが審査段階でボーリング調査の結果が「意図的な解釈」と問題に。旧原子力安全・保安院は05年、地層を面的に把握できる試掘溝調査を原電に指示した。審査に携わった産業技術総合研究所の杉山雄一(すぎやま・ゆういち)は後に原電の判断について、こう指摘した。「専門家がやったとすれば犯罪に当たる」

 試掘溝調査で、浦底断層が活発に動いている「第1級」の活断層と判明した。最新の活動は4千年前以降とされている。
 この結果から保安院の有識者会議は、浦底から枝分かれして原子炉直下に延びる複数の破砕帯(断層)を問題視。東日本大震災で一時凍結されたが、引き継いだ原子力規制委員会が今回、2号機直下のD―1破砕帯を「活断層」と認定するに至った。(敬称略) 
 (共同通信)」

http://www.47news.jp/47topics/e/242117.php


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