白夜の炎

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スポーツ界セクハラも暴力の戦争の後遺症

2013-05-24 16:13:59 | 歴史
 以前大阪の私立スポーツ系高校の教師による暴力事件の原因について、旧軍隊の暴力体質が戦後日本のスポーツ界に持ち込まれたことが原因だと書いた。根拠は慶応大学野球部OBの座談会である。

 別に慶応に限ったことではない。600万を超える男たちが戦場に向かい、軍にいたのだ。そこでは陸軍なら内務班で凄惨なリンチを受けるのが「普通」だった。

 今ではその実体験を耳にすることは難しいかもしれないが、私が子供のころは、30-40代の軍隊経験者がいくらでも周りにいたので、しょっちゅう耳にした。

 彼らは国に戻った後そのやり方をあらゆる場所に持ち込んだ。学校もその一つだったということだ。

 セクハラも同じだ。橋下の慰安婦に関する発言自体が、如何にこの国が戦時の性的暴行に深く染まっているかを具体的に証明している。

 軍が強制-そこには甘言やだましも当然含まれる-によって朝鮮、中国、インドネシア、オランダなどの女性を慰安婦という名前の性的奴隷にし、兵士の性欲のはけ口という、道具として「使った」のである。人を『道具』として「使う」。これは奴隷である。

 そのようなことさえ分からないのは、本人たちがその犠牲者を利用して利益をこうむった連中の後継者だからである。

 そしてそのような連中が戦後世界に、破綻した性道徳観念のまま復帰し、女性を下に見る意識のもと、先輩-後輩、あるいは指導者と指導されるものという上下関係のもと、好き放題してきたことは想像に難くない。

 戦争の時代の社会・政治のあり方を徹底して批判し、乗り越える努力をしてこなかったことが、このような事態を招いたのである。

 職場のパワハラ・セクハラも同じ。

 今や日本の職場の劣悪さはネットを通じて世界に知れ渡り、優秀な人材は集まらなくなっているという。

 (「いま日本で働くということ」→http://www.huffingtonpost.jp/2013/05/21/story_n_3311122.html)

 戦前の思想にとらわれている連中の再教育が必要だが、それをなすべき政治・経済・社会のリーダー層自身がその思想の後継者だ。

 もう一回東京裁判が必要かもしれない。


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