白夜の炎

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安藤優子氏の講演会の感想(続)

2011-09-08 16:05:43 | 報道
 安藤優子氏の講演会の感想を書いている時に思い出したことを書きとめておきたい。


 朝日新聞の政治部で活躍された記者の方がおられた。数年前に亡くなられたが、何冊もの著作を出され、新聞社退社後は大学で教鞭をとっておられた。(「大学は堕落している」と御立腹であった)

 この方とずいぶん前になるが、中国旅行をご一緒する機会があった。

 当方は学生で何も分からない若造である。

 新聞の世界のこと等わからぬまま勝手なことを尋ねていたのであるが、ある時「新聞記者として何が一番大切なことでしょうか?」と聞いたことがある。

 今から思えばあまりにナイーブな質問で先方も返事に窮されたのではないかと思うが、しかし丁寧に答えてくださった。

 その答えは「観点です」というものだった。

 「何年か記者をやっていれば、決まり切った記事の文章を時間通りにまとめるなどといったことはできるようになるものです。」「大切なことは、どのような観点から記事を書くのか、モノを見るのかです」。そういったお返事だったかと思う。

 今にして本当にそれは重要に指摘だったのだと感じている。


 ここ半年の間大手メディアが流してきた原発関係の情報は、どのような観点から選ばれ、原稿化され、編集されたものだったのか。

 この間の政権批判はどのような観点に基づくものだったのか。

 かかわった記者やデスク、そしておそらくは影響力を行使しているであろう経営陣は、どのように観点から原子力の問題を、放射能汚染の問題を、電力業界や政治家、官僚の関係を描いてきたのだろうか。

 安藤氏の講演会では、彼女がどのような観点から報道に臨んでいるのか伝わってこなかった。

 しかしある観点から物事を見て、はじめてそれは起承転結のある文章になり、報道原稿になる。

 その観点がいかなるものか、本人自身が自覚し、常に検証することが求められる、これは報道の原則だと思う。

 その原則が感じられなかったのが安藤優子氏であった。


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1 コメント

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今はどうです? (匿名)
2012-01-20 20:09:13
フジテレビジョンは、小泉の三位一体の改革を大絶賛し続けた。小泉は、公約通り、自民と公明そして原発をもぶっ壊した。
安藤優子、木村太郎、滝川クリステル
などは原発を安全だと主張した原発賛成派である。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1179007636
最近、原発を中心とした問題が流行のトピックですが、
当時、小泉政権の原発推進派を養護する報道をしたフジテレビジョン(木村太郎
、安藤優子、滝川クリステルなど) は、どう考えてもおかしいと思われます。
自民党と公明党は、公約を守って党を「ぶっこわした」すだけでなく、原発をぶ
っ壊しました。
このリンクを見てほしい。http://www.salanetwork.or.jp/
滝川クリステルの動物愛護団体名誉会員については、この団体とは異なりますが
、おかしいわけです。
ムツゴロウ動物王国の問題もフジテレビジョンでしたし、競馬は、フジテレビジ
ョンのメインコンテンツ、競争馬は、怪我すれば、殺処分されます。
震災後にやたら滝川の動物愛護が目立ち異常に際立っています。
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