「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

他人の病気を笑いのネタにするな 円楽

2017-06-13 05:13:40 | 2012・1・1
日曜日の夕方の「笑点」を昔からの視聴習慣で見ていたが、最近,番組が落語本来の大喜利ではなく、ドタバタ化し下品になってきた。なかでも三遊亭円楽師匠の、番組終身司会者、桂歌丸師匠(80)に対する”病気ネタ”は頂けない。二人は大の仲良しで歌丸師匠了解の下での話だそうだが、病気を持つ視聴者にとっては聞くに耐えない。歌丸師匠はまた肺炎で入院され、ネットで死亡説まで流れていたそうだが、それでも円楽師匠はしつっこく”病気ネタ”で笑いを誘おうとしていた。僕はたまりかねてテレビを消した。 
 
過去に膀胱ガン4回、大腸ガン2回の摘出手術がある僕にとって、他人のガン情報には神経質である。昨日もネット情報を見ていたら映画監督の大林宣彦氏(79)が、昨年8月、末期の肺ガン(ステージ4)を宣告されて以来初めて公の場で挨拶された。監督は”3か月の余命といわれたが、こうして生きています。(師匠の)黒沢明監督の映画への遺言を継承します”と挨拶された。黒沢監督にはガン患者の生き様を描いた作品「生きる」(昭和27年東宝)がある。学生の時見たが、今、ガン患者となってもう一度見たくなった。

幸い僕の場合はガンが早期発見だったため、再発転移はないが、年に数回の事後検査の度に”生きている”喜びを実感している。歌丸師匠は腸閉塞など過去に数回も入院歴があり、テレビの画面を見ても激やせされている。それでも高座に立とうとされている。しかし、本人は了解しているといっても他人から、あれほど病気を笑いのネタにされては好い気持ちはしないと思う。病気のある視聴者は円楽師匠の顔を見たくない。