ウヰスキーのある風景

読む前に呑む

中秋

2011-09-12 | 雑記
着物が届いてしかもまとめて休み。なんだかつい出歩いてしまう。といっても、さすがに昼間は夏と変わらない暑さのため、夕方や夜だけ。

連休最後の夜は、家でカレーを作って食べていた。手前味噌とは何度もいったが、やはり自分で作るとうまいのである。別にいつもいくカレー屋より美味いとかいうわけではない。簡単に言えば、自分で作ったものの中で上から数えて美味い、といえばいいか。といっても最近は料理というと、味噌汁と生野菜やら大根おろしとすり胡麻といった何もないような和食か、カレーにご飯とチャパティとアチャールという、どこの国の人かという感じである。着物でカレー食べる姿はなんというか、間違ったところにいる気分になる。まあ、家では暑いので裸族状態である。


この連休の間に「和」へカレーでも作って持っていこうか?などと言ったのだが、結局家で食べるだけになってしまった。またいずれ。


さて、チャパティというと、全粒粉に塩と水、あとはギーか植物油を好みで混ぜた無醗酵の薄焼きパンなのだが、これに色々混ぜたり包んだりして焼くものもある。


夜勤明けに最近毎度のように立ち寄るカレー屋があって(カレーばっかりだ)、そこではランチでもチャパティ(ロティと呼ばれているが)が出てくる。

ディナー向けのメニューを見ると、家の近所のより豊富なパンのメニューが並んでいて、チャパティを作る要領で焼く代わりに油で揚げた「プーリ」なんかもある。まあ、細かい話はここではしないが、あまり揚げ物は食べないほうがよろしい。


何かを包んだり、麺棒で伸ばす以外にこった成形をして焼いたものは「パラタ」という名前になったりするのだが、駅前のはスパイスの一種で「アジョワン」というのを練りこんだ「カスタロティ」というのもある。



正直、包み込んで焼く奴はあんまり旨くいったためしがない。刻んだほうれん草を包んで伸ばすと、潰れて汁が出てきて失敗しそうになる。


というわけで、ある日、早朝に腹が減ったので水気のないものを包んだり混ぜ込んだりして焼いてみた。





何を混ぜたか覚えているのだが、どっちがどっちかうろ覚え。


確か左が黒胡麻を練りこんだもの。右が擂粉木で潰したクルミにシナモンパウダーを混ぜたものを包んで伸ばして焼いたもの。


コレだけ食べたのだが、いいおやつである。胡麻はもっと表面に見えるように、混ぜ込むより伸ばす際にトッピングか、大量に混ぜ込んだほうがいい感じかもしれない。
カレーと併せて食べても邪魔にならない味だろうが、カレーは味も香りも強いので、胡麻は入っているのかわからなくなりそうだ。

クルミのほうはというと、砂糖を使っていないのに甘くなる。クルミにちょっとだけ塩を混ぜたのが利いたのだろう。おやつにうってつけ。さあ、みんなも作ってみよう。



十二日は中秋の名月。だが、夜勤である。仕方がないので、晩飯と風呂の後に散歩へ。勿論あの格好。

しばらく忙しいし(といっても、普段からのんびりしたもんだが)月でも見ながら散歩して、ついでに一杯やろうかと、わざわざ駅前のバーまで行く。


この前の日も飲んでたのだが、座ると一席飛んで隣にいた人がびっくりして、間の椅子に置いてあった荷物をどかしたほどだったが、ついでに色々とおしゃべりしてきた。

「好き勝手やろうと思ったから、着物で暮らすことにした」などというと何故だか「しっかりしてるなぁ」などと言われるのであった。


帰りにはバーテンに「どうも!若旦那!」と呼ばれる。ちなみに領収証は「キセルマン」と書かれていたりする。かれこれ四回行ったが、二度目から今回までキセルマンだった。


さて、最近は近所のカレー屋でネパールラムを飲んでいて、少々ラムに興味があったりする。そこのバーにもラムが四種類ほどあった。


前からウヰスキー飲んでラム飲んで、そして帰る、という感じでぐいぐい飲んでいたのだが、今回のはきつかった。


ロンリコというのがあって、アナグラムをするとなんだが危なっかしい響きになるラムがあった。最初に飲んだウヰスキーのシングルはストレートで、チェイサーなしでやったのだが、バーテンの兄さんが「こいつはチェイサーつけときましょう」という。

そんなに酔ってたかなぁと思って飲み始めると「かなり来るでしょう?」という。さっきのと同じくらいじゃあないのかね、と思ったら違うようで、度数を尋ねたらなんと七十五度。ありゃー、こりゃきつい。と、思ったが結局ぐいぐい飲んでしまった。

「後からきますよー」と言われたが、一服して、次にまたウヰスキーを飲んで帰ることにした。あー、結局一杯じゃ納まらん。

ただ、結構まわっていたので、三杯目はめちゃくちゃな注文をしていた。自分でも危ういなぁと思いつつ、言い直す。チェイサーと交互に飲むと、やっぱり味が薄い気がする。タバコのやりすぎで舌がバカになったのか、ロンリコが効き過ぎたか。

「これじゃぁ月が見えないで下ばかりむいちゃいますよ」などと言われながら店を出た。胃が少し痛いなぁと思うのは、どうやら酒よりも晩飯の後からそれほど時間が過ぎていなかったせいだったようで、気分が悪いというより腹が重たかった。杞憂だったようだ。ただ、月を見上げようにもビルに隠れるので、今は西に傾いた月を部屋から眺めている有様である。これが洋服でベルトを締めてたら事だったろうが、ゆったり締めた帯では問題なかった。


さてさて、休みだからって飲みすぎて(体がというより財布が)後々困らないように、また粗食に戻さねばならないな。とりあえず、忘れてたリンゴでも食べる事にする。では、また。