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ネバーエンディングストーリー

2018-09-03 01:47:32 | Weblog
『ネバーエンディングストーリー』という映画があります。滅び行くおとぎの国「ファンタージェン」を、『果てしない物語』を読んでいる一人の少年が救うという物語です。「ファンタージェン」は人間の夢や希望によって作られている世界ですが、人間が「虚無感」に支配され、夢や希望を持たなくなったために滅びつつありました。この物語の主人公である、『果てしない物語』を手に取った人間の少年バスチアンは、自分がファンタージェンを救うことなどできないと思っていますが、それもまた一つの「虚無感」です。所詮は本の中の話だから自分に関係なく、もし関係があったとしても、自分にはどうせ無理だ、世界を救うことなどできるわけがないと思い込んでいるのです。
 映画の終盤、ファンタージェンが滅び行く中、女王陛下(幼心の君)の言葉が続きます。「人間の子供は自分が果てしのない物語の主人公だってわかってないのよ。」「自分のような小さな子供に、ファンタージェンを救う力があるとは考えていないんだわ。」これは大きな可能性があるのに、その可能性を信じられない子供たちの姿、ひいては大人たちの姿を示唆していると思います。
 とうとうファンタージェンは滅びてしまいます。しかし、バスチアンは、間一髪のところで幼心の君に新しい名前を付け、彼女の手にはファンタージェンの最後の一粒の砂が残ります。現実の世界からファンタージェンへと行ったバスチアンは、幼心の君と闇の中で言葉を交わします。「なぜこんなに暗いんだろう?」「始まりはいつも暗いものなのよ。」「それ何なの?」「一粒の砂よ。これだけが残ったの。」「ファンタージェンはすっかりなくなってしまったの?」「ええ。」「じゃあ、全て無駄だったのですか?」「いいえちがうわ。ファンタージェンは新しくまたよみがえるのよ。あなたの夢と希望の中からね」。幼心の君はバスチアンの手のひらにファンタージェンの最後の一粒の砂を手渡し、促します。「何か願い事をしなさい。」「わからないよ。」「それじゃあ、ファンタージェンは生まれないわ。いつまでも。」「望みはいくつ叶うの?」「いくつでもいいのよ。望みが多ければそれだけファンタージェンは大きくりっぱになるのですもの。」そこでバスチアンは沢山のことを願い、無限の想像力によってファンタージェンは再び広大で豊かな世界を取り戻していきます。これが映画『ネバーエンディングストーリー』の概要です。
 おとぎの国ファンタージェンは、現実の世界のことだと私は思います。実は私たちの生きる現実の世界も、私たちの想像力や夢や希望によって生み出されてきたものです。科学技術の進歩も、文化・芸術の豊かさも、スポーツも、全ては私たちの想像力と希望(こんなことができたらいいなぁという思い。)が生み出したものです。あきらめや、虚無感との戦いは、今も続いています。「どーせ無理。」「自分なんて。」といった虚無感に打ち克ち、夢や希望を失わない人生を歩むことの大切さをこの映画は語りかけてくれます。
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