南無煩悩大菩薩

今日是好日也

The First Principle of Economics.

2014-03-07 | 古今北東西南の切抜
(source)

「汝、盗むなかれ」

神が申せと命じたモーセの十戎のひとつである。

グレゴリー・マンキュー博士の経済学で謂うところの10大原理の一つに「人々はトレード・オフ(相反する関係)に直面している」というものがある。何かを手に入れるためには何かを諦めなければいけない、そこには数多くの社会的経済的活動が含まれている。

そして手に入れたものは見えるものも見えないものも含めて「所有」といわれる。社会的正義とはその所有権を認め担保することでもあろう。

他人の所有権を否定することはつまり盗むことである。
汝盗むこと無かれ、は宗教的な倫理観と経済的な価値観を併せ持っているようだ。

つまり、所有権の否定には、国家による強奪、他人による窃盗や詐欺、他国による侵犯と言った一切合切を含んでいるということで、何かを手に入れるために何かを諦めることのない行為は、ところで倫理的にも経済的にも「停滞と破壊」を自ら招くものである。

とわたしは勝手に思っている。

与えられているもの。

2014-03-06 | 世界の写窓から
(GIF/source)

与えられているものは必ず使う。雛鳥が教えなくても飛べるようになるのは、羽を与えられているからだし、子供が教えなくても言葉を使うようになるのは、言葉を聞いたり話したりできるよう脳と体が与えられているからだ。

蜂の武蔵やカモメのジョナサンの話に私たちが共感するのは、与えられていないものの獲得という徒労を冒し、与えられているものを失くす愚昧を味わった経験が、私たちに与えられていたからなのかもしれない。

わたしは考える。持っている若しくは持とうとするところからの発想ではなく、今、私に与えられているものを活かすにはどうすればいいのだろうかと。

消え去った作品。

2014-03-05 | 意匠芸術美術音楽
(Salvador Dali)

サルバドール・ダリがガラ・エリュアールと共同作品を制作している、そこにはなぜかパブロ・ピカソのサインが書かれてあるようだ。

このカットにダリならこそのシュールな何かを私は受け取る。ただ、この作品は生活事情とともに消え去るさだめにある。

マルセル・デュシャンはその手記の中で「作品」についてこう語っている。

「芸術は思考を表現する手段。いやそれどころか思考そのものが、まさに芸術に他ならない。単なる眼の問題でなく、頭脳の問題なのだ」

そして、「作者が美術とは何であるかを問い、その答えを示したのが作品である」と。

言っておくが私は真面目かつ切実にこの考えを述べている。

(おまけ)


パラレル・ストレス。

2014-03-03 | 意匠芸術美術音楽
(Dennis Oppenheim/Parallel-Stress)

パラレルは並行とも訳される。

一度に二つの世界を生きることは可能か?

曲がれる方向と逆に曲がろうとするとストレスつまり重圧が掛かる。

セカンド・キャリア、つまり第二の人生という呼び方がある。順次世界を楽しもうという発想だ。

しかしこれでは、曲がりたくなった時にその柔軟性と体力は失われている場合がある。

パラレル・キャリア、つまり並列の人生は可能だろうか?

多少無理をすればできなくはないこともなさそうに思える。

問題は同時と順次との角度の見積もりに同じ計測器は使えないところに或る。

自らにストレスを掛けてみるのも悪くない。