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■楽曲制作ノート 03「K点を超えるなら 靴擦れを直せ」

 

馬場俊英 楽曲制作ノート 03

■K点を超えるなら 靴擦れを直せ Collaboration with KAN 

KANさんとの共作共演での1曲です。2015年にKANさんの最新作「6×9=53」の収録曲「ロックンロールに絆されて」に参加させていただきましたが、今回それに続いての作業をさせていただきました。KANさんと曲作りを一緒に出来ること、僕にとっては、ポール・マッカートニーやギルバート・オサリバンと共作しているのと同じくらいの気持ち。ほんとうに刺激的で感動的な時間でした。

 

作業はまず曲のモチーフを僕が3パターンお渡しし、その中のひとつをKANさんが発展させ作品としてまとめてくれました。KANさん作のデモテープを聴く、そういうこともひとつひとつ興味深い作業でした。歌詞つくりでは、まず僕が先行してチャレンジ。まったく違うものを3回書き直しましたがKANさんのOKがとうとういただけず、一回力尽きまして、次にKANさん主導で進んだものが完成形です。

 

曲の内容は、青春時代の様々なシーンを彩ってくれたあの曲この曲、あのシンガー。そういったものへのオマージュです。僕はそう思っています。「アメリカン・グラフィティ」のような。KANさんが作詞作業されるにあたり、僕が1980年代の北関東の若者たちの車文化やそこで流れる音楽の存在みたいなことをお話しましたが、この曲の風景はそれがベースになったかもしれません。

 

ちなみに僕が書いたボツ歌詞のタイトルのひとつは「田舎のラブソング」でした。あと「ロックンロール・ナイスミドル」というのもありました(笑)。これはかつてのロックンロール小僧のその後、つまりオヤジ達の現在を歌う音楽賛歌。あともうひとつ、ふたりがまったく同じ歌詞をユニゾンで歌っているように聞こえるけれど、歌詞としては全く別のものを歌っている(一人が英語詩で、一人は日本語詩)、というアイデアもあり、これはKANさんからも「ちゃんとやれば面白いかもね」と褒めていただけました。

 

途中でKANさんから「この歌では政治的なメッセージを発信したい」ということを電話で言われたりしたこともありました。でも、そういうのKANさんの作品で聞いたことがなかったので、どこまでが本当の提案なのか、どこまでが冗談なのか、本当にわかりませんでしたので「KANさん、そういうのはご自身のアルバムでやってください」と言おうと思いましたが言えませんでした。だから「K点を超えるなら靴擦れを直せ」というタイトルが来たときも、反応せず流したほうがいいのか、返したほうがいいのか、反応たら負けなのか、本当にわかりませんでした。

 

「K点を超えるなら靴擦れを直せ」というタイトルはどういう意味なのか僕にはよくわからない、という立場を今回表面的には取ることにしています(笑)。今回コラボ・アルバムですから自分ではつけないものが面白いですね。ほんとうに楽しい作業でした。KANさんには、ご自身のコンサートツアーや制作の中で、本当にたくさんの時間を捻出していただきました。ありがとうございました。この夏の僕らのヒット曲。ライブでは「もういっかい」をみんなで歌いたいです。

 

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