ODORAMOX!

BABA庵から  釣り糸なんぞが ごちゃごちゃ こんがらかった状態を ここでは「オドラモクス」と言う。

1000の風

2007-03-12 18:20:38 | 世の中
やっぱり書いちゃおう・・・

「千の風になって」という詩が流行っています。
こちらであったコンサートでも歌われました。
でも、この詩が話題になるたび、気持ち悪くなるのです。
だいじな宝物の光が、ぼやけてくるような・・・

『あとに残された人へ 1000の風』 南風椎訳 三五館
という美しい本を、ご主人を亡くされた同僚へ贈ったのは、もう10数年前のことでした。彼女はとても喜んでくれて、しかも元気になってくれました。
A THOUSAND WINDS を初めて邦訳したこの本は1995年6月が初版で、いまでも入手できます。
雑誌「文芸春秋」で河合隼雄氏がとりあげたこともあります。

もとの詩が作者不詳だからといって、日本に紹介した詩人とその本を、
新井満氏をはじめとして無視していることが、とても気もち悪い。
さらに原詩の由来について、不確かなことがまことしやかに話されていることも。

南風椎氏は<ぼくの調べた限りではカナダ先住民マカ・インディアンに伝わる祈りを100年前に英語圏の人が美しい英語の詩にしたようだ>と言っています。
彼の本は、その<祈り>をたいせつにしているイメージがあります。

これまでのところ、いまの流行について彼はなんにも発言していません。
「いいものは、時を経て、いろいろな人の手で伝えられていく」
と喜んでさえいるらしいです。

注: AMAZONで「千の風」と検索しても、南風椎氏の本はでてきません。著者名で探します。