彼女「もう食べたいぐらい好き!」 彼「顔が好きなだけだろ」
彼女「それだけじゃないよ、全部全部好き!!」 彼「全部って何?ボクがどんな人か知っている?」
彼女「これから段々と知っていく。でも絶対嫌いにならない」 彼「そんなの嘘だ」
彼女「嘘じゃない!!暴力をふるっても好き」 彼「暴力は駄目だよ。ボクは振るわないけど」
彼女「好き、好き!!」 彼「ボクなぐったりはしないけど変態だよ」
彼女「変態?何それ」 彼「変態は変態だよ。変な人ってこと」
彼女「変な人でも好き」 彼「変態って気持ち悪いってことだよ」
バスが止まった。満員で身動きの取れなかったバースくんはやっとそこで聞こえてきた会話の二人を振り返り見る。
同時にバタンと音がして彼女の膝の上に置かれていたであったろう本が床に落ちた。小学三年生・国語……
彼女は夏の制服、白に水色のセーラー服を着ていた。彼は半袖シャツに黒の半ズボンだった。
声から子供だなとは思っていたけれど、まさか三年生とは思わなかった。失礼ながら一瞬じっと見てしまう。
なんと彼女は彼に覆いかぶさるようにして、彼の髪をくしゃくしゃにしているところだった。もう呆然とするボク。
バスはまた走り始めた。覆いかぶさった彼女は彼に「ボタンを押して」と頼む。いやいや上になっている嬢ちゃんの方が降車ボタンに近いって!!
次の停留所に着く。バタバタと駆けて降りてゆく二人。車内の乗客全員の目が二人に注がれている。ドライバーさんに
彼「ありがとうございました」 彼女「ありがとうございましたーー!!」 彼「声が大きい!!恥ずかしいよ」 彼女「そんなの気にしない」
そしてバスは発車した。車内の気持ちが一つになっているのをボクは感じた。「何今の?ベタベタのベタが子供?!疲れたーでも面白すぎ」
さらに次の停留所。ここで一人の70がらみの女性が乗車、これがフフフ……またいつかの話鳥取のイベント情報サイト ジャングルズームノマップ