咲とその夫

 定年退職後、「咲」と共に第二の人生を謳歌しながら、趣味のグラウンド・ゴルフに没頭。
 週末にちょこっと競馬も。
 

人としての誇りも恥も、さらに責任感も・・・

2011-11-10 21:44:30 | 日記
 オリンパスが90年代ごろの有価証券への投資により多額の損失を出して、その損失計上を怠り、隠し続けてきたことが今回発覚したとの報道。企業モラルも何もあったものではないような出来事の露見で、驚きとともに大きく報道されている。

 大企業であるオリンパスの歴代経営陣が、自らの責任も放棄し先送りを行って、挙句の果てに過去の企業買収によるお金で穴埋めをしていたとは前代未聞の出来事である。

 さらに20年以上もこれらの損失を見つけることができなかった監査法人は、一体全体どこを監査していたのか、あるいは一緒になって先送りに手を貸していたのだろうか。

 そのような中、有価証券報告書によると、某前会長兼社長の役員報酬(少なくとも2年間にわたる)は、年1億円を超えていたらしい・・・これも驚きであるが、こうなると他の経営陣も同様であろう。

 弁護士や公認会計士でつくる第三者委員会の調査過程で判明したとのことで、今後さらに詳しく実態が解明されるであろうが、場合によっては上場廃止も考えられるとか・・・東京証券取引所もオリンパス株が上場廃止基準に抵触する可能性がないか調べ始めたとのこと。

 このことは、歴代の経営陣たちが「人としての誇りも恥も、さらに責任感」も放棄してきた実態である・・・利益の追求のみに邁進してきたものであろう。

 これはまさに、日本人が連綿として受け継いできた「恥の文化」「潔い文化」の崩壊に他ならない。

 今の政治家も一度権力の座に就くと、今まで言ってきた自らの政治信条も何もかなぐり捨て・・・その上「人としての誇りも恥も、さらに責任感」も放棄している実態が何年も続いている。

 国を動かすものがこの体たらくであるから、次のようにあきれるような事件も起きている。
 
 「JR中央線の電車内で乗り合わせた大学生の男性のダウンジャケットにライターで火を付けたとして、警視庁新宿署は男を逮捕した。新宿署によると、『男性の服が邪魔で腹が立った。火を付ければ離れると思った』と容疑を認めている」とのこと。

 全く身勝手な事件で、場合によっては大参事にもなりかねない危険な行為である。なぜこのようなことが意図も簡単に起きるのであろうか、まさに人としてのモラルの低下以外の何ものでもない・・・。これに似通った事件も多く起きているが、日本という国がここまで落ちたとは、何とも情けないことである。

 先日読み終えた池波正太郎著「堀部安兵衛」の後段で解説をしている作家・八尋舜右(やひろしゅんすけ)氏が、小説を介して池波正太郎氏・自らの考え方について列挙されているが、それらはまさに現代の日本人に望まれるべきものである・・・次のごとく。
 
 「封建社会のなかにも [美しさ] はあった、と池波さんは書く。それを一言でいうなら義理ということになろうか。武士は身をすてても、あるべき武士としてのモラルをまもり、自己責任をはたす。それゆえに四民の上に位置することをゆるされるのだとする思想である」

 「・・しかし、これら整斉たる気概をそなえた男たちの生き方を、古臭い、封建倫理の尾てい骨だと一概に切ってすてたところに、現在ただいまのモラル不在の浮薄な社会がある。池波さんは、いうまでもなく封建モラルの賛美者などではない。個人の自由、利益の追求に奔るあまり、人間としての誇りも恥も、そしてなによりも責任感を喪失した現代人に失望し、覚醒をうながしているのだ」と、解説されている。

 これこそが大事なことであり、失われつつある日本人としての道徳感を今一度取り戻すことであろう。それは、教育の力以外の何ものでもない・・・教育改革。(夫)

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