先週、北海道に用事があり札幌と室蘭に行ってきました。札幌は過去にも何回か訪れたことがあり、レコード店やジャズ喫茶巡りをしていました。今回は、それに加えて、ブログ「デューク・アドリブ帖」を主宰しているデュークさんとすすきのでお酒を酌み交わすことができました。好きなミュージシャンや最近のトピックなどジャズ談議ができて楽しいひと時を過ごしました。はじめて会ったのですが、昔からの知り合いという感じでお話ができて感謝です。彼は、熱烈なデューク・エリントンのファンです。
BEN WEBSTER (ベン・ウェブスター)
KING OF THE TENORS (Verve 1953年録音)
1940年代にデューク・エリントン楽団で鳴らしたベン・ウェブスター(ts)ですが、50年代に入ってもいい作品を残しています。「テナーの王様」と名付けられたこのアルバムでは、ミディアムテンポ以上ではうなりを伴った男性的な吹奏、一転してバラードでは慈愛に満ちたプレイです。50年代なので録音が優れ、テナーの音や息遣いが明瞭です。
ヴァーヴ・レーベルのスター奏者がベンの伴奏に回っています。メンバーは、ウェブスター(ts)、オスカー・ピーターソン(p)、バーニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、アルヴィン・ストーラー(ds)、ハリー・エディソン(tp)、ベニー・カーター(as)で、この編成で5曲、ドラマーがJ・C・ハードに代わり、ギターを加えたピアノカルテットの伴奏で3曲やっています。
遅いテンポでバラードが、「テンダリー」、「ザッツ・オール」、「ダニー・ボーイ」と3曲、ウェブスターのオリジナルが2曲で「ジャイヴ・アット・シックス」と「バウンス・ブルース」、エリントンの2曲「ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニー・モア」と「コットン・テイル」、そして「ペニーズ・フロム・ヘヴン」とLPでは8曲です。
「テンダリー」、「ザッツ・オール」、「ダニー・ボーイ」というテンポの遅い曲において、情緒を醸し出しながら、悠揚せまらぬプレイをベン・ウェブスターがしています。「テンダリー」は名演としてディスクガイドなどでよくとりあげられますが、僕は、「ザッツ・オール」も曲として好きなこともあり気に入っています。「コットン・テイル」はアップテンポで、唸りを上げて豪快に吹きぬけていくテナーに興奮します。スイングタイプですが、メロディ、サウンドが美しいので、どなたも楽しめるのではないでしょうか。
ホームページの散策に「札幌でレコード店、ジャズ喫茶めぐり」を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう 札幌でレコード店、ジャズ喫茶めぐり
レコード店って、今の世の中では経営していくの大変でしょうね.
よく頑張っていくるなーと感心させられます.
CD があれだけ安く売られてしまうとねー・・・ボクのようなものにとってはありがたいのですが.
そういえば当時はまだWaveも営業していてそこではビル・パーキンスとリッチー・カミューカのRCA盤を買いました。Waveはもうないんでしょうねぇ。
レコード店は、新譜、中古問わずたいへんだと思います。
でも、頑張っているところも多いです。中古主体ですが、長野市内のグッドタイムスやアンサンブルなどたまに覗くのが楽しみです。僕は手に取ってみるのも好きなので。
札幌では、中古レコード屋さんは頑張っています。WAVEは、既にないと思います。今回は下調べをしないで行ったのが大きな間違いでした。Disc Evansは、ススキノから離れているのでかえってよく覚えていましたが、Records-Recordsの方はちょっと迷ってしまいました(笑)。
ベンが初めてエリントンと共演したのは35年のことでしたが、18年後のこのアルバムまで常にキングでした。「テンダリー」の名演もさることながら「ダニー・ボーイ」の泣きはたまりませんね。「クラブ進駐軍」という映画で、「ダニー・ボーイ」を聴いた駐在する米兵が泣き出すシーンがありましたが、アメリカ人にとって郷愁のメロディなのでしょう。
札幌のレコード店巡りで「フレッシュ・エア」は定休日でしたが、もし開いていても買うレコードはなかったでしょう。お値打ち価格でめぼしいものはほとんど私が抜いております。(笑)
ダニー・ボーイの演奏も琴線に触れます。「クラブ進駐軍」は見たことがありませんが、DVDを探せばあるのかどうか。
フレッシュ・エアがdukeさんのお店とは知りませんでした。次回いっても寄らないことにします。めぼしいものはなさそうですから(笑)。今度は、しっかりと予習して店の所在地、定休日を押さえていきます。