安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

広上淳一指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団演奏会 (10月2日 須坂市文化会館)

2016-10-10 19:15:16 | 演奏会・ライブ

長野県須坂市文化会館メセナホールで開催された、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏会に行ってきました。開館25周年記念だそうですが、地方で在京のオーケストラを聴けるのはありがたく、記念でもなんでも大歓迎です。指揮が広上淳一、ピアノ独奏が小山美稚恵という組み合わせなので、期待して出かけて行きました。

   

指揮:広上淳一
ピアノ:小山美稚恵
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミュラ」序曲
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
リムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」作品35

(アンコール)
スクリャービン/左手のためのノクターン (小山美稚恵独奏)
リムスキー=コルサコフ/ 歌劇「雪娘」から「道化師の踊り」
荒川 洋 / メセナの丘で (このメセナホールのために作曲されたもので、管弦楽版は本日が初演)

ラフマニノフのピアノ協奏曲は、第3楽章の旋律がたっぷりと歌われるなど素晴らしい演奏でした。ただ、第2楽章で、オーケストラの音が大きくて、ピアノの音があまり聴こえてこない部分がありましたが、元々の譜面がそうかもしれません。小山さんの演奏は、引き締まってスポーティーな感じがあり、カデンツァも華麗で思わず引き込まれました。ピアノの指使いが見える席だったので、聴くと同時に観る点でも楽しめました。

広上さんについては、数年前に、愛知県立芸術劇場で京都市交響楽団を指揮したのを聴いたことがありますが、今回は近くだったので、ダイナミックでこまめな指揮ぶりがよくわかりました。陽性で明るい感じがよく、「シェエラザード」では、そんな感じに加え、メリハリをつけていて好感を持ちました。コンサートマスターの豊嶋泰嗣さんがヴァイオリンソロをとりましたが、豊麗な音色で、物語を上手く表現してくれました。

新日本フィルの木管・金管楽器のソロは手堅いものでしたが、とりわけホルン、トロンボーンの音色のよさに魅了され、そういう点からも「シェエラザード」は、いい演奏に思えました。「今日は特別にもう一曲やります」という広上さんのMCがあって、荒川洋さん(新日本フィルの首席フルート奏者)作曲の「メセナの丘で」の管弦楽版が演奏され、コンサートの幕が閉じられました。