お茶のあずま園-しんちゃん-ここだけの話ねんけど・・・

自家焙煎の美味しい加賀棒茶「加賀棒ほうじ茶」を追求する、お茶のあずま園、店主、東信一の四方山話。全国の産地直送茶もOK。

山の家の町内(集落内)・・・一年の締めくくり・・・「万雑」です。

2018年12月02日 21時42分52秒 | お茶屋

しんちゃんの家の、山の家の集落では、年末になると、
集落(町内)の「万雑(まんぞう)」があります。
今風の「町内会費」ですが、農村では、各戸均等割りでなく、
古くから土地(田畑)の所有割合で計算します。

「万雑」とは、集落を維持していくのに必要な1年分の経費を
年末に計算し、お金を出し合って、精算して、
気持ちをすっきりとさせて、年末年始を迎えます。
(「万雑」とは・・・こちらの記事を参照

・「万雑」の日は、当番宿(順番に回る)に朝から町内の人が集ま
り、一年間に町内に掛かってきた項目ごとに金額を確定して
行きます。
昔は、そろばんでしたが、今はパソコンで計算します。
どのような割合で計算するかは、その町内町内で違っています
が、しんちゃんの町内での一例を・・・

◎手順:1、町内の共通経費を集計する
  (神社経費、農道維持経費、共有建物の経費、
   行政からの負担金・・等)
2、集計した共通経費の1/3を、戸数割りとし、家の軒数で
  割って一戸分を出す (どの家も均等に掛かる)
3、集計した共通経費の2/3を、土地割りとし、各家の土地
  (山、畑、田)の持分比率割合で各戸に割り当てる
  (宅地だけの家には掛からない)
4、一軒ごとに掛かってくる経費(公民館、災害見舞い、募金、等)
  (どの家も均等に掛かるが、戸数分、町会でまとめて払っている)
5、一年分の町内奉仕活動(草刈、溝さらえ、神社掃除・・・等)に
  出た人数見合いに単金を掛けて、各戸の奉仕金額を出す
6、支払の総額=
  「(2)の戸数割+(3)の土地割+
   (4)の一軒ごとの経費-(5)の奉仕金額」
以上で、昼頃までに「万雑」の各戸の金額が確定します。
 
簡単に言うと、
・土地(田畑山)を多く持っている家に、沢山かかります。
・町内奉仕活動に多く出ると、支払が軽減されます。
  (出ない人は支払金額が多くなる)
・町内に住んでいなくても、町内に土地(田畑山)を所有している人
  にも、(3)の土地割は掛かってきます。
 
町内の資料では、明治の頃から続いている記録が残っています。
 
しんちゃんの家の支払分は、約3万円になりました。
(田畑山があるもので・・・)
計算が確定すると、車座になって、各戸より、支払金額を提出し、
みんなでチェックして、
支払に回すものや、立替金を精算し、終了となります。
その後、料理(最近はオードブル)が出され、
町内全員(と言っても、少人数ですが)で一年の無事と親睦を図ります。
・・・一日掛かり!
(宴会費用も、もちろん「万雑」に組み入れられています)
また、数年前までは、新年明けに「初寄せ」と言って、
町内全員集まり、一年間の町内役員、土地の貸し借りの年貢、
年間行事・・・等を決めていたんですが、最近は、「万雑」の時に、
決め事も一緒に決めています。

「万雑」とは、荘園時代の年貢・雑税から来ているようですが、
先人の長年の知恵で、公平にうまく出来ていると、感心しています。
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