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外国人労働者を受け入れるより、日本人に賃上げを

2018-07-19 00:33:01 | 日記

LIFE & MONEY  より

塚崎 公義

外国人労働者の受け入れは、労働力不足により改善してきた様々な問題を再び悪化させかねない、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は主張します。

労働力不足は日本経済にとって良いことが多い

政府は、新たな在留資格を創設して、外国人労働者の受入枠を拡げる方針です。政府関係者によると、農業、介護、建設、宿泊、造船の5業種が想定されていて、5分野で2025年ごろまでに50万人超の受け入れを見込んでいるようです。実現すれば日本で働く外国人労働者が、単純計算で一気に4割増えることになります。

農業に関しては、特殊な事情があるので拙稿『農業が労働力不足なら、農産物の輸入制限を撤廃しよう』で論じましたが、今回はそれ以外の業種について、より一般論として論じてみたいと思います。

バブル崩壊後の長期低迷期、失業者が大勢いて、高齢者や主婦は仕事を探すことすら諦めていました。正社員になれずに非正規労働者として生計を立て、苦しい生活を強いられてきたワーキングプアが大勢いました。ワーキングプアよりはマシだからという理由でブラック企業で働く人も大勢いました。

こうした状況が、労働力不足によって逆転しようとしているのです。労働力不足は、経営者にとっては困ったことでも、労働者にとっては嬉しいことなのです。「働く意欲と能力がある人は誰でも失業せずに生き生きと働くことができる」「ワーキングプアの生活がマトモになる」「ブラック企業から社員が抜けて存続できなくなる」からです。

労働力不足は、日本経済にとっても良いことです。バブル崩壊後、失業対策の財政政策を強いられてきた政府にとっては、失業対策が不要になります。省力化投資をせずに安くて豊富な労働力に頼って来た企業が、労働力不足に悩むようになって省力化投資をすれば、日本経済全体が効率化しますから。

「労働力不足」というのは否定的なニュアンスの言葉なので、「仕事潤沢」とでも言い換えるべきだと思っています。しかし筆者はキャッチコピーを考えるのが苦手なので、誰かに良いコピーを考えて広めてもらいたいです(笑)。

 

労働者の賃上げを阻むような動きには反対しよう

バブル崩壊後の長期低迷期を苦しみぬいた後で、ようやく労働力不足の時代を迎えたのです。外国人労働力を安易に受け入れてせっかくの労働力不足を労働力余剰に後戻りさせてはなりません。

経営者が「労働力不足だから、賃上げをしないと労働力が確保できない。それは嫌だから、外国人労働力を受け入れよう」と考えて政府に働きかけたのだとしたら、労働者は反対すべきです。労働者、労働組合はもちろんですが、労働者の利害を代表する政党も、「そんなことをせず、素直に賃上げしろ!」と思い切り声を上げて反対しましょう。

本来なら政府も「外国人に頼ろうとせず、省力化投資を急げ。資金は銀行がいくらでも貸してくれるだろうし、必要なら政府が借り入れに際しての保証をしても良いから」というべきでしょう。

農業に関してはチョット特殊で、以前の記事で記したように、農産物を輸入すれば良いだけの話です。狭い土地で外国人が無理をして農産物を作るよりも、外国の広大な農地で作られた作物を安く輸入すれば、消費者は大いに助かるはずです。しかし、介護や建設等は輸入できませんから、賃上げが必要になるのです。

介護は、労働の厳しさに見合った賃金が支払われていないから介護士不足なのであって、介護士の待遇を改善することが必要です。そのために必要ならば、介護保険料を値上げすべきです。広く一般国民が介護保険料の値上げをしてほしくないから、介護士に「労働に見合わない低い賃金で我慢しろ」といって無理強いをするのはフェアではありません。

そして介護士が「そんな低賃金なら辞める」と言うと、「賃金を上げるのは嫌だから外国人に頼む」というのも筋が違います。賃金を労働の対価にふさわしい水準まで引き上げるのが筋です。そのために必要なら介護保険料を値上げして、広く国民全体で介護士の正当な賃金を分担しましょう。

建設等々も、値上げして労働者の待遇を改善すれば良いのです。「労働力不足の今、ビルを建てるのは高いコストがかかるのだ。当然だろう」という強気の交渉をしましょう。そして高値で受注して、高い給料で建設労働者を募集しましょう。他業界から労働力を奪ってきましょう。

「高齢化などによって熟練労働者の絶対数が不足しているから、待遇を改善しても集まらない。熟練労働者は他業界から奪ってくるわけにいかず、どうしようもない」という場合にのみ、熟練労働者限定で外国人受け入れ枠を広げれば良いでしょう。

賃金の上昇で”マイルドなインフレ”が可能に

さて、そもそもなぜ、外国人労働者が必要なのでしょうか。各業界で足りなければ、高い賃金を提示して他の業界から労働力を奪ってくれば良いだけです。その分だけ売値を上げれば、日銀の目指す「マイルドなインフレの国」ができるはずです。

論者によっては、「日本は人口が減っていくので、経済力が維持できない。その分を外国人労働力で補うべきだ」という人もいるようですが、それは賛同できません。重要なのは日本のGDPではなく、日本人1人当たりのGDPなのですから。

たとえば、100年後には日本の人口が3分の1になったとします。日本のGDPを守るには、残り3分の2は外国人で補充する必要があります。そうなると、日本列島に住む人の3分の2は外国人ということになります。そんな日本列島を我々は本当に望ましいと考えているのでしょうか。

慎重な判断が求められる分岐点に我々は立っているのだと思います。

なお、本稿は厳密性よりも理解しやすさを重視しているため、細部が事実と異なる可能性があります。ご了承ください。

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