紫陽花記

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「とある日のこと」雛の流行く

2016-02-15 08:25:37 | 「とある日のこと」2016年度

吾の厄背負いし雛の流行く(われのやくせおいしひなのながれゆく)

 旅友四人で桜川市真壁町のひな祭に出かけた。町の無料駐車場5番に停め、ひな祭マップを手に町の中心部へと向かう。ブログ情報の、十一時半に流し雛が行われるという山口川を渡る。

 数年前に来たことのある真壁町。三・一一の被害の建物が未修復のまま所々に見られた。

 真壁伝承館を見る。近くの神武神社に多くの人だかり。プロのカメラマンたちが待機していた。人を掻き分け社殿の前の賽銭箱へご挨拶の硬貨を投げ入れる。社殿には小学生が大勢座していた。聴けば、これから行う流し雛のお払いを受けているとのこと。

 希望者には流し雛用の、男雛女雛の乗った船を貰えると言うので、一艘頂く。

 流し雛会場の山口川へと戻る。川幅十メートルほどの両岸には大勢の見物客がいる。新聞社の記者が客にインタビューしていたり、撮影スポットを確認したりしていた。

 薄桃色の着物に袴姿の神主さん二人と小学生の一団がきた。神主さんが大幣を振り御祓いをする。子供たちが、手作りらしい雛人形を乗せた小船を流れに浮かべる。小船は勢いよく流れていく。次々と流れる。厄払いをした子供たちはみな笑顔だ。その後は、私たち大人が小船を流す。晴れ晴れとした気分になって、その雛人形を見送った。

「伊勢屋旅館」でランチをする。以前訪町した時と同じ二階へ。部屋の間仕切りが外された大広間の座卓へ着く。散らし寿司を主にしたランチを美味しく頂いた。

 食後の街歩きは、飲み食いしながらの散策。江戸時代からの雛飾りなど見応えがあった。
町全体のひな祭。古い町並みに艶やかなお雛様が似合っていた。