紫陽花記

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別館★写真と俳句「めいちゃところ」

あの日を忘れない

2021-03-11 09:07:07 | 「とある日のこと」2021年度

 
 今年も東日本大震災の日が巡ってきた。日本国民であれば誰も忘れられない日である。

 あの日私は自室に居た。夫は会社へ。息子も東京の会社へ。息子の嫁はパートへ。孫たち3人はそれぞれの学校へ。家には私一人であった。
 最初の「グラッ」はドンと地下から突き上げられたような衝撃で、次の「グラグラッ」は大きく横に振りきられるような衝撃の連続。テレビ画面には地震速報が飛び出すように映った。

 我が方の震度は6弱。ベッドに横倒しになった私は、部屋を飛び出し玄関方面へ。キッチンの流し台の下の収納が飛び出し、作り付けの食器棚の扉がみな開いていた。玄関の靴入れの上に飾ってあった備前焼の花瓶類が大きく前後に振られていて、3個ほどの小さな壺が三和土に落ちて壊れていた。小学生の孫娘はママが迎えに行き、二人の孫息子も無事に帰ってきた。夫は仕事帰りの途中だったとか。
息子は、一斉に動かなくなった電車に、どうしているのか? 嫁との連絡を取り合っていたので無事は確認されていた。
一晩中大津波の映像が流れたテレビ。眠ることの出来ない不安感。息子が帰ってきたのは、翌日の午前中。一台残っていた会社の軽自動車に、方向の同じ4人が乗ってきたそうだ。真っ黒に煤けた顔に疲労が滲んでいた。

 数日後、石巻の実家と連絡が取れた。二階の屋根瓦が崩れ落ちた程度とのこと。石巻の兄家では、息子が行方不明だったが、会社の屋根裏まで水に追い込まれていた数人と、無事に救助されて帰ってきた。その後,実家方面の皆さんは、長い間不自由な生活を続けるしかなかったという。

災害は忘れた頃にやってくる。
現在のコロナ禍、気を引き締めて。
犠牲者に黙祷を捧げます。


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