孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  新型ウイルス肺炎 「国外へは出るが省外へは出ない。愛国ウイルス」との皮肉も 実態は?

2020-01-18 23:10:56 | 疾病・保健衛生

(肺炎の感染拡大を受けて閉鎖された武漢の生鮮市場【1月13日 WSJ】
中国当局も、SARSの教訓を生かし、新型ウイルスの検出などWHOも評価する“早め”の対応はとっているようです)

【現段階情報からすれば、“そう大騒ぎすることもない”レベル】
中国の湖北省武漢で、新型ウイルス肺炎が発生している件については、まだわからないことが多い状態ですが、日本でも発症者が出たことなどで大きな関心を呼んでいます。

****中国 新型ウイルス肺炎新たに4人発症 患者は計45人に ****
(中略)中国内陸部の湖北省武漢では、先月8日以降、新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎の患者が相次いで確認されています。

武漢の保健当局は18日、今月5日から8日にかけて新たに4人が発症していたことが確認され、患者は45人になったことを明らかにしました。

武漢の保健当局は、新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎の患者は今月3日以降、武漢では確認されていないと説明していましたが、その後も新たに感染が確認された形です。

45人の患者のうち、これまでに2人が死亡し、5人が重症になっているほか、15人は症状が回復し、すでに退院したということです。

新年を旧暦で祝う中国では、今月24日から旧正月の「春節」にあわせた7日間の大型連休が始まり、国内の移動や海外への渡航が増えるだけに、当局は監視体制を強化するものとみられます。

台湾の保健当局「感染経路を市場に限定すべきでない」
中国の湖北省武漢で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎が相次いでいる問題で、台湾の保健当局は、現地を訪れた医師の話として、患者の大半が地元の海鮮卸売市場に出入りしていた一方、3割前後は出入りした形跡がないことから感染経路は分かっておらず、この市場だけが感染経路だと限定すべきではない、という見方を示しました。(中略)

海鮮卸売市場では、ウサギやアナグマなどの野生の動物も販売されていて、患者がどのように感染したのか現地の当局が詳しく調査を進めているということです【1月18日 NHK】
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同じコロナウイルスによる感染症としては、中国から各地に拡大したSARS(コウモリが、保有宿主(感染源動物))の2003年の流行では8096人が感染し、774人が亡くなられています(致死率9.6%)。 

また、サウジアラビアから中東に拡大したMERS(ヒトコブラクダが、保有宿主)ではこれまで2494人の方が感染し858人の方が亡くなられています(致死率34.4%)。【1月10日 忽那賢志氏 YAHOO!ニュースより】 

それに比べたら、“中国発表によれば”感染者は少なく、死亡者も2名、また今月5日以降の新規発生が4人ということですから、“そう大騒ぎすることもない”レベルにあるように思われます。

ヒトからヒトへの感染が疑われる症例も報告されていますが、かなり濃厚な接触があった場合で、不特定多数に一気に感染拡大するというものではなさそうです。(あくまでも「現段階では」という話で、今後変異することで感染力が強化される危険も存在します。)

【SARSの“前科”がある中国 「関係国に積極的に情報提供」と強調】
ただ、中国がどこまで実態を世界に報告しているかは疑問も。
もちろん、中国は国際組織や関係国に対して、積極的に疾病の状況について情報提供しているとのことです。

****新型肺炎、中国外務省「関係国に積極的に情報提供」**** 
中国外務省の耿爽(こう・そう)報道官は16日の記者会見で、湖北省武漢市で発症が相次いでいる新型のウイルス性肺炎の患者が日本で初確認されたことについて「日本の状況はまだ把握していない」と述べた

。耿氏は「中国は世界保健機関(WHO)などの国際組織や関係国に対して、積極的に疾病の状況について情報提供している」と強調した。
 
タイでも、武漢市から観光で訪れた中国人女性からウイルスが確認されている。耿氏は「タイとはこの件について、絶え間なくコミュニケーションを保っている」と明らかにした。また、事態発生後に武漢市当局が情報公開を絶えず続けているとも強調した。
 
これまでに中国側が、新型のコロナウイルスを確認したとの初期段階の判定を示し、WHOも同様の認定を行った。発症者の多くは武漢市内の海鮮市場の関係者で、ウイルスが確認された発症者は計41人にのぼり、男性1人の死亡が報告されている。
 
武漢市当局は「限定的だが人から人へ感染する可能性は排除できない」との見方を15日に表明している。人から人への感染リスクはやや低く、まだ明確な証拠も発見されていないと説明しており、詳細についてさらに医学的な調査を進めるとしている。【1月16日 産経】
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SARSのときは中国当局が何カ月もその事実を隠している間にアジア・世界各地に感染が拡大して700名超の多数の犠牲者を出した“前科”がありますので、今回はその教訓を生かして・・・と考えたいところですが、隠蔽体質はなかなか変わらないということもありますし・・・

****新型肺炎めぐり情報統制強化=感染訴える投稿削除―中国当局****
中国湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎をめぐり、インターネット上に投稿された「感染」を訴える書き込みが削除されたことが分かった。

武漢市衛生当局は16日夜、新型肺炎で2人目の死者が出たと発表。中国当局は、人々の間で感染拡大によるパニックが起きないようネット上の情報統制を強めている。
 
中国版ツイッター「微博」には16日昼、「父親が9日に肺炎を発症し、母親と自分もここ3日間、発熱が続いている」との投稿があったが、夕方に削除された。既に投稿者のアカウントも閉鎖された。
 
微博の書き込みによると、父親は熱が下がらず、武漢市内の新華病院で肺炎と診断されたが、専門治療が受けられる同市内の同済病院に転院させられた。しかし、同病院は発熱患者であふれ、検査部門もフル稼働中で、注射を打った後、自宅での隔離療養を指示されたという。
 
しかし症状は悪化。別の病院の紹介状をもらってようやく、新型肺炎患者が集められて隔離されている金銀潭病院(武漢市)に収容された。その後、母親と本人も肺炎を発症し、同病院に電話したが、「外来患者は受け付けていない」と、診療を断られたという。【1月17日 時事】
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“しかし、同病院は発熱患者であふれ、検査部門もフル稼働中で”という事態と、“患者は45人”という報告には乖離があるようにも。

無責任・不正確な情報でパニックが起きないようにというのも、一定に配慮すべき面もありますが、情報統制云々の前に、当局が正確な情報を一般に公開するというのが大前提でしょう。

【不自然な「愛国ウイルス」 感染者は1700人以上との推測も】
今回の感染については、タイ・日本で発症事例があるのに、湖北省以外の中国国内で発症が報告されていないという“不自然”に思える面があります。

このあたりは、中国ネットでも「国外へは出るが省外へは出ない。愛国ウイルス」と皮肉られていますが、もし、中国当局が隠蔽しているとしたら、春節の民族大移動を控えて“皮肉”では済まない事態にもなります。

****タイに続き日本でも武漢の新型肺炎確認=「なぜ武漢と海外だけ?」****
タイに続き日本でも、中国湖北省武漢市で相次いでいる新型コロナウイルスによる肺炎の患者が確認された。 

NHKによると、武漢に渡航していた神奈川県に住む中国籍の男性が帰国後に肺炎の症状を訴え、新型コロナウイルスへの感染が確認された。日本で感染者が確認されたのは初めて。 

数日前には、武漢からタイを観光で訪れた中国籍の女性が、到着後に発熱など肺炎に似た症状を訴え、新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと伝えられている。 

これについて、中国SNSの微博(ウェイボー)では、「タイに続き、今度は日本。ウイルスは海外にまで広がっているのに、なぜ国内では武漢以外で確認されないのか」とのコメントに、「いいね」が多く付いており、中国国内で武漢市以外での感染事例がないことに疑問を感じている人が少なくないようだ。 

また、「国外へは出るが省外へは出ない。愛国ウイルス」との皮肉コメントも、多くの人の共感を得ていた。 

ほかには、「もうすぐ春節(旧正月)の連休が始まる。帰省や旅行で人がたくさん移動する時期。拡散が心配」「国がうまく対応してくれることを信じよう」などの声も上がっていた。【1月16日 レコードチャイナ】
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タイと日本で発症というのは、中国人の一番多く旅行する国がタイ・日本なので自然ですが、省外の事例がないというのは・・・

実際には感染者は、当局発表よりずっと多いのでは・・・との推測もなされています。

****中国の肺炎ウイルス、感染者は1700人以上か 英大推計 米国は空港での検疫強化****
中国で2人が死亡した重症急性呼吸器症候群に似た正体不明のウイルスの感染者は、公式発表より千数百人多い1700人以上に上っている可能性があるという見方を、英国の研究者らが17日、明らかにした。
 
中国当局は、同国中部・武漢市にある鮮魚市場付近を中心に流行した肺炎の原因とされるウイルスに、中国国内で少なくとも41人が感染したと発表している。
 
しかし、国連の世界保健機関などにも助言を行っている英インペリアル・カレッジ・ロンドンの感染症に関する研究センターの研究者らは、17日に発表した論文で、武漢市では1月12日時点で「合計1723人の患者」が感染しているとみていると明らかにした。
 
研究者らは、これまでに中国国外で報告された感染者数と、武漢の空港を出発した国際線データに基づいて、武漢市内での感染者数を推計した。中国国外では現時点で、タイで2人、日本で1人の感染者が報告されている。
 
論文の著者の一人、インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授は、「1週間前よりも一層懸念している」とする一方、「大騒ぎするには早すぎる」と述べた。
 
ファーガソン氏はまた、「これまで以上に、実質的なヒトからヒトへの感染の可能性を懸念すべきだ」とし、感染の主な原因が動物との接触によるものでは「ないとみられる」と指摘した。
 
米国は17日、武漢からの直行便が到着するカリフォルニア州のサンフランシスコ空港と、ニューヨークのケネディ空港のほか、乗り継ぎ便が多いロサンゼルス空港で、武漢からの到着便について検疫態勢を強化すると発表した。 【1月18日 AFP】
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実際のところは部外者にはわかりません。今月24日から旧正月の「春節」にあわせた7日間の大型連休が始まりますので、もし隠蔽されていたものがあれば、事実上もう手遅れでしょう。一気に中国全土に・・・

そうではないことを願います。いくらなんでも、中国当局もそこまで愚かでも無責任でもないでしょうから。
WHOも、最初の発症から1か月以内に新型ウイルスの検出に至った中国の対応を高く評価しています。

 

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