孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  発熱や肺炎の症状を訴える子どもが急増 中国当局「一般的な病原体によるもの」

2023-12-01 23:40:09 | 中国

(幼稚園や小学校など、子どもたちが多く集まる施設を消毒する防護服にマスク姿の作業員【11月28日 khb東日本放送】)

【中国衛生当局「一般的な病原体によるもの」】
新型コロナについては個人的には4月ぐらいから仕事中以外のプライベートではマスクを着けることもなくオワコン状態にありますが、私の暮らす田舎ではまだマスク着用を続けている方が半数以上(もっと多いかな?)いるような状況。

そうしたなかで、中国で子供の肺炎が急増しているとのニュースをよく目にします。

****幼稚園に防護服集団、街中もマスクだらけ…背景に子どもの呼吸器疾患の急増 中国****
中国全土で、発熱や肺炎の症状を訴える子どもが急増している。

幼稚園や小学校など子どもたちが多く集まるところに、防護服にマスク姿の作業員たちが。手にしているのは消毒液で、教室や階段など至るところに噴射していく。

街中ではほとんどの人がマスク姿で歩いていて、まるでコロナ禍のような光景。

「流行っているのは主にインフルエンザ。ほかにマイコプラズマ肺炎など、呼吸器系の疾患も同時発生している」(中国国家衛生健康委員会報道官)

現在は、検温や手洗いといった感染防止策の徹底が呼び掛けられていて今後、対策が強化される可能性もある。(『ABEMAヒルズ』より)【11月29日 ABEMA TIMES】
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新型コロナ発祥の地である中国だけに、ちょっと不安に感じる話。
結論から言えば、新たなウイルスなどは検知されておらず、既存のインフルエンザやマイコプラズマ肺炎の流行のようです。

不安に感じたのはWHOも同じで、WHOは11月22日、中国北部で子どもたちが肺炎に集団感染するケースが増えているとして、中国当局に詳細な情報提供を求めました。

新型コロナでは情報隠蔽が事態を悪化させたと批判された中国ですが、今回はWHOに協力する形で迅速に対応しているようです。

****中国衛生当局、北部での子どもの肺炎増加「一般的な病原体によるもの」WHOに報告****
中国北部で肺炎などにかかる子どもたちが増加している問題についてWHO=世界保健機関は23日、中国衛生当局から“現段階では新しい病原体によるものではなく、すでに知られている一般的な病原体によるもの”との報告を受けたことを明らかにしました。

中国メディアによりますと最近、中国北部では肺炎などの呼吸器疾患にかかる子どもが増え各地の小児科の病院は混雑しているということです。

このためWHOは22日、詳細な情報を提供するよう中国に要請していましたが翌23日、WHOは中国の衛生当局と協議。中国側からデータを示された上で、▼子どもの呼吸器疾患の増加はすでに知られている一般的な病原体によるものであり▼新しい病原体や一般的な呼吸器疾患と異なる症状は確認されていない、との報告を受けたとしています。

また中国側は先月以降、“インフルエンザウイルスやアデノウイルスなどによる子どもの受診や入院が増えているが外国での新型コロナの規制解除後の状況を考えると予想外のことではない”と説明したということです。

これを受けWHOは、現時点で中国への渡航制限は不要との認識を示すとともに引き続き、中国の人々に対し、マスクを着用するなどの感染予防を呼びかけています。【11月24日 TBS NEWS DIG】
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【「多くの国が1~2年前に経験したこと」】
新型コロナ防御体制解除後に感染症が増加するのは他の国でも見られた現象で、中国の場合は解除が遅かったためにこの冬にずれこんでいる・・・そこにインフルエンザ流行も重なって・・・ということのようです。

****中国で急増する謎の「子供の肺炎」、別の国でも...症例が増加している国を示す地図****
<中国以外の国でも5歳から14歳の子どもを中心に肺炎の流行が見られており、懸念の声が高まっている>

中国で、子どもを中心に肺炎の症例が急増中だと報じられている。新型コロナウイルスの記憶も新しいなか、なんとも不気味なニュースではあるが、子どもの肺炎の増加が見られるのは中国だけではない。オランダでも現在、子どもたちの間で肺炎が増加していることが分かり、懸念が広まっている。

中国では、子どもを中心に各地で呼吸器疾患が増加。北部の複数の省では10月半ば以降、インフルエンザによく似た疾患が急激に増えている。

2020年に新型コロナウイルスの急速な拡大を受けて、多くの国でさまざまな制限措置や隔離措置が取られたことは記憶に新しい。そのため今回も複数の国が、中国での呼吸器疾患の増加に神経を尖らせている。

中国では2019年12月に武漢で最初に感染が報告された後、新型コロナウイルスの感染が拡大して医療が逼迫したが、今回も大勢の患者が病院に押し寄せ、当時と似たような状況になっている。

中国当局は、今回の呼吸器疾患の増加はインフルエンザやRSウイルスなど、一般的な疾患が複数重なったことによるものだとの見方を示し、新型コロナ関連の各種制限措置を緩和したことで、感染が拡大しやすくなっていると説明した。

こうしたなかオランダ保健サービス研究機関(NIVEL)が、オランダでも子どもを中心に肺炎が増えていると報告した。同国のニュースサイト「ザ・メッセンジャー」によれば、この1週間で5~14歳の子ども10万人あたり80人が肺炎にかかっている。

台湾・インド・ベトナムなども備えを強化
オランダでこれほど肺炎が流行するのは数年ぶりのことだ。2022年のインフルエンザ・シーズンのピーク時でも、同じ年齢グループの子どもの肺炎は10万人あたり60人と今回よりも少なかった。オランダではかなり前に新型コロナ関連の制限措置が緩和されていることもあり、中国での肺炎増加を受けて懸念の声が高まっている。

台湾やインド、ベトナムなどそのほかの複数の国や地域も、中国での肺炎増加を受けて公衆衛生システムの見直しを行ったり、(マスクや手袋など)個人用防護具や医薬品を確保したりするなどの予防措置を取っている。

世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)をはじめとする各当局は、パニックが生じないよう鎮静化を図っている。

「多くの国が1~2年前に経験したこと」
CDCの広報担当者は本誌に対して、「CDCは中国の保健当局や各自治体と連絡を取り合っている。これまでの報告からは、既に知られている複数の呼吸器疾患の感染が同時期に広まったことが、入院患者の急増につながっていることが示されている」と述べ、さらにこう続けた。「我々は今後も状況を注視し、各国の保健当局と協力して対応していく」

WHOの感染症専門家であるマリア・ファンケルクホーフェは、中国が新型コロナ関連の制限措置を緩和してから本格的な冬を迎えるのは今回が初めてであり、現在の呼吸器疾患の急増は「(中国より先に制限を緩和していた)多くの国が去年や一昨年に経験した」のと似たようなものだと説明。現在の呼吸器疾患の急増は、新型コロナウイルスのパンデミックとは異なるものだと断言した。

ファンケルクホーフェは11月24日に医療サイト「STAT」のインタビューに対しても、「今回の状況は、2019年12月や2020年1月に私たちが経験した状況と同じものではない」と述べている。【12月1日 Newsweek】
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【新型コロナ対策による免疫力低下が流行拡大の原因とも】
新型コロナ予防の隔離状態が続き、他人との接触が極端に少なかったために、免疫力が低下しているのが原因とも言われています。

****“歩く肺炎”マイコプラズマ肺炎とは…「しつこいせき」免疫低下で拡大か****
(中略)
マイコプラズマ肺炎とは、どのような病気なのでしょうか。  

国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授:「症状としては、せきが中心になっていて、しつこいせきですね。これが結構、長く続くものですから夜も眠れないとかですね。特に小さいお子さんとか若い方に広がりやすい」  

ただ、一般に入院による治療が必要なことが少ないことから歩く肺炎とも言われています。なぜそれが今、広がっているのでしょうか。  

国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授:「ゼロコロナ政策のように中国では、ほとんど人と人との接触を断つような状況になると、だんだん免疫を持つ人が割合として減っていって、感染に関する感受性が高まっている状況が作り上げられてきたことだと思います」  

日本にいる子どもも免疫力が低下している可能性があり、注意が必要だといいます。【12月1日 メーテレ】
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中国・北京の病院の様子は・・・

****「昨日も来たけど…あきらめて帰った」****
未知の病原体は見つかっていないとはいえ、いまも北京市内の子ども病院には長い行列ができている。
中の椅子が足りないことを見越して、折り畳みの椅子を持って入っていく人も多い。また、トロッコのような引き車にのって、移動する子どもの姿もある。話を聞くと、皆さん大変な様子だ。

「幼稚園から帰ってきたら、咳が出始めた。マイコプラズマ肺炎だった」
「受け付けの番号はいま100番台だけど、私の番号は300番台、もう帰って待とうかな」
「きのうも来たけど、人が多すぎてみてもらえなかった。子供が眠そうになったので、あきらめて帰った」

駐在する日本人の家族にも、同様に感染が広がっている。
「咳がいっぱい出て、食べたものをもどしてしまったりしたのがつらかった」
「マイコプラズマって、親にはうつらないとおもったら、普通にかかった。咳が止まらない…」

現地の日本人学校では、複数クラスを休校にするなどして、感染対策をとっているという。

30日、北京にある日本大使館は、メールで感染対策を徹底するよう、注意を呼び掛けた。内容は、マスク着用、手洗い、「密」の回避、換気など、コロナの時と同様の基本的な対策だ。既知の感染症とはいえ、感染が増えるのはこれからだ。もちろん油断はできない。【12月1日 テレ朝news】
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上記記事のあるように、在中国日本大使館は在留邦人に注意を呼び掛けています。

****北京で5倍増、中国「呼吸器疾患」の猛威 子供は重症化の恐れ…日本大使館が注意喚起「訪日客などですでに流入の可能性****
中国北部を中心に、肺炎などの呼吸器疾患が急拡大している。北京市内の法定感染症患者の報告数は直近2週間で約5倍に増えた。

在中国日本大使館は11月30日、子供の場合は重症化の恐れがあるとして「早急に医療機関を受診するよう勧める」と在留邦人に注意喚起した。 

北京疾病予防コントロールセンターによると、法定感染症患者の報告数は11月6~12日に約1万4000件だったのが、13~19日に約3万7000件、20~26日に約7万2000件と急増した。 最も多かったのは季節性インフルエンザで、マイコプラズマやアデノウイルスなども確認されているとし、大使館は在留邦人に基本的な感染対策に努めるよう促した。 

北京以外の地域でも医療機関がパンク状態だと報じられた。「ゼロコロナ」政策を打ち出した反動で、免疫力が低下しているとの指摘もある。 

世界保健機関(WHO)は、中国の発生動向や医療機関の報告から、既知の疾患によるものだとし、渡航制限なども不要とした。だが、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や新型コロナウイルスは中国で確認された後、世界に広がった。 

台湾では、空港や港湾で検疫所の警戒を強化するなど水際対策を進めている。衛生福利部は30日、高齢者や子供、免疫力の低い人は中国への渡航を控えるよう呼びかけた。 

日本は手を打たなくていいのか。 東北大学災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「中国人観光客は多く、すでにウイルスが流入している可能性も否定できない。新型コロナと異なり、インフルエンザについてはワクチンや処方薬はあるが、本来は日本人の渡航制限や中国観光客の旅行制限など水際対策強化の基準を決めておくことは必要だ。流入を遅らせる間に情報収集や医療体制の整備、医薬品供給のための時間稼ぎになる」と語った。【12月1日 夕刊フジ】
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季節性インフルエンザやマイコプラズマ肺炎などこれまでも流行を経験した疾病ですから、いたずらに不安感を煽らずに、同時に流行が見られる地域では感染症対策をきちんと・・・といったところです。

それにしても、新型コロナ対策で異様なまでの隔離などの対応をとった結果、免疫力が低下する・・・一般的に言えば、ひとはある程度のストレスに曝されていないと身を守る力が低下するのでしょう。

居住環境や食品などの衛生状態が昔に比べて格段に良くなった現代社会は、その一方で「もろさ」も進んでいるのかも。

その点、掃除もしない埃まみれの部屋で暮らし、期限切れ食品でも気にせず食べる私などは・・・って、話が違いますかね。
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