孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国  汚染粉ミルク被害拡大 行政が隠蔽 そんな中国に行ってきます

2008-09-19 19:20:34 | 世相

(中国の牛乳配達三輪車 本文とは一切関係ありません。 “flickr”より By arthritic_old_man
http://www.flickr.com/photos/51379696@N00/2520481033/)

【緊急放出MA米は?】
日本国内では汚染米の不正転売、中国では汚染粉ミルクによる腎臓結石発症という“食の安全”が脅かされる問題が起きています。

日本では、金儲けのためなら国民の健康をも犠牲にしかねない業者の安全に関する意識の希薄さと同時に、恐らく事故米を処分してくれる業者は農水省にとって非常にありがたい存在で、その不正を暴くような監督指導は敢えて行ってこなかったという、政府・監督機関のルーズな管理体制に批判が集まっています。
今日、事務次官だけでなく、農水相自身が引責辞任したようです。
日本の事故米に関しては、ここでは1点だけ。

事故米が発生しているミニマムアクセス(MA)米について、世界の食糧価格高騰が焦眉の問題になっていた6月頃(今でも大問題ですが)、政府は20万トンを有償でフィリピンに緊急放出することを決定しました。
スリランカにも10万トンほど輸出することを検討しているとも当時報じられていました。

このMA米緊急放出は実行されたのでしょうか?
もし、実行されたのであれば、その際汚染米はどうなったのでしょうか?
MA米として他国から買わされたコメなので、ババ抜きのように、これ幸いと緊急放出米に混ぜて輸出した・・・なんてことはないのでしょうか?

【地方行政組織の隠蔽体質】
さて、中国の汚染粉ミルク問題のほうもますます拡大してきています。
死者が4名、6200人以上の健康被害が報告される事態となっており、被害者や弁護士が製造業者と政府機関を相手取った集団訴訟を準備しているそうです。
また、汚染製品も粉ミルクだけでなく、店頭で販売されている国内の乳製品大手3社の牛乳からもメラミンの痕跡が発見されています。
アイスクリーム、ヨーグルトからもメラミンが検出されたとの報道もあります。

汚染粉ミルクによる乳児の腎結石が最初に判明した乳製品メーカー「三鹿集団」(河北省石家荘市)の事件で、同省の楊崇勇副省長は17日、水で薄めた牛乳に有害物質メラミンを混ぜてたんぱく質含有量を高める不正が2005年4月から行われていたことを明らかにしました。
「不正の張本人は酪農家から牛乳を買い集めて、乳製品メーカーに売る業者。酪農家はむしろ被害者だ」と語っているそうです。
また、楊副省長は市政府の隠蔽も問題にしています。

****中国の汚染ミルク、行政が隠ぺいか 1カ月報告せず*****
18日付の中国紙、新京報によると、石家荘市政府が三鹿集団から混入の連絡を受けていたにもかかわらず、1カ月以上にわたって河北省政府に報告していなかったことがわかった。市政府の隠匿が被害拡大を招いた可能性が出てきた。
 河北省の楊崇勇副省長が明らかにした。河北省は石家荘市と三鹿集団との間で何らかの癒着があった可能性があるとみて調査に乗り出した。
 三鹿集団は北京五輪開幕直前の8月2日、石家荘市政府に汚染の事実を伝えていたが、市が省政府に報告したのは9月9日だった。国の規定では、食品安全にかかわる重大事故の場合は2時間以内に省に報告することになっている。 【9月18日 朝日】
*********************

これまであちこちで発生した暴動でもそうでしたが、中国地方行政組織の不正・癒着・隠蔽体質は社会の信頼・安定を揺るがす諸問題を惹起しています。

【根本的なモラルの欠如】
日本の汚染米でもそうでしょうが、消費者の健康被害に関する具体的なイメージが認識されず、“これくらいは大丈夫だろう・・・”といった製造業者の曖昧な意識が、こうした食の安全を脅かす事件をおこすのでしょう。
しかし、今回の粉ミルク事件のメラミンについては、中国産原料を使ったペットフードで犬や猫が米国内で相次いで中毒死した問題が昨年起きたばかりです。
中国政府も07年5月9日、自国企業が生産・輸出した原料に添加されたメラミンが原因であることを認め、さらに広範な調査を約束した経緯があります。

メラミンなんて、そこらで購入できるものではありません。
特定の者しか扱わないようなものです。
売り買いする者は、メラミンが昨年ペットの大量死を招いたことを知らなかったのでしょうか?
まあ、中国国内の情報に関する“風通しの悪さ”からすればありえないことではないでしょうが・・・あまり考えられません。

もし、知っていながらミルクの混入したとすれば、殆ど殺人行為です。
消費者の健康被害に関する具体的なイメージが認識できたはずです。
現在14名逮捕されているそうです。
こうした基本的なモラルの欠如は、この国が準備が整わないまま世界の工場の地位に押し上げらてしまっている現実の歪でしょう。

【北京旅行のため、数日間ブログは休みます】
そんな中国を明日から弾丸トラベルで観光してきます。
今回は北京近郊の長城でのトレッキングのほか、川底下村の民家見学などを考えています。
北京はトランジットでちょっと立ち寄ったのを除けば、二十数年ぶりです。
そのときはツアーで、しかもスケジュールが押してきて北京滞在が短縮されたあげく、ホテルが郊外で夜街にでることもできず、殆ど記憶に残っていません。
仕事を無理やり休んでの旅行ですので、僅か数日というのが悲しいところですが・・・。

そんな訳でブログのほうも数日お休みです。
来週の金曜ぐらいから再開を考えています。
また、よろしくお願いいたします。
コメント
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