さそりのらびりんす~たわごと~

慢性膵炎持ちのあゆが気ままに書く、たわごと日記です。

早期は可逆的?

2010年01月22日 15時43分15秒 | 慢性膵炎と日常生活
『最新医学』を再度読み直していたら、
興味深い記事を見付けました。

大槻 眞 Drの論文より。

慢性膵炎の確定診断基準は、慢性膵炎の終末像であり
この段階で診断された膵炎は非可逆的である。
慢性膵炎は糖尿病、悪性腫瘍などの合併率が高いため
慢性膵炎を早期の可逆的な段階で診断し、治療する必要がある。

この文章をそのまま受け取れば、
確定診断が下りない段階で治療すると
治る可能性があるということのようです。
確定診断=終末像については、主治医も
「石灰化や繊維化は膵炎の末期に近い」
と仰っていました。
軽症のうちからの早期治療が重要だということですね。

改めて、殿に感謝しておこう。
いや、もっと感謝すべきなのは
最初に見付けてくださった、かかりつけ医かしら。

ただ、問題なのが。
アルコール性慢性膵炎では
確定診断の数年前から臨床兆候や検査異常が認められるのに対して
特発性慢性膵炎では
確定診断される前に臨床兆候や検査異常がとらえられることが少なく
早期に把握することができない
ということ。

早期治療が大事なのに、早期に発見することは困難。
では、どうやって早期発見するのか?
ということについては、残念ながら記述がありませんでした。

アルコールを良く飲む人には
アミラーゼの異常が出やすいというのは聞いたことがあります。
一方、特発性の場合には、
全く自覚症状がないこともあるということです。

また、アルコール性が時間とともに確実に悪化していくのに対して
特発性慢性膵炎の場合は、軽症の長い期間を経て
急速に確定診断に至る傾向があるようです。

つまり、異常がないと言われていていても
長い時間を経過した後に、
急に膵炎の確定診断になる可能性があるということ。
やはり、膵臓はなかなかに難しい臓器ですね。
コメント (8)    この記事についてブログを書く
« ヨーロッパ選手権結果 | トップ | 明日になれば »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (sora)
2010-01-22 16:32:39
とっても興味深い内容ですね。
なるほど・・・。
やはり早期の治療が鍵なんですね。
でも、なかなか見つけてはもらえない現状。
私も今のところ、特発性か?と
言われています。
この論文を、是非今の先生に
読んで欲しい気持ちです。
記事にして下さって、ありがとうございます
返信する
問題は (あゆ)
2010-01-22 16:58:16
>soraさん
早期発見が大事なのに、早期発見する方法がないようなので
採血や画像に異常が出ない場合は難しいですね。
男性がアルコール性が7割なのに
女性は半分ぐらいが特発性なので
これにも何か原因がありそうな感じですね。
大槻眞Dr.は小野薬品の膵炎の冊子も監修されています。
「すい臓を大切に」の記事を参照にしてみてください。
http://blog.goo.ne.jp/ayuayu1141/e/15840194a34014864ceab30cf044b3dd

返信する
あゆさん (kei)
2010-01-22 17:16:43
こんにちは。興味深い内容ですね。ちょっとよくわからないのですが…
慢性と急性の違いの定義がはっきり理解できていないんですよね~
娘は毎回急性膵炎なのですが、フオイパンを服用している状態なので慢性になるのかな~と考えたりしてしまいます。 ここ何日かあまり調子がよくなく朝から腹痛を訴えたり大きな口内炎ができたりと毎日ハラハラした生活です。

返信する
慢性と急性 (あゆ)
2010-01-22 18:58:54
>keiさん
急性膵炎は急激な膵酵素の上昇と激しい炎症を伴い
炎症が治まれば、膵臓が元の形になるものをいいます。
一方、慢性膵炎はゆるい?炎症を繰り返すことで、少しずつ少しずつ膵臓が破壊されていき
やがて膵臓の形態に異常が出て、
元に戻らなくなります。
急性と慢性は違う疾患ですが
現実的には急性膵炎の繰り返しで慢性膵炎になる方も少なくありません。
また急性膵炎と慢性膵炎についての記事をあげますね。
返信する
Unknown (ハナミ)
2010-01-22 19:58:02
初めて急性膵炎と診断された10年くらい前に
その時の担当医に「退院して一年痛みや異常が
でなければ治るけど、それまでに症状がでれば、
慢性になるから」と言われました。

石灰化、線維化は末期なんですね・・・
先日の診察から↑について考えていました。。
「この先どうなるのだろう・・・」と。

膵炎の診断は、医師によって診断が違うようなので
当たり外れがあるのかもしれませんね。
特に開業医に訴えてもなかなか思いは通じにくかった
です。

何年か前に、腹痛が続いて「膵炎と言われたことがる」
と伝えても、「アミラーゼに異常がないから」と
相手にしてもらえないことがありました。
また、その時期にあまりの腹痛で入院したのですが、
そこの担当医は膵炎の既往症があると伝えても、
別の原因ばかり探して、エコーやCTなどは一切しなかったり。
なので、私も自分が膵炎だという事を忘れていました。

もっと、早く自分の中身の状況を把握できていれば、
今は違ったのかな??なんてくだらないことを
考えたりしてしまいます。。


返信する
Unknown (rinko)
2010-01-23 12:04:51
あゆさん、こんにちは。

やはり慢性膵炎は早期に治療を始めて、一生薬を飲み続けるのですね。

ところで、フオイパンのジェネリックはやめておいたほうがよいのでしたかね?
神経科で行ってる薬局の薬剤師さんが、高いから変えてもらったらと、薦められたのですが、以前そんな記事を書かれていたような気がして。間違ってたらごめんなさい。
返信する
非可逆的とはいえ (あゆ)
2010-01-23 18:20:56
>ハナミさん
膵酵素と膵炎の重症度は一致しませんから
アミラーゼの異常なし=大丈夫というわけではありません。
実際、正常値なのにCYを撮ったら激しい炎症を起こしていたこともあるそうです。
ただ、残念なことに膵臓について理解の深いDr.が少ないのが現状です。

膵臓は非可逆的とはいえ、良性の病気です。
記事にあるように合併症もありえますが
患者としては自己管理と投薬をしっかりしていくしかないのでしょうか。
私もストレスで膵炎を発症したと思っていますので
病気になる前にどうにかすればよかった、と思うこともあります。
でも、済んだことを今更悔やんでみても時間は取り返せませんし。
落ち込むこともありますが、なるようにならないと
悟るしかないのでしょうかね。
返信する
フォイパン (あゆ)
2010-01-23 18:24:42
>rinkoさん
早期なら、治ることがあるようですから
一生飲まなくて良いこともあるのかもしれませんね。
フォイパンに限らずジェネリックはコーティング剤が異なるために
体内での吸収率が変わるので、同じ効き目が出るとはいえません。
薬局の方がジェネリックをすすめる背景には
調剤薬局は一定のパーセントジェネリックを調合しないと
調剤点数を削られるしくみになっているからです。
(厚労省の差し金です)
とはいってもすべてのジェネリックが悪いわけではないのですが
フォイパンについてはジェネリックにしないほうがいいようです。
これはI先生も言われていたようですよ。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

慢性膵炎と日常生活」カテゴリの最新記事