在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の資金や中央本部の土地建物をだまし取ったとして詐欺罪に問われた元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)被告(77)の控訴審判決で、東京高裁(小川正持裁判長)は29日、懲役2年10月、執行猶予5年とした1審・東京地裁判決(09年7月)を支持し、検察、被告側双方の控訴を棄却した。共謀したとして1審で懲役3年、執行猶予5年とされた元不動産会社社長、満井忠男被告(78)についても双方の控訴を棄却。緒方被告は上告の意向。
判決によると、2人は07年4月、中央本部の強制競売を回避するため売却先を探していた総連側に「投資事業を中断させるための違約金を払ってもらえれば運用資金を中央本部の購入代金に充てられる」とうそを言い4億8400万円を詐取。同5~6月には土地建物をだまし取った。
緒方被告は取り調べは脅迫的だったと訴え、詐欺の認識を否定。小川裁判長は「長年検察官を務め十分な知識や経験があり、供述の自由が失われたとは考えられない」と、自白は信用できるとし、満井被告から送られた1億円を「詐欺の報酬と強く推認される」とした。検察側は実刑を求めたが、全被害額が弁償されていることなどを考慮し退けた。
主任弁護人の落合洋司弁護士は「1審判決をなぞっただけ」と批判。緒方被告は弁護士として活動しているという。
判決によると、2人は07年4月、中央本部の強制競売を回避するため売却先を探していた総連側に「投資事業を中断させるための違約金を払ってもらえれば運用資金を中央本部の購入代金に充てられる」とうそを言い4億8400万円を詐取。同5~6月には土地建物をだまし取った。
緒方被告は取り調べは脅迫的だったと訴え、詐欺の認識を否定。小川裁判長は「長年検察官を務め十分な知識や経験があり、供述の自由が失われたとは考えられない」と、自白は信用できるとし、満井被告から送られた1億円を「詐欺の報酬と強く推認される」とした。検察側は実刑を求めたが、全被害額が弁償されていることなどを考慮し退けた。
主任弁護人の落合洋司弁護士は「1審判決をなぞっただけ」と批判。緒方被告は弁護士として活動しているという。