夏への扉、再びーー日々の泡

甲南大学文学部教授、日本中世文学専攻、田中貴子です。ブログ再開しました。

特別編・きなこ漫画劇場『大奥』

2010年09月26日 | Weblog
 今秋公開の映画、「大奥」とは違って、よしながふみの漫画「大奥」とも違って、こ

れは「男女逆転大奥」ではなく、「人猫逆転大奥」である。

 時はパラレルワールドの日本、18世紀。人が原因不明の病で次々と死んで行く中、

人の代わりを担ったのが猫であった。猫は人と同じように立ち、働き、そして政治と社

会を動かしていったのである。もちろん、徳川将軍も病に倒れ、お世継ぎがなくなった

幕府では、将軍の意を受けた猫がその後を襲った。

 それが第八代将軍吉宗、俗名田中きなこであった。きなこは洛中徳川家から江戸城に

入った。

 猫の将軍の誕生に従って、大奥にはきなこの機嫌をうかがうため、猫の扱いに長けた

人間が三千人集められ、史上初めての「人間大奥」が生まれたのである。その筆頭であ

り、大奥総取締役に任命されたのがきなこの同居人であった。

 大奥、お鈴廊下にて、今日も「お成り」が行われる。

 「上様の、おなーりー」

 きなこ「ばからしいほど着飾った人間ばかりだな」

 私「上様にはご機嫌うるわしゅう、お慶び申し上げます。お気に入りの人間がおりま

したら、どうぞお声をおかけくださいませ」

 きなこ、腕組みをして考えております。さて、きなこのお好みは?


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