六本木クロッシング２０２２展：往来オーライ！ ②

気の遠くなるような単純作業をくり返すこと。
青木千絵さんの作品では漆を磨くという作業でした。
写真家の石内都さんの場合は「写真を洗う」という作業になります。





この展示室の写真は、石内さんが現在お住まいの桐生に引っ越す直前に撮られた写真とのこと。
場所は金沢八景のようです。
金沢八景は自分の足で歩いたことのある場所なのですが、都会でも田舎でもないあの土地独特の空気がよく表れている気がします。
無機質に走るシーサイドライナー。
海の近くなのですが、キラキラした雰囲気が一切ないんですよね。
海の近くに住むならこういう場所がいいなと思ったものです。



そしてこちらの写真が石内さんが使っていた暗室。
ここで何度も何度も写真を洗っていたのだとか。
もともと染色家だった石内さんは、くり返し洗うことが全く苦にならないのだそうです。
くり返し洗うという作業の中で写真と向き合いつながっていたのかなと。
最近がっつりスケートにのめり込むようになって改めて感じたのは、身体を通して受ける感覚は強いなってこと。
言葉で表現できないような感覚が身体の中を通り抜けていくわけですよ。
集中すればするほど感覚は鋭くなる。
そんな感覚を思い起こさせる写真でした。