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アイススケート、アート鑑賞、食べ歩き等の雑記。

宮島達男クロニクル1995ー2020(千葉市美術館)

2020-11-22 17:10:26 | アート鑑賞
この展覧会は絶対に行きたかった。
宮島達男さんの大規模個展。
宮島さんの作品を知ったのは、六本木のテレビ朝日前にあるパブリックアート《カウンター・ヴォイド》を観たとき。
たまたま前を通りかかったときに点灯していて、その様子がしばらく心から離れませんでした。
点灯するデジタルカウンターがなぜここまで気になるのか・・・。

その後も原美術館の常設、東京都現代美術館の常設、森美術館の「カタストロフと美術のちから展」等、様々なところで宮島さんの作品を観てきましたが、その度に作品の前から動けなくなっていました。
1から9まで点灯するデジタルカウンター。
0は表示されません。
そして、表示されるスピードがそれぞれ違う。
宮島さんのデジタルカウンターが「命」を表すと知ったとき、だから荘厳のようでいて希望も感じられるのかと腑に落ちました。



展覧会入口です。千葉市美術館の8階からスタートします。
8階のフロアはパフォーマンス動画等の作品が中心。
人種や宗教、様々な立場の人が分かち合う可能性を探った作品。
特に最初の3人の女性の動画が印象的でした。

8階は基本的に撮影禁止なのですが、1カ所だけ撮影Okの場所がありました。


《Counter Window No.3》

デジタルの数字の向こうに千葉の風景が見えます。
数字によって切り取られた風景。
そして数字は移り変わっていきます。

7階のフロアにはお馴染みのデジタルカウンターの作品がたくさん。
そして、撮影OKの作品も多かったです。




《Life(le corps sans organes)-no.18》

コードでつながれたデジタルカウンター。
出品リストによると「LEDを新たな生命体として展開させた作品」とのことです。
確かにコードは血管のようにも見えます。
この作品には点灯しているカウンターと点灯していないカウンターがあって、数字の表示速度も全く違うんです。
一つ一つのカウンターが独立しているからこそ、速度の違いが際立つのかもしれません。
たまにものすごくせっかちが数字がいて、クスッと笑ってしまいました。


《Time Train to Auschwitz》

ぱっと見たときには電車の中にデジタルカウンターがぎっしり乗っていて、何だかかわいい作品だなぁと思ったのですが、タイトルと作品リストを見てびっくり。
第二次世界大戦中の「ホロコースト」が作品テーマになっているようです。
もうアウシュビッツに向かう汽車にしか見えません。
そう思って観ると、数字が変わっていく様子も重く見えます。


《Diamond in You No.17》

立体的な作品。
デジタルカウンターの色も赤、緑、青の3色あります。
「仏も知恵」を意味する「金剛智」をモチーフにしているのだそうです。
角度によって様々な表情を見せてくれます。
ずっと観ていたくなる作品でした。





このように作品越しに他の作品が見えたりして・・・。
この部屋は本当にずっといられます。
中毒性が高すぎます。

そして、撮影は禁止ですが最後の作品がすごかったです。
《地の天》という作品なのですが、巨大な円の中で静かに輝く青いデジタルカウンター。
何とこの作品、千葉市美術館のコレクションなのだそうです。
生と死について静かに考えられる空間。
この作品で締めくくられているというのが何ともいえないです。

この展覧会は何としても来たいと思っていましたが、やはり来てみてよかったです。



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