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冬の九州をシノギング

林道の脇に車を止めて小雨がぱらつく空の下を凌ぎだす。歩きはじめが一番急斜面なんじゃないかな?まだ傾斜に慣れない上体を何度も後ろに引っ張られながら足元の悪い斜面を登る。


山深い九州脊梁山脈の尾根は穏やかだ。尾根上の木々の樹高は低めだが、その中にしばしば貫禄のある老木が混ざっていることから、この山が古くからひっそりと守られてきたことがわかる。12月ということもあり葉っぱはもう落ちて、倒木の混ざるやや荒廃した風景は冬のシノギングにふさわしい。


尾根はときどき木立の雰囲気を変化させながら緩やかにアップダウンをクリア返して続くが霧のために見通しは悪い。雨はやがて霰(あられ)のようになり冷えてきた。カザハナとフリシキルでは寒くなってきたのであいだにツヅラヲリを着る。下はシノビとクナイkevlar,それにツユハラヒだ。風が強いのでツユハラヒは膝のループを止めて簡易パンツモードにする。


まわりの霧が晴れてきたと思ったら日差しが出てきた。目まぐるしく変わる天気だが願ってもない凌ぎ日和である。


一応一般ルートの様ではあるが道標は峠とピークにしかなく、おおむねはっきりしている踏み跡もときどき不明瞭なところがある。迷いやすい尾根の分岐や平坦なピークからの分岐には注意が必要なので地形図とコンパスで現在地を確認しながら凌ぐ。


尾根から沢沿いにルートを変更して適当な木立にダウンモック「ウキグモ」三張りをトライアングル状に張る。それぞれのハンモックの上にタープを張ると小さな村ができた。この感じがたまらなく好きだ。


沢沿いは早くも日陰になりまわりの空気は冷たい。先を急ぐのではなく山にいることを楽しむのがシノギング。暗くなるまでの時間をのんびり過ごそうではないか。それぞれがハンモックに座って火を囲む。暖かい鍋を食べながら今日のシノギングをあれこれ振り返り話は尽きない。


ウキグモのリバーシブルキルトをチューブ状にしてハンモックを覆い、その中でダウンキルト「ウンカイ」を掛けて眠る。真夜中に細かい粒がタープをたたく音で目を覚ます。パラパラ、パラパラ、温度計を見ると氷点下だし雨ではないだろう。細かい粒の音を聞きながらうとうとする。


ウキグモとウンカイのおかげで全く寒くなく氷点下10℃の夜を凌ぐことができた。


雪の粒が少し大きくなってきたと思ったら辺りはあっという間に白い世界に変わった。まだまだこれから降るみたいだ。


パッキングを終えて沢を少し下ってからトラバース。途中、尾根に乗るために山腹を直登する。


雪はまだ降り続き樹氷やら新雪やらで完全に雪山の風景。雪の付いた老木とか苔とかがいちいち絵になる。


寒気の影響で今日一日寒いのかな?行動中の気温はおおむね氷点下5℃だが最低で氷点下8℃付近まで下がることも。思いがけず真冬のシノギングを楽しませてもらっている。途中で往路と同じ尾根に戻るが雪のために全く違う景色に変わり、尾根を吹き上げる西風が頬に痛いがそれも楽しくてたまらない。


多忙のなか一緒に凌いでいただき、素晴らしいルートを案内してくれたN氏に感謝感謝である。


今回使用した「凌」アイテム
AXESQUIN
フユボウシ 絶賛販売中
フリシキル 絶賛販売中
ヨヒヤミ 絶賛販売中
ツヅラヲリ 絶賛販売中
カザハナ 絶賛販売中
クイックハラマキ 絶賛販売中
シノビ 絶賛販売中
ツユハラヒ 絶賛販売中
クナイ kevlar 絶賛販売中
アグラスカート 絶賛販売中
ライトシェルWPグローブ 絶賛販売中
ヤマバッグ 絶賛販売中
ヌノバケツ 試作品
ウキグモ 12月中旬発売
ウンカイ 12月中旬発売

EXPED
Solo Tarp 2018春再入荷予定
Lightning 65L 絶賛販売中

MOUNTAIN EQUIPMENT
Powder Boots 絶賛販売中





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