海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

座間味島の「集団自決」について

2009-02-07 18:06:10 | 「集団自決」(強制集団死)
 今朝の琉球新報の「風流無談」で、座間味島の「集団自決」(強制集団死)について、大江・岩波沖縄戦裁判の控訴審判決がどのように判断を下しているかについて書いた。
 小田裁判長らは、座間味村幹部らがとった一連の行動、つまり1945年3月25日の夜に梅澤隊長を訪ねて弾薬を求め、「今日のところは一応お帰り下さい。お帰り下さい」と帰されてから「集団自決」にいたる行動が、〈かねてからの軍との協議に従って〉行われたものであり、あらかじめ軍と確認されていた〈玉砕方針〉を実行したものである、と判断している。村の幹部たちに「死ぬでない」と言ったという梅澤元隊長の供述を否定した上で、村の幹部たちの行動が〈日本軍の意を体して〉行われたものであることを明らかにしたこの判断は、大きな意義を持つ。
 これまで、防衛隊長・兵事主任を兼任していた宮里盛秀元助役が中心となって「集団自決」を起こしたかのような誤解が一部にあった。そのために宮里氏の遺族は大きな苦しみを味わってきた。今回の判決はそれを否定し、宮里氏ら村の幹部らの行動は、日本軍が打ち出した〈玉砕方針〉を軍の命令として実行したものであり、「集団自決」を起こした主な原因と責任が日本軍にあることを明白にしたのである。座間味村の幹部らが弾薬を求めて梅澤隊長のもとを訪れたのは、梅澤隊長から〈玉砕方針〉が出されていたからであり、現地部隊の最高指揮官として梅澤氏が「集団自決」に最も重い責任を負っている。
 一審、二審を通して、「死ぬでない」と言ったという梅澤氏の供述が否定されたことは、梅澤氏本人はもちろん、原告側支援者にとっても大きな痛手となったはずだ。もし裁判を起こさなければ、「戦闘記録」などに残された梅澤氏の証言は、宮平初枝氏の証言といずれが事実かとの判断を曖昧にされたまま、「集団自決」の原因と責任を座間味村幹部らにおっかぶせようとする者たちに利用され続けただろう。裁判を起こすことによって梅澤氏の供述の虚構=嘘が明白となり、それを利用することは難しくなった。
 とはいっても、宮平秀幸証言という〈虚言〉を持ちだしてくる藤岡信勝氏のような人物もいるくらいだ。これからも意図的に判決文を無視して事実をねじ曲げようとする者たちや、判決文の内容を知らず、読もうともしない無知な人々によって、「死ぬでない」と言ったという梅澤氏の嘘は利用されていくだろう。
 だからこそ、それを許さないために、控訴審判決で示された座間味島における「集団自決」の構造と梅澤氏の嘘を広く伝えていくと同時に、さらに検証を重ねていく必要がある。

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