海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

辺野古新基地建設で予算と時間を浪費する余裕など日本にはないはずだ

2022-05-15 23:13:27 | 米軍・自衛隊・基地問題

 5・15ということでいくつか抗議行動があったのだが、色々とやらねばならないことがあって参加できなかった。

 日曜日は辺野古新基地建設の工事も休みだ。それでもこの日の景色を見ておこうと思い、午後2時35分頃、所用で移動の途中に瀬嵩の海岸に寄った。

 K9護岸には土砂を積んだランプウェイ台船が2隻接岸したままで、明日の朝、ブルーシートをはずせばすぐにも土砂の陸揚げができるようになっていた。

 N2護岸には空のランプウェイ台船2隻が接岸していた。昨日の午後、次のランプウェイ台船に土砂を移す作業が行われていたので、明日の朝はまず入れ替え作業が行われるだろう。

 ガット船は前日の午後にいた2隻(栄雄丸、聖嘉)が残っていた。15日午後11時の段階で、ガット船1隻(第八そうほう丸)が塩川沖から大浦湾に移動を開始している。ほかにも移動する船があると思われるが、明日の朝にガット船も入れ替えが行われる。

 午後2時48分頃、豊原の高台から辺野古側埋め立て工区の様子を見た。

 日曜日なので、重機類やトラックなどが片付けられ、作業員の動きもなかった。

 雨が続くなか、変わり果てた海の姿を見ると胸が痛む。かつて数えきれないほどこの海域でカヌーを漕ぎ、松田ぬ浜と辺野古崎の間を往復したのだが……。

 最近、この近くでアオウミガメの死骸が二体見つかっている。埋め立てられた場所には、アオウミガメやジュゴンの餌となる海草が豊かに茂っていた。アオウミガメの死は、餌場が破壊されたことと無関係ではあるまい。

 海草藻場には多くの魚介類が生息し、辺野古の住民が貝やタコを捕って、食料が不足した敗戦後の生活を支えた場所でもあった。自然はもとより、人々の暮らしや文化も破壊して、新基地建設が強行されている。

 「日本復帰」から50年が経っても、米軍専用施設の70パーセントを沖縄に押しつけているだけでなく、「移設」の名のもとに新たな基地まで建設している。岩国や三沢など一部の地域を除く日本人=ヤマトゥンチューは、恥ずかしくないのだろうか。

 「沖縄に寄り添う」という気持ちの悪いふざけた言葉は、いい加減やめるべきだ。人に重い荷物を背負わせて、寄り添うだけで自らは担ごうとしない。そういう人物を見たらどう思うのか。

 「寄り添う」と口にしただけで、沖縄のために何かした気になる。どれほど傲慢で醜悪なのだ。

 50年前の日本は、石油ショックやドルショックなどの影響で高度経済成長は終わりを迎えつつあったものの、アジアにおいて経済力で大きな位置を占めていた。中国や韓国、台湾などはまだ「発展途上国」と呼ばれ、日本との差は大きかった。

 しかし、いま中国、韓国、台湾の発展はめざましく、日本の経済力、影響力はアジアにおいて大きく低下している。「日本復帰」50年をいうなら、この50年で日本がどれだけ凋落し、周辺国がどれだけ発展したかを、日本人は直視すべきなのだ。

 貧困家庭が増え、結婚できない、希望が持てない、日々の生活で精いっぱい。いつ路上生活に転落するか分からない。不安で政治のことを考える余裕もない。そういう社会で、辺野古新基地建設で予算と時間を浪費する余裕があるのか。

 こんな工事に使う金があるなら教育や子育て支援、福祉、医療、貧困対策、若者の雇用対策に回すべきだ。

 


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