海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

ゲート前や海上で沖縄県民が実力で抗議しない限り、工事は止まらない。

2019-03-01 23:55:29 | 米軍・自衛隊・基地問題

 3月に入った。1日(金)は朝、カヌー7艇で松田ぬ浜を出発した。抗議船1隻と合流し、辺野古先のオイルフェンス沿いにN4護岸の様子を見た。今週はクレーン車やショベルカーが護岸の先端に行くことはなく、護岸の辺野古先側に砕石を下して固める作業がくり返されている。

 新しく造られたN4護岸と前からあるN3護岸は、辺野古先の先端でV字型になっていて、台風などで強い波が寄せると奥に集中しそうだ。法面を砕石で固めて根固め用袋材で保護しないと、高波に耐えられないだろう。

 陸上での作業なのでオイルフェンス沿いにカヌーと抗議船から様子を見た。この日も法面補強の工事が続きそうだったので、午前9時半ごろに平島に移動した。

 平島に上がったのはずいぶん久しぶりだ。砂浜が消えて岩がむき出しになっていたが、この場所は砂の層が薄く、これまでも何度か同じ現象が起こっている。潮の流れによってまた砂が溜まると思うが、護岸建設が影響を与えていないかどうか、注意し見ておく必要がある。

 午前10時半頃まで平島から作業の様子を見たあと、今日は捨て石の投下などはないと判断し、松田ぬ浜に戻った。

 昼食後、テント2近くの道路ぞいで草刈りをしたあと、午後1時45分頃に豊原の高台に行って辺野古側の工事の様子を見た。K1~K4護岸では内側に防砂シートを設置する作業が今日も行われていた。3月25日の②工区への土砂投入に向けた準備が進められている。

 ②-1工区ではK9護岸から陸揚げされた土砂がダンプカーで運ばれてきて、埋め立て工事が進められた。

 午後2時15分頃、瀬嵩の海岸から大浦湾の様子を見た。K9護岸ではランプウェイ台船が接岸し、土砂の陸揚げが行われていた。土砂の量から見て、午後4時頃までかかったと思われる。

 大浦湾にあるほかの3隻のランプウェイ台船もすべて土砂が載っていて、順番を待っている状態だった。

 ガット船(土砂運搬船)はmarumasa3号、松龍丸、第十八福生昌丸、第八そうほう丸の4隻が停泊していた。安和の琉球セメント桟橋で土砂を積み込んで大浦湾に入っても、陸揚げするのはK9護岸一つしかないので、ランプウェイ台船があくまで待機するしかない。

 玉城デニー知事が安倍晋三首相に県民投票の結果を伝えた。安倍首相の返答は予想通りだ。安倍や菅に幻想を抱いていた県民はいないだろが、反対の意思表示しただけでは軽くあしらわれる。日本政府の沖縄に対する姿勢は終始一貫している。結局のところ、沖縄県民がキャンプ・シュワブのゲート前や海上で、実力で抗議しない限り工事は止まらないのだ。

 県民大会で1日だけ盛り上がっても、日々の抗議行動で人が集まらなければ、工事を止めることはできない。3月25日までに私たちは何をしなければいけないのか。まずは一人でも多くの県民が、辺野古に来て工事行動に参加してほしい。

 石垣島では自衛隊基地の建設が着手されている。中国に対抗する軍事拠点として、琉球列島全体で米軍と自衛隊の強化が進んでいる。安倍政権が口にする「沖縄の負担軽減」はその現実をごまかすものでしかない。日本「本土」防衛のために沖縄を犠牲にする。その構造は140年前の琉球国併合以降、一貫している。

 多忙な日々の中、辺野古や安和に足を運ぶのは大変だが、週に1度でも月に1度でもいい。時間を捻出して工事を止めるために行動しなければ、沖縄の基地負担はさらに増大し、誰かがまた犠牲になるのだ。

 


この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 石垣島の自衛隊基地着工に反... | トップ | K8護岸建設に向けて汚濁防... »
最新の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事