海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

カヌーでキャンプ・シュワーブ内の海岸部を観察

2016-03-24 00:21:25 | 米軍・自衛隊・基地問題

 23日は朝、カヌー7艇で松田ぬ浜を出発した。ほかに4艇が初心者練習を行っている。埋め立てに向けた工事・作業が中断して以降、台船に対する抗議や監視活動を中心に行ってきたが、この日は海岸沿いにカヌーを漕ぎ、キャンプ・シュワーブの陸上部の様子を観察することにした。

 長崎(辺野古岬)の岩場からフロートを越え、長崎周辺の様子を見た。前にも紹介したが、作業ヤードや仮設道路が建設される個所に、板杭に張られた黒いネットが海岸沿いに伸びている。生物の侵入防止や土砂の流出防止、目隠しなどの役割があるのか。バックホーが置かれたままになっているが、この付近で作業をしている様子はない。

 一昨年の10月の台風で壊れた護岸がずっとそのままになっている。いずれ仮設道路を建設する場所だから、ということで放置しているのだろう。その奥には栗石を詰めた根固め用袋材(布団かご)が積まれている。この間ゲートから搬入された栗石で作られたもので、仮設道路や桟橋などの建設材料として大量に使用される。これを海に投入させてはならない。

 この日はスパッド台船を簡単に確かめて海岸部の様子を見た。美謝川の河口部は幅1メートル余の浅い流れが海に注いでいた。海上保安庁の浮桟橋やフロートフェンダーは陸に上げられたままで変わりない。海保のゴムボートは4隻が海に浮かび、1隻だけ保安官が乗っていたが、遠くから見ているだけだった。

 米軍のリゾートビーチの向かって右端に陸揚げされたフロートが置かれている。その横には仮設道路が建設途中のままになっていて、浜に鉄板が敷かれ茶色く錆びている。その横には鉄板の上に敷く黒いマットや、仮設道路の側面に置くらしいパイプが置かれている。こちらも作業員の姿はなく、工事は中断したままとなっている。

 米軍のリゾートビーチの仮設道路は隣の浜に伸びている。辺野古弾薬庫下の浜になるが、岩場付近ではむき出しになった根固め用袋材(布団かご)の上に土のうを置いて凹凸を無くし、その上に鉄板を敷いて仮設道路にしているのが観察できた。

 この付近の布団かごは以前は砂で覆われていた。波で洗われて砂が流出したようだ。沖縄防衛局は名護市教育委員会に対し、浜の工事について布団かごは使用していない、と説明していたのだが、その嘘がこれを見るとはっきりする。それにしても、よくそんな嘘を恥ずかしくもなく言えたものだ。

 浜に伸びる仮設道路も布団かごが一部露出している。台風が来て高波に襲われたら、この付近も砂が流出するのではないか。また、砂浜には布団かごが積まれたままになっているが、これらもすぐに撤去して、沖縄防衛局は浜の回復措置をとるべきだ。そのことをくり返し言っておく。

 この日はお昼頃から雨になるという天気予報だったので、海岸部の観察を終えたあとは長島の岩場に戻り、フロートを越えて松田ぬ浜に向かった。

 途中、キャンプ・シュワーブ内の映画館で解体工事が行われていたので抗議した。この付近も新基地建設の範囲内で、解体工事も新基地建設の一環である。国と沖縄県が代執行訴訟で和解して協議を始めている今、解体工事を進めるのは和解を踏みにじるものだ。ゲート前とも連携して、抗議を強める必要がある。

 海からは陸上での作業を観察・監視することができる。工事中断中も海上行動の役割があるので、できる限り海に出ている。カヌーから抗議の声を上げていると、作業員たちも気になるのか下に降り、こちらを撮影していた。

 今は大浦湾を自由に漕げるので練習としてもいい環境にある。本気で辺野古新基地建設を止めたい。そういう心意気を持った人がぜひカヌーチームに加わってほしい。楽してカヌーで抗議はできない。どんどん練習し、実践を積みましょう。


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