海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

県議選告示

2008-05-31 14:02:33 | 米軍・自衛隊・基地問題
 30日は沖縄県議会議員選挙の告示日だった。選挙運動は実質的には終盤戦に入っていると思うが、二議席をめぐって争われる名護市選挙区で投票が行われるのは、なんと八年ぶりである。過去二回は与野党が一議席ずつ分け合い、無投票当選をくり返してきた。有権者からすれば投票の機会さえ失われるというおぞましい事態が続いていたのだ。辺野古への米軍の新基地建設をめぐって政治的焦点となっている名護市でこういう状態だったということは、全国的にはほとんど知られてないかもしれない。
 立候補者からすれば選挙のための手間も金もかからずにすんでこれ幸いかもしれないが、有権者の審判がなされないということは、議員の緊張を失わせるだけでなく、議会制民主主義の衰退をも招く。それはまた名護市の民度や政治の質の水準をも表しているだろう。何とも情けない話だが、これが名護市の現状だ。そういう意味で、今回八年ぶりに県議会選挙で市民が投票権を行使できるのは、少しはまともになったと言えるのだが、その中味はどうか。
 昨日は朝から早速立候補者の街頭演説や宣伝カーで騒がしい一日が始まり、アパートの郵便受けにも立候補者のビラが入っていた。県内紙を読むと、野党候補者は票に結びつくということで、基地問題よりも後期高齢者医療制度問題を争点にしようという候補者が多いのだという。名護市もご多分に漏れず、野党系の候補者である玉城義和氏のビラを見ると、基地問題に触れているのはほんのわずかで、中味の大半は後期高齢者医療制度の廃止を訴えている。選挙は勝つことが最優先という理屈なのかもしれないが、名護市の野党系候補者が辺野古の基地問題を争点化しないでどうするのだ?
 辺野古新基地建設に向けてアセスメントが強行されていて、陸上部からの工事も始まろうとしているこの時期に、積極的に辺野古の基地問題を争点化し、県民の意識を喚起するのが野党系議員の務めではないかと思うのだが、集会で挨拶をするときと選挙では態度が違うらしい。これから選挙戦の中で、名護市選挙区の候補者がどのような主張をやるか注目しようと思うが、とりわけ辺野古の新基地建設に反対をいうその中味を見極めたい。
 もう一つ関心のある選挙区が宮古島市区である。ここも二議席に三名の候補者が立っている。従来の与党・野党に加えて中立を唱える政党そうぞうの推薦を受けた候補者が出ているのも名護市に似ている。その政党そうぞう推薦の候補者である坂井民二氏の後援会長を努めているのが中尾英莋氏である(08年4月30日付沖縄タイムス朝刊参照)。
 当ブログの4月8日にも書いたが、中尾氏は「宮古圏域の防衛を考える会」の代表を務め、宮古島への自衛隊誘致を積極的に進めている人物である。となれば、政党そうぞうの推薦を受けた坂井氏が、当選のあかつきにはどのような行動をとるかが見えてくる。また、政党そうぞう代表の下地幹郎氏は、宮古島にかぎらず与那国島への自衛隊誘致も主張してきている。
 http://www.videonews.com/nagata/001010/001137.php
 宮古・八重山・与那国といった先島地域に自衛隊を誘致し、基地・防衛利権を引き寄せ、牛耳ろうという魂胆が見え見えだが、それとの絡みで政党そうぞうの名護市における動きに注目する必要がある。表向き辺野古への新基地建設に反対しているからといって、その本音はどこにあるか、見極める必要がある。

この記事についてブログを書く
« 庭作業 | トップ | 「風流無談」第11回 »
最近の画像もっと見る

米軍・自衛隊・基地問題」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事