・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

記憶

2010年10月26日 | なんだいまあ(何だこりゃが念仏になった)

ケイタイにスケジュール書き込み、アラームも出る。
こうすればまったく忘れることはありませんとの売り込みの文句。
こんなものを使っていると、自分では何も覚えていなくなるのではないかと思う。

むかし、メモを使わず記憶力抜群の人がいた。
その人の書いた字には滅多にお目にかかれなかった。
それでも仕事上書かなければならないこともある。そんなときに書く字は、言っては悪いがこれが字かというような強烈な個性をもったものだった。
なかなかの博学で、とくに新しい技術情報などを仕入れると、機会を捉えては繰り返し繰り返し話してくれた。
不思議なことにその人の話をまたかと思わないのである。
話の相手はいつも複数の人で、繰り返し話を持ち出すのは相手の誰かが入れ替わったとき。だから入れ替わった人にはその話が新鮮に聞こえた。

記憶力は話の中味だけでなく、誰にどういう話をしたかにまで及んでいたのではないかと、いまになって思う。
この人には話したか、まだかと、細密なデータベースが組み込まれていたのであろう。

きいたか、どうか、変なところで都々逸問答を思い出した。
「こわれた枕をソクイでつけて・・・」「きいたか」というあれである。