アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ペルシャグルミ - ダマスカスAJG・シリア

2019-09-10 19:32:40 | シリア
初出 2017-09-24 12:07
2019-09-10 写真を撮影時のサイズに入れ替え


牛がのんびり草を食べています。季節は11月。
写真の上の方、左手から伸びているのが クルミの木です。
種類は 中東で一般的な ペルシャグルミ と見立てました。
というわけで、ここはどこの田園風景でしょう?






ここは シリアの首都ダマスカスの市街地にある農業保護区なのです。
ダマスカスの地図を広げ、ダマスカス市街を十文字に切って その右上の4分の1 区画が、アブー・ジャラッシュ・ガーデン (Abou Jarash Gardens, AJG) と呼ばれる農業保護区なのです。
ダマスカスを訪れる人は数多いても、まず大都市のなかに こんな広い農業保護区が存在することは気づいた人は 数えるほどしかいないとおもいます。





ここが ダマスカスの街の中なんだ!ということを 確認するために
↑ペルシャグルミの木を横に見ながら、今来た道を さらに先へ行ってみましょう。





すこし見通しの良いところへ 出ました。
向こうに、はげ山がみえます。これが有名なカシオン山です。
どう有名かというと、旧約聖書にでてくる カインによる人類最初の殺人が行われた場所として、です。
農耕を営んでいたカインが、弟の遊牧民アベルの供物だけを神ヤハウェが受け取るのを恨んで、殺してしまったという逸話は、遊牧民族の 農耕民族にたいする嫉妬というか、遊牧民と神の特別な契約というか、そういう思想の象徴です。
それだけ 水と緑と定住生活にあこがれていたことの裏返しかもしれません。
シリアはユーフラテス川沿いで少し石油がとれますが、基本的には農業国です。
カシオン山の山麓に びっしり民家がへばりついています。
人口の都市集中で増えた 違法家屋です。
それでも 広大な農業保護区を 宅地化せず 維持する国の 農業に対する強い意志のあらわれが このアブージャラッシュ農園なのです。



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