Avenir

洗剤についての知識を自己学習しています。

ABS発泡問題について

2008-06-01 07:47:19 | 界面活性剤
【ABS問題】

・1960年の後半以前は、合成洗剤の界面活性剤は、ABS(分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)が使用されていた。
→ABSの大量消費が原因で河川での*発泡問題が社会問題化。

*発泡問題・・・ABSが排出中に泡立ったまま長期間滞留して、河川や湖などの水質や地下水の汚染問題を引き起こした問題。


【原因】
ABSのアルキル基が枝分かれした部分が排出中に分解されないため、河川に長期滞留する。


■ ABS(分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の構造式



【代替品】

この問題がきっかけにアルキル基が枝分かれしていないLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)に切り替えられる。
■ LAS(直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の構造式



・LAS は ABS に比べて、少しは分解性が良いだが、毒性は LAS の方が強い。
 ⇒皮膚障害(タンパク変性作用による手あれ)を初めとする人体・環境汚染の問題。そのため、単独で使用せず、他の合成界面活性剤と併用するようになっている。→AE(ノニオン)etc.