jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

音色に酔う ・・・・・・ JAY HAWK TALK / CARMELL JONES

2018-04-01 | ジャズ・tp

安レコ・コーナーでファクトリー・シールド状態のこのアルバムを見つけた。

地味な作品とは言え、1,000円とは!哀れになり買って帰ろうと思ったが、ひょっとして探しているファンがいるかも?と、元に戻した。

欧州から帰国後の1982年録音、C・JONESのオフィシャル・ラスト作。

 

 

その昔、CARMELL JONESの名は知っていたものの、具体的にその存在を意識したのは、70年頃に入手したバック・ナンバーで残っていたSJ誌の別冊。

中身が濃く、今でも時々読み返しているけれど、ちっとも飽きない。表装はカラーだが、中ページはモノクロでレトロ感に溢れている。コルトレーンはまだ存命中、正にモダンジャズ絶頂期ですね。

 

 

初心者に近い当時、巻末の「304選」は大変、参考になった。今から思うと「304」なんて中途半端ですね。でも、ある意味厳選の証拠かも。

現在、所有しているのは半数も満たない(笑)ので出来の悪いジャズ・ファンです。

 

 

何度も繰り返し読み、気になるレコードに赤鉛筆で印を付けた。 

 

 

その中の一枚がコレ。暫くして入手。

 

 

TOPのタイトル・ナンバー、いきなりジャズ・ロック。意表を突かれた。録音は1965年5月8日なのでモーガンのヒット作”SIDEWINDER”(1963年12月21日)を意識したのだろう。でも、こちらは”SIDEWINDER”のノリの良いチャーミングさはなく、どことなくぎこちない武骨な味を妙に聴かせ、これはこれで悪くない。同じハリスが「真似してないぜ」と言わんばかりに鍵盤をガッ~ンと叩いている。

2曲目”Willow Weep For Me”、これはもう取って置きのワン・ホーンによるショー・ケース、歌心、音色、共に素晴らしいですね。その後もジョーンズの優れた資質が生かされる曲材が選ばれ、ジョーンズはそれに見事に応えている。時折、ブラウニー・ライクなプレイ、フレーズが顔を出すが、カーメルのアイデンティティーはしっかり確立されている。

しかし、本作の録音後、まもなく欧州に飛び立っている。恐らく、彼は本国のジャズの時流に見切りをつけたのだろう、どこか吹っ切れたようにはつらつとしている。

ただ、不思議なのは、その後、欧州でリーダー作がリリースされていないこと。70年頃、PRESTIGEから”IN EUROPE 1965-1966”がリリースされているけれど抜粋もので正式ものではない。MPSにリーダー未発表音源が残っているとの噂がありますが定かでありません。   

 

 

本アルバムのもう一つの魅力は「音」。

所々、歪みぽくバランスが崩れ気味で問題点がないことはありませんが、このじゃじゃ馬的リアルさは半端ではありません。エンジニアはRichard Alderson。

カーメルのtpが生き生きとしている。

SHURE・V15typeⅤは彫りが深く芯を捉え、typeⅢは密度はtypeⅤに及ばないものの程良いブライト感が加わりカーメルの音色に聴き惚れます。

typeⅢがいまだに絶大な人気を得ているのも頷けますね。

本盤をハイエンド・システムで聴いたらどんな音が出るのだろう、想像も付かない。



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