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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第1章ー5 太古の龍

2018-01-29 15:53:21 | 私が作家・芸術家・芸人

「白面の神が黒い龍と出会う刻
 呪われた風が生まれて、多くの命が失われ
 失われた多くの命が、新たな強大な国を生み出す
 黒い龍が青い龍を日が昇る国に送り出す刻
 三角形のパワースポットがその命を守り
 白い龍が生まれ、その家族の命は残酷な運命によって失われて
 青い龍が紅い龍を育てる刻
 操るものが、銀狼の夢に現れ
 天罰を与えるものが、雷獣の夢に現れ
 引きつけるものが、深紅の龍の夢に現れ
 踊り回るものが、目覚めたまま夢見る娘の夢に現れる刻
 鏡が反転して、闘いが始まり
 再び黒い龍が現れ、五人の夢魔が無意識の底に消える刻
 『夢見るもの』が目覚めの刻を迎え
 祭一族の呪いが解ける

 予言は実現されねばならぬ。
 否、必ず実現する運命にあるものと言うべきか。
 いったい、後半部分が何を言っているのかはわからぬ。
 しかし、前半部分はわかる。儂は悪行によって蓄財した金を使って、お前のために日本の彼の地、筑波に広大な屋敷を用意した。今宵より我らはもう親でもなければ子でもない。師でもなければ弟子でもない。我らが呪われた一族のことは忘れて赤い龍を育てるために全力をつくせ。だがその前に、青龍、お前に息子が生まれたなら、白龍(パイロン)と名付けるがよい。白龍とその家族には残酷な運命が待っていることを覚悟せよ。せいぜい彼らをかわいがってやるがよい。生活には困らないだけの金は日本に用意してある。儂も一緒に来られないかだと? 無理を言うものではない。すでに言ったように、我が両手は血にまみれておる。どんなに洗っても落とすことのできない穢れた血に。おそらく儂の行く先には地獄が待っている。それこそ因果応報というものだ。儂とお前とお前の息子には不幸が待ち受けている。だが、曾孫の代に呪いが晴れるのであれば儂は本望じゃ」
 これが、現世でかわした青龍が黒龍と最後の会話であった。

 青龍が黒龍との別れを思い出していた時、上空に黒雲が湧き出て来た。
 その中心に、渦を巻きながらその正体を示しつつあった。
「聖地の結界が乱れるとは、不可思議なり」青龍がつぶやいた。
 人類の歴史は、この聖地に始まった。
 数億年前、宇宙から到来した神々はこの地で宇宙を駆けめぐる翼を休め、人間の祖先と最初の交流を持った。彼らのDNAに刻み込まれた集団的記憶は、神話として世界中に伝播することとなった。
 究極の聖地、茨城県南部のパワースポット・トライアングルは巨大な結界として破壊的なパワーの発動を数百年間も許さなかったはずであった。
 少なくともこれまでは。



「いかん、太古の龍が目覚めるぞ」
 地鳴りが始まり、地面が揺らぎ始めて液状化現象が始まった。
 液状化は、巨大な河川の近くや埋め立て地などの砂が多く含まれ地下水位の高い場所で起きやすい。こうした地層内では、通常、結びついているはずの砂の粒子が地震などのきっかけによってバラバラになる。
 その結果、地下水中に粒子が浮いた液体状態になり、地表の割れ目から砂や水が噴出したり建物が沈んだり傾いたりする。


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