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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第5章-1 ナオミの夢

2018-06-02 00:00:28 | 私が作家・芸術家・芸人

 1995年9月3日、ナオミの22才の誕生日前日。
 人間界に一人送り込まれたマーメイドは祖母トーミのまじないのおかげか、教え導くものと助けてくれる仲間にはたしかに恵まれてきた。
 でも、これまで私は十分「人生」を切り開いてきたのだろうか。トラブルに引き寄せられて、仲間を救いたい一心で闘って来ただけじゃない。
 気がかりがひとつあった。
 いつの間にか、孔明の姿がキャンパスから消えていた。おばあさま、もしも孔明がトラブルに巻き込まれていて、わたしがトラブルに引き寄せられるマーメイドだったら、孔明のところに呼び寄せて。
 その日、ナオミは夢を見た。
 マーメイド姿のナオミの前に、伝説の巫女であった母ユーカが立っていた。
(ナオミ、わたしはあなたを愛していなかった。あなたはすてられたの)
(いいわ。わたしには、尊敬するシンガパウム様がおります。それに、元々、あなたは記憶にありませぬ)
 ユーカの姿が消えると、今度は父シンガパウムが現れた。

     

(ナオミ、お前にはがっかりさせられた。もう見捨てることにした)
(シンガパウム様らしくもない物言い。それに、すでに親衛隊長様とのお別れは済んでございます)
 シンガパウムの姿が消えて、次に、育ての父ケネスが現れた。
「ナオミ、助けてくれ。やられた。背中のキズが痛むんだ」
 いつの間にか、ナオミの姿は人間に戻っていた。
「あなたは誰? ケネスなら、そんななさけないこと口が裂けても言わない。いつでも自分よりも、わたしを心配してくれるはず」
 次に、ケネスの姿が消えて、目の前に夏海が現れた。
「ナオミ、あなたの弟を助けて」
「夏海、トミーのことを言っているの?」
「そうよ。トミーの名前は、あなたのおばあさまトーミから取ったのよ」
「なぜ?」
「それは、トミーの父親がケネスだから」
「そんなはずない。いつも酔っぱらうと『俺はタネ無しスイカ〜』と唄ってた」
 そこで、ナオミは目が覚めた。不思議な夢だった。気になっていることが夢に出るというが、それならなぜ孔明が夢に出てこないのか? 
 まだ、ナオミはおかしな夢を見た理由には気付いていなかった。


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