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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第4章-7 海神界の議論

2018-05-22 00:00:18 | 私が作家・芸術家・芸人

 未だ何人も訪れたことがなく、今後も誰も訪れないであろう西インド諸島とアゾレス諸島の狭間、インド洋「バミューダトライアングル」。  
 その2万里を越える海底に、四次元空間につながる海主ネプチュヌスの城。
きらめく宝石のように飾り立てられた100の部屋は、マーメイド、マーライオン、セイレーンなど、海主の眷属たちの住処。
 陽の光さえ届かぬ深海底にひっそりとたたずむ城の回りでは、赤、青、黄、緑、オレンジにかがやく魚、エイ、鮫たちが泳ぐ。
 水龍とマーライオンが戦う姿が描かれた広間では、青みがかった白銀の髪をなでるネプチュヌスが黙りこくっている。
 彼のマリンブルーの眉毛がわずかな海流に揺れた時、ネプチュヌスが思念を発した。
(一同のもの、面をあげよ)

     

 海神界の親衛隊長シンガパウムの一族が、呼び寄せられていた。
「忠義をつくすもの」でマーライオンの勇者シンガパウムと、「うらなうもの」でとびきりの英知に恵まれた今は亡きマーメイドの妻ユーカの娘たちを神々の中で知らぬものはいない。
 長女アフロディーヌは、祖母や母の後を次いで最高位の巫女。
 天主ユピテルの玄孫ムーに嫁いだ次女アレギザンダーは、セイレーン3姉妹にもおとらない美しい歌声を持ったマーメイド。
 海主ネプチュヌスの玄孫レムリアに嫁いだ3女ジュリアは、気象をあやつり、シンガパウムと共にマーメイドながらネプチュヌスの親衛隊員。
 冥主プルートゥの玄孫アトランチスに嫁いだ4女サラは、やさしい性格。
 姉妹の内、5女ノーマだけがこれまで人間界に行き、不幸な晩年をおくったと言われている。本来なら、この場にいるはずの末娘ナオミは、すでに人間界に送り込まれており姿がない。
 中央に呼び出された親衛隊長シンガパウム、巫女アフロンディーヌ、祖母トーミが朝焼けの光をはらんだ豪奢な色のドレスを着てひざまずいていた。他の姉たちも、その後ろにかしこまっている。
(今宵の話は、魔界からの脱獄者ジェノサイダス、シュリリス、ビザードに関わる。さらに、トリックスターと「絶対悪」が誕生する可能性がある。)
 緊急事態に、皆の間に緊張が走る。
 ネプチュヌスが、トーミに顔を向けた。
(彼奴は、必ずトラブルを引き起こす。さすれば、ナオミはトラブルに引き寄せられていく運命にある)
(新しいゲームが始まるのですな?)トーミが、慎重に思念を送り返す。
(今回は、最後のゲームになるも知れぬ)
(ネプチュヌス様、こんどこそ私めにナオミを助ける機会をお与えください)思念の先には、ネプチュヌスの息子で王子トリトンの姿があった。
 神殿の男たちのほとんどがマーライオンなのに対し、ネプチュヌス直系の神トリトンは美しい顔立ちに魚の下半身を持っていた。


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