財部剣人の館「マーメイド クロニクルズ 第三部」配信中!「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中「第二部 完結」

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

マーメイド クロニクルズ 第二部 第6章−4 トリックスターのさかさまジョージ(再編集版)

2017-01-18 11:47:45 | 私が作家・芸術家・芸人
 マッドがメイクアップでもしたようなピエロ顔で、ニヤニヤ笑いを浮かべる。髪がザンバラになって、下に垂れている。
 リギスが言う。「やっと表に出てきたでありんすか。でも、おかしなオーラでありんす。子供のように純粋かと思えば、感受性の強い青年のようにひねくれ、老成しているかと思えば、特攻兵のように自暴自棄。サーカス団で育てられた悪魔の子、遊園地に住みついた魔法使い、人にまざってレスリングに興じるゴブリンとでも言うでありんすか? いったい、お前さんは何でありんす?」
 質問に答えて、子供の声で話が始まった。
「ボク、トリックスターのさかさまジョージ。でもおねえちゃんたち、なんでさかさまなの? えっ、ボクの方が逆だって! 自分がまともだなんて誰に言われたの? まともじゃない人から見たら、まともな方が変で変がまともだよ。おねえちゃんたちこそ、名前は? ちょっと待って。わかった! 悪魔姫ドルガ、氷天使メギリヌ、蛇姫ライム、唄姫リギスだ。小耳にはさんだことがある。冥界最凶の囚人四人組だろ? ボク、昔は神界と人間界をいったりきたりできる一人だったのさ。この世界では、ミリタリーおたくって奴。マッドは気づいてなかったけど、改造兵士を作るにはずいぶん知恵をさずけてやったんだよ。なんでボクがいきなり表に出てきたかって? 謎かけに答えられたらおしえてあげる。いい? イヤでイヤでしかたがないのに、一生つきあわなくちゃいけない相手はだ〜れだ? クックック、さすがだね。答えは自分だよ〜ん。ボクが出てきた理由は、魔道とマッドがマクミラおねえちゃんを好きになっちゃったからさ。それなのに、魔道ははずかしがりやの口べた、マッドは惚れてるくせにおねえちゃんがいやがることばっかり。問題は、おねえちゃんが堕天使のダニエルに首ったけってことさ。おねえちゃんに嫌われ自慢の改造戦士は全滅しちゃったんで、マッドの奴が小さくなっちゃったんので、ボクが出てこれたってわけ。えっ、ボク? もちろんボクも、マクミラおねえちゃんが好きさ。でも自分のものにならないなら、こわしちゃうしかないじゃん。おねえちゃんたちは、マクミラおねえちゃんに恨みがあるんだろ。共闘と行こうじゃないか。ボクの恨み? そんなのないにきまってるんじゃん! ボクにあるのは愛だけさ、愛、愛。愛してるのに、なぜ復讐するのかって? じゃあ、次の謎かけだよ。世の中で一番やさしいことは、な〜んだ? 今度はわかんないの。答えは、ころしてあげること。だって、死ねばもうくるしまなくていいもの。じゃあ、この世の中で一番つらいことはな〜んだ? 答えは、ハートを盗まれながら、相手の目に自分が映ってないってことさ。そっぽを向かれるなんて、かっこうわるいけど、ころしてだれのものではなくなれば、ころされた相手もころした自分も一生おぼえているじゃない。アポロノミカン? ここにはないよ。アポロノミカンの奴、マクミラおねえちゃんを新しい持ち主に選んだんだ。だから、ニューヨークに行かなけりゃ、あの本は手に入らない。でも、おねえちゃんたち、きれいだね。宝石箱の中の石ころよりもずっと輝いてる。いい手があるよ。マクミラおねえちゃんの茶坊主ジェフは、ヌーヴェルヴァーグ財団主催のクリスマス・ミュージカルを企画してるんだ。おねえちゃんたちをキャストとして入り込ませようよ。マクミラおねえちゃんも、必ず顔出しするはずだ。そこで、血の雨を降らせよう。
 予言は、おねえちゃんたちのことだったんだね。

 清らかなる魂と
 邪なる魂が出会う
 百年に一度のブリザードの吹き荒れるクリスマスの夜
 四人の魔女と神官の闘いが幕を開ける時
 血しぶきの海に獅子が立ち上がり
 マーメイドの命を救う・・・・・・

 ウフフ、手始めにメギリヌおねえちゃんに、この冬を今世紀最悪のブリザードにしてもらおうか。予言なんて当たるかはずれるかじゃない。予言されたこと通りに行動することこそ、神の御意志にかなうってもんじゃない。それとも、悪魔の計画通りかな。でも、血しぶきの海に立ち上がった獅子とマーメイドにやっつけられないように、せいぜい注意してね」


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