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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第4章-6 ドラクールの願い事

2018-05-19 00:03:48 | 私が作家・芸術家・芸人

(魔王たちにさえ、捕らえることがかなわなかった魔性たちにトリックスターと「絶対悪」が加われば、勝ち目は限りなく低くなります。おそらく総力戦となりましょう)
(どういう意味だ?)
(現有勢力に、天界、海神、冥界からすべての戦力を送り込む必要があります)
(つまり、マーメイド、神官、天使たちだけでは・・・・・・)
(なぶり殺しにされるかと)
(それも一興じゃが、「絶対悪」の誕生だけは、ちとやっかいじゃな)
(その通りでございます。最悪、すべての生命を巻き込んだ闘いの末にカオスが出現するでしょう。トリックスターと「絶対悪」が魔性軍たちに加わることを防ぐと同時に、最悪に備えて対策を練る必要があります)
(魔性たちだけ相手なら、勝算はあるのか? 海神界はともかく、天界にはもう送り込める戦力はないではないか)
(たしかに天界は、すべてをつぎ込んでいます。まだ目覚めていない天使たちを目覚めさせる必要がありますが、人間界にはマクミラと闘った墮天使たちがいます。メギリヌ、ライム、リギスは、貴重な戦力となるかと)
(なるほど。こんな時、ドルガがいれば心強いがのう)
 プルートゥは、息子で日食の神コロネウロスの妻にドルガを考えていた時期があった。死の神トッドの娘ドルガは、プルートゥの遠縁であった。
 略奪婚により娶った豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネとは不仲だったが、ようやく生まれた日食の神コロネウロスをプルートゥは溺愛していた。結局、コロネウロスはインキュバス界一の美女アテルと幸せな結婚をし、普段の不機嫌な顔の陰で密かに喜んでいた。
 だが、その息子も第一次神界対戦の混乱に乗じて冥界をおそった魔界との闘いで行方不明となっていた。父親に似ない人気者で、実力も兼ね備えた息子を失い、元々暗かったプルートゥの性格がさらに悪くなったと言われる。
(死んだ墮天使をあてにするなど、プルートゥ様らしくないかと)
(冥主に向かってイヤミを言うとは、お主も人間界に行って偉くなったものよ)
(失礼いたしました。ただ・・・・・・)
(ただ、なんだ?)
(タナトスが、気になることを言っております。数億の絆を断ち切った経験から、命が失われる手応えがドルガの時になかったそうです。もしや、手元が狂ったのではないかと・・・・・・)
(死神の鎌の手元が狂ったと! 冥界一の冷血漢タナトスがか?)
 プルートゥが意地悪そうに、タナトスを睨んだ。
 顔のないはずのタナトスが、赤面したように見える。
(その結果、ドルガの魂が精神世界をさまよっている可能性がございます)
(おもしろい)
(プルートゥ様、願いの儀がございます)
 それまで黙っていた“ドラクール”が思念を発した。
(“ドラクール”、お主が願いごととは、めずらしいことよ)
(宝物殿にしまわれている、我が「ドラゴンの鎖鎌」をマクミラに与えてはいただけないでしょうか? 今回の闘いは、これまでにないものとなりましょう。もはや二度と使うことはないだろうと献上させていただきましたが、「ドラゴンの鎖鎌」がどうしても必要でございます)
(かつて頼み事などしたことがなかった大将軍の願いじゃ。よかろう。だが、究極の神具ドラゴンの鎖鎌が使い手を選ぶことは、よもや忘れておるまいな)
(もしも使いこなせなければ、それは所詮その程度の器量だったということ。実力差を考えれば、あの神具があっても勝負になりますかどうか・・・・・・)
(今度の闘いは、人間界、神界、魔界の運命までも左右する。アストロラーベ、スカルラーベ、ミスティラ、すべて降臨するがよい。決着が着くまで、冥界に戻ることはまかりならぬ。祭祀に差し障りが出てもかまわぬ。必ずや魔性軍との闘いに勝利を収めるのじゃ)


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