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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第12章—8 もう一人の自分

2019-05-10 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

 もう一人の自分、まさか・・・・・・
 マクミラは、そのことばを聞いた時、背筋が震える気がした。おろかな、かつての冥界の神官たるものが・・・・・・しかし、なぜかそのことばが頭を離れなかった。
「もう少しくわしく教えて。解放された意識は零次元では、どうなるの?」
「零次元で頼りになるのは、光を信じるメンバーならメンバー間の絆だけ。闇を信じるメンバーなら闇のメンバーの力だけ。光で表されるポジティブな意識は神界と、闇で表されるネガティブな意識は魔界とつながっている。光と闇は、表と裏のようなものでどちらかが完全な支配を達成することは無い。ヤヌスの鏡は、零次元に光と闇の裂け目を作って暫定的接続状況を与える」
「暫定的ってことは、アストロラーベの儀式も時間の制限があるの?」
「この儀式を取り合うことを許されているのは神々の中でも唯一ヤヌス神だけ。さすがのお兄様も、冥界最大の禁忌を犯せる時間はかなり限られる。せいぜい666分だわ。お兄様は裂け目をその間は、一方通行にしておくつもりなの。そうでないと闇の空間と光の空間の間の精神世界を通じて、魔性たちが人間界に来訪し放題になってしまう。さらに、零次元亜空間の裂け目を閉じる瞬間に備えておくのは、強大な魔力を必要とする。それに、接続状終了後に亜空間の裂け目を閉じないと大変なことが起こる」
「大変なことって?」
「二つの可能性があるわ。一つ目は、光を信じるものと闇を信じるが、そこで最終決戦を起こすこと。わたしは冥界にいたから、魔性たちが常に精神世界の支配を狙っていたことは知っている。特に、多くの高位の神々が人間界に降臨している今は彼らにとって願ってもない契機となる。だけど、神々も最終決戦には常に備えているから簡単には決着がつかないと思うし、魔王たちの指揮がなければ魔界が軍団を形成して最終決戦に挑むかどうかは疑問だわ」
「もう一つの可能性は?」ナオミは、震える声で聞いた。
「こちらの方がありそうだとわたしは思うけど、もう一つは、亜空間の裂け目が開いたと気づいた魔性たちが人間界への干渉を強めることよ」
「人間界はさまざまな対立が渦巻き、魔性たちにはヨダレが出そうな状況よ。多大な犠牲を伴う最終決戦より、精神世界を通じて人間界を混乱させる選択をする可能性が高い。そうなれば、この世の地獄が出現するほどのひどい状況になることだけは間違いない。人間自身がすでにガイアを危篤寸前に追い込んでいるけど、自分たちの絶滅の方が早いかも知れない」
「マクミラ、絶滅を避けるため、今回は闘ってくれるの?」
「昔の私なら、2番目のシナリオは大歓迎。でも、今のわたしはちょっと違う」
「それは、いったい・・・・・・」

     

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