新聞に見るオーストラリア

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テロ容疑者を一斉摘発、16人逮捕

2005年11月09日 | テロ
NNAの記事です。

 シドニーとメルボルンで8日早朝、テロリスト容疑者の家宅捜査が一斉に行わ
れ、16人が逮捕された。豪連邦警察(AFP)と州警察、豪安全保障情報機関
(ASIO)合わせて約400人による合同捜査。議会では先週、反テロ法の改正案を可
決し、警察当局の権限が大幅に強化されたばかりだ。各メディアが報じた。
 シドニーでは7人、メルボルンでは9人が逮捕されたもよう。シドニー南西部グリ
ーンバレーのイスラム教寺院の前では、20代とみられる男性容疑者が警官隊に向か
って発砲し、これに警官が銃で反撃。容疑者は首を撃たれ重傷という。
 メルボルンでは同日、逮捕された容疑者9人が下級裁判所に出廷。検察側によれ
ば、彼らがテロ行為について話し合っている録音があり、このうち1人は明らかに
自爆テロの決意を表明していたという。容疑者らは軍事訓練に参加し、大量の化学
物質を注文したとされている。
 シドニーでは、爆弾製造に使用される恐れのある化学物質を大量に押収したとい
う。

 ■反テロ法改正で可能に

 ニューサウスウェールズ(NSW)州警察のモロニー署長は、今回の一斉逮捕が16
カ月間におよぶ捜査の結果として行われたものだとした上で、実施自体は前日に決
定したと説明。
 シドニーではハーバーブリッジ、メルボルンでは証券取引所などが狙われている
との憶測が浮上していたが、特定の場所がテロの標的となっていたことを裏付ける
情報はないもよう。
 ハワード首相は8日の記者会見で、先週議会を通過した反テロ法の修正条項が今
回の一斉捜査につながったとの見方を明らかにした。改正により、実際にテロ行為
がなくても、テロを計画しているだけで逮捕することが可能になったためだ。
 同首相は、反テロ法改正案の議会上程の直後、「テロ発生の危険性が高まってい
るという具体的な情報を受け取っている」と発言。絶妙のタイミングに野党からは
「政治的な策略だ」との批判の声も上がっていた。
 この件について同首相は「国民と国家の安全にかかわる問題に政治的操作の余地
はない」と述べ、あらためて否定している。

 ■イスラム教徒は警戒

 イスラム教徒の間からは、一斉捜査に対する懸念の声が上がっている。
 レバノン人イスラム協会のトラッド氏は国営放送ABCテレビに対し、シドニー
では早朝から報道陣が捜査を受ける容疑者らの自宅前に待機していたことを問題
視。事前にメディアに情報が流れていたと指摘し、安全対策としては適切な方法ではな
いと批判した。
 NSW州、ビクトリア州両警察は、テロを未然に防いだと主張。ケルティーAF
P長官は「テロリスト容疑者の捜査は今後も続く」としている。

(NNA) - 11月9日

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