新旧の書籍および映画の批評,作品解説.
Augustrait





[提供:文藝春秋]
 トップ人事の騒動で,降格されて,地方に飛ばされたエリート管理職の悲哀を通し,サラリーマンにとっての出世とは,仕事とは,生甲斐とは何かを追求する,体験に基づく衝撃の書――.

 会社という組織で働くことを選んだ以上,犯罪でない限りは理不尽なルールに従うことは当然.人事異動命令が「不当な権利濫用」であり,労働者に著しい不利益をもたらすものと認められないかぎり,企業組織は労働者の同意なしに転勤や配置転換を命じることができる.菅原道真の太宰府左遷,陸軍医として出世街道を歩んでいた森鴎外の小倉左遷などを典型例とする「左遷」により,ポジション争いの"敗者"は,怒りと悲しみの雑じりあう心理の揺れ,自分を納得させるための開き直りと自己正当化,神経の消耗による焦燥感とそれを認めたくない虚勢などに否応なく襲われる.本書は,その赤裸々な描写が,今も生々しい実録.

 著者の場合,大手広告代理店に勤め関西支社長のポストを得ていたが,社長交代にあたって,副社長支持を明確にしなかった.そのため,副社長が新社長となった途端,異分子扱いとなり「島流し」の目に遭う.行き先は大阪の管轄下にあり面倒をみてきた「福岡営業所」.コンプライアンス的にも社会的にも,強く肯定される人事異動命令権に一切の忖度はないのが通常である.当然,辞令を拒否すれば身の置き場を失う.回想を交えながらの身辺整理の記述に,如何ともしがたい苦味のアイロニーが隠せない.傾きかけていた関西支社の営業基盤を立て直し,本社の売上伸びを大幅に上回る業績を出してきた.4年間で2倍半の売上げを実績として残した自負もある.その結果,少なくとも,社内で自己の存立基盤は築いたと考えていた.それが大きな誤りであったことを思い知らされる.

 社内政治と距離を置き,潮目をみる用心と処世をおろそかにした「もうひとつの結果」が,この状況を招いたということだ.官僚ヒエラルキーから外れた鴎外が返り咲いたのは,時の権力者山形有朋の引き立てがあってのことであり,権力者への呼吸合わせの重要性とその恐ろしさを知った鴎外は,精神的に成長したはず,と著者は理解できるようになる.また福沢諭吉により批判された勝海舟の言葉「褒貶は他人の主張」――他人の評価に惑わされず,行動の主体はあくまで自分自身にある――に魅力を感じられるようになる.挫折や不遇体験を得るなど,人間は立場が変わると,学ぶべき対象から得る教訓も変わる.残念ながら,会社員が舐めさせられる苦汁は昔も今も変わらない.その苦しさもまた不変であるために,彼らは自己流の処方箋を編み出さなければならないのである.

左遷の哲学―「嵐の中でも時間はたつ」
伊藤 肇
産能大出版部

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原題: 冬の火花―ある管理職の左遷録
著者: 江坂彰

ISBN: 4167399016
  • 『冬の火花―ある管理職の左遷録』江坂彰
    --文藝春秋,1985.10, , 252p, 16cm
    (C) 1985 江坂彰







  • [提供:筑摩書房]
     大都市の気ままな流行りや,公共事業,工場誘致に頼るのはもう終わりにしよう!それぞれの地域が持つ財を利用し,住民の創意を生かした活動をしない限り,経済的発展はない!かつてのベネチアのように,必要なものを自らの手で作り,近隣地域と共生的な交易を行えば,技術は高まり,雇用も生まれ,地域は自然と活性化する.アメリカで大規模再開発により街が「死んで」いく過程を観察したジェイコブズは,街や地域が生み出すダイナミズムに注目,経済が発展・衰退する鍵を,古今東西の無数の例から探り出した.地域が自立するための処方箋を描いた先駆的名著――.

     無機質な近代都市計画を批判した1961年の名著『アメリカ大都市の死と生』で,ジェイン・ジェイコブズ(Jane Butzner Jacobs)は都市計画論の寵児となった.しかし,本質的に市民運動家であった彼女は,適切に資料を検証することなく,少数の事例を一般化させようとする論理の飛躍をいとわなかった.本書でも,アダム・スミス(Adam Smith)の国民資本(national capital)概念をやすやすと批判するが,『国富論』第2編でスミスが説明した資本の「性質」「蓄積」「用途」を,根本的に理解していない.

     高等教育を受けずに出版業界に飛び込んだ経歴からすれば無理もないところだろうが,その無知をロバート・ソロー(Robert Merton Solow)に笑われても擁護する気になれない.ジェイコブズはしばしば「バーミンガムのような町」すなわち,経済的に強力なダイナミクスをもたない地域でも,輸入置換――輸入したものを自前で生産する――のスキルが不可欠,と説く.そうでなければその地域は衰退するのだ,と読者に脅しをかけることが,本書の主旨である.貿易理論と国際分業の基礎である「比較優位」をまったく無視した議論だが,では彼女は経済発展と発展をどう定義するのか.
    ‘私は前に,経済発展とは日常の経済活動の中にインプロビゼーションを取り入れることができるような状況のもとで,絶えず創意を加えて改良する過程であると定義した.これを敷衍して,発展とは,インプロビゼーションを伴う前例のない仕事への「漂流」であるということができよう’
     まるで話にならない.アウタルキー(自給自足経済)や地産地消が通用するのは,モデルタウン事業のように圏域を狭く限定した場合であるにもかかわらず,ジェイコブズは国富よりも地域単位の富を尺度とする経済指標を本気で訴えている.労働を生産的労働と不生産的労働に分けたうえで,生産的労働から資本が蓄積されることをとらえようとしたスミスも,資本蓄積の整理には慎重だった.剰余と税と消費,さらには人間の消費性向が,個人的な財産の管理と公共支出に及ぼす影響を判断することがきわめて難しいからだ.

     ジェイコブズの主張まがいの思いつきは,そもそも先進国と途上国の間における垂直的国際分業,先進国間における水平的国際分業の整理をせず,生産要素の自然的要因,人的要因を考慮に入れていない.したがって,資本,土地,労働などの生産要素賦存量の差を比較優位の決定要因とする国際分業特化の原理を批判しているつもりでも,なんら痛痒を与えることができないのである.本書は,先発の著作の成功により,気をよくした市民運動家ジェイコブズの勘違いを証する第一歩となった.諫める人もおらず,2000年代に入ると,さらに市場と経済の本質を「批判」するかの風の本を書き連ねた.

    アメリカ大都市の死と生
    ジェイン ジェイコブズ
    鹿島出版会

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    Title: CITIES AND THE WEALTH OF NATIONS
    Author: Jane Jacobs

    ISBN: 9784480095022
  • 『発展する地域衰退する地域―地域が自立するための経済学』ジェイン・ジェイコブズ ; 中村達也 訳
    --筑摩書房,2012.11, , 413p, 15cm
    (C) 1984 Jane Jacobs







  • [提供:岩波書店]
     日本社会を震撼させた連続射殺事件の犯人,永山則夫.生前,彼がすべてを語り尽くした膨大な録音テープの存在が明らかになった.一〇〇時間を超える独白から浮かび上がる,犯罪へと向かう心の軌跡.これまで「貧困が生み出した悲劇」といわれてきた事件の,隠された真実に迫る――.

     刑法・民法上の裁判に際して,被告人の責任能力,行為能力,証言能力の有無を判断するために,法廷から依嘱をうけた精神医学者による精神医学的ないし心理学的な検査,それに基づく臨床報告がなされることがある.一般にこれを「精神鑑定」と呼び,裁判における参考資料として用いる.鑑定書は,原則非公開である.ただし,社会的インパクトの大きい事件に関する鑑定の学術的意義が認められる場合や,法実務への寄与が期待される場合に公開されるものがある.1968年に4人を殺害した連続射殺犯,永山則夫についての精神鑑定は,一審では検討材料とされたものの,最高裁の差し戻し決定以後,ほとんど顧みられることはなかった.永山は,1997年8月1日に死刑執行されている.彼に対する精神鑑定を引き受けたのは,WHO研究員としてロンドン大学精神医学研究所から帰国し,八王子医療刑務所医務部に勤務していた30代の精神科医・石川義博だった.石川は内外の施設で非行少年の治療実践に携わってきた知識を総動員して,182頁に及ぶ長大な鑑定書を作成した.

     心を閉し,公判で証言を拒む一方,葛藤をノートに綴っていた永山の内面に迫るため,石川は徹底的な傾聴によるカウンセリング手法を採用している.通常の精神鑑定は2~3カ月で完成されるが,石川は9か月の期間で鑑定を実施,100時間の面接を録音テープに保存した.逮捕後の永山則夫が獄中で過ごした28年の日々を取材した経験をもつ著者は,永山の肉声テープを保管している石川のもとを何度も訪れ,情報提供を依頼している.それを断り続けた石川は,とうとうテープを著者に預けることにした.折れたというより,ジャーナリストとしての取材姿勢に信用を与えたからだろう.30年以上前の録音テープは保存状態がよく,全部で49本あった.これを繰り返し再生するなかで,原因不明の高熱を出しながら著者は本書をまとめあげたという.徐々に,朴訥に半生を語り出す永山の肉声.その全容から浮かび上がってきたのは,この事件を一般に解釈されてきた「無知と貧困による犯罪」「高度化する資本主義の矛盾」とは異質の,「家族を拠りどころとする〈人間〉の理解」を軽視した"社会の失敗"ということだった.
    ‘永山は,獄中に入ってから必死に勉強した.あらゆる書物を読破し,マルクス主義を学び,本を出版するまでになった.無知だったかつての自分を否定し,学問を知るひとりの人間として社会に発言することに生き甲斐を見出すようになっていた.その猛勉強ぶりも,石川医師が鑑定書で指摘したような劣等感の裏返しだったのかもしれないが,『精神病に近い精神状態』という,石川医師がぎりぎりまで配慮して表現した診断結果は,彼がようやく手に入れた自尊心をも酷く傷つけることになった’
     石川鑑定で分析される永山の生い立ちと「精神未成熟度」は,鑑定主文第二項「20歳未満の無知で成熟していない判断力等の諸要因が複雑に交錯し増強し合った結果」また,第四項「全体として人格は成熟と統合の途上にある」という点に収斂される.責任能力の有無という法医学視点よりも,これを放置した社会の「失敗」を認める形で,一審判決は4人の命を奪った19歳の少年を情状酌量して無期懲役としたのであるが,最高裁判決では死刑が確定した.その際,石川鑑定への言及は一切なかった.石川の絶望は,裁判所の決定だけではなく,むしろ永山本人が鑑定書に対して絶対的な拒絶を示したことだった.永山にしてみれば,近親者の精神病歴まで調べ上げ,自分もその系譜にあることを赤裸々に公表する鑑定書に,怒りと驚愕を覚えたのは当然のことだったかもしれない.しかし,30代の医師には,それを受け止める度量がなかったのだ.

     鑑定に膨大な時間とエネルギーを費やした努力も,まったく評価されなかったことを痛感した石川は,イギリスで最新の精神医学を学んだ自負を考え直さざるを得なかった.彼の結論は,精神医学者として将来を嘱望された大学を去り,在野の医師として生きる,ということだった.永山事件以後も,少年犯罪の精神鑑定の依頼が数多くあったというが,すべてを石川は断っている.「人間は保護者によって愛情を注がれ,依存欲求を満たされ,安定感が得られなければ,愛情と良心を健全に育てることができず,逆に不信感と攻撃性が高まる」とコンラート・ローレンツ(Konrad Zacharias Lorenz)らは述べている.それを体現する存在が生み出されることの理解は,いまだ十分ではなく,事件の結果としての恐怖ばかりが周知される風潮は根強い.石川鑑定は,少年犯罪の当事者の鑑定として,異例ともいえる長期間とインタビュー時間を費やしていたことが,本書の取材過程で明らかにされた.石川鑑定の手法には長短があるだろう.2009年の裁判員制度施行後は,特に鑑定期間の短縮化が図られている.

    無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection)
    永山 則夫
    河出書房新社

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    原題: 永山則夫―封印された鑑定記録
    著者: 堀川惠子

    ISBN: 9784000241694
  • 『永山則夫―封印された鑑定記録』堀川惠子
    --岩波書店,2013.2, , 349p, 20cm
    (C) 2013 堀川惠子







  • [提供:中央公論新社]
     左遷という言葉は「低い役職・地位に落とすこと」の意味で広く用いられる.当人にとって不本意で,理不尽と思える人事も,組織の論理からすれば筋が通っている場合は少なくない.人は誰しも自分を高めに評価し,客観視は難しいという側面もある.本書では左遷のメカニズムを,長期安定雇用,年次別一括管理,年功的な人事評価といった日本独自の雇用慣行から分析.組織で働く個人がどう対処すべきかも具体的に提言する――.

     今年度も終わりに近づき,人事の内示が通達される時期がきた.人事異動命令が不当な権利濫用であり,労働者に著しい不利益をもたらすものと認められないかぎり,企業組織は労働者の同意なしに転勤や配置転換を命じることができる.東亜ペイント事件(最判昭和61年7月14日)で争われたように,人事異動に応じない社員には,懲戒解雇を言い渡すことができる.そこにいかなる喜怒哀楽が伴おうと,忖度の余地はない.コンプライアンス的にも社会的にも,人事異動命令権は強く肯定される.
    ‘正社員としての入社は会社共同体の一員になったことにほかならず,どの部署に配属されるか,どんな仕事に就くかは辞令1本で決められる.そして同期入社同士で競争しながら役職の階段を上っていく.しかし年齢を重ねるにしたがって,枢要なポストの数は相対的に減り,さらに組織自体に暗黙の格付けもあるので,誰かが格下の役職に就かなければならなくなる.会社は共同体だから心ならずも格下の役職に異動させられた社員は仲間の視線が気になり,それが左遷された意識をいっそう募らせる’
     組織人の宿命である人事は,全社員の最大の関心事といって過言ではない.大手生命保険会社で人事や労務関係,経営企画部門に「配置転換」されてきた著者は,本人曰く,45歳の時に部下の不祥事で降格となり,子会社に出向した.いわゆる左遷である.この言葉は,中国の戦国時代に右側を尊んで上位とし,左側を下位としたところに由来している.菅原道真の太宰府左遷,陸軍医として出世街道を歩んでいた森鴎外の小倉左遷など,左遷は組織内の弱肉強食的な生存競争に敗れた負のイメージが強い.もっとも,人事部内では左遷という概念は存在しないことになっている.

     適材適所――その決定には有無をいわせぬ響きがあるのは当然である.著者の生真面目さをうかがわせる文章は丁寧で,無難な筆運びである.「人は自分のことを3割高く評価している」という指摘も,豊富な企業労務経験と冷静な判断力があり,そこに自戒を篭めていることもわかる.一方で,終身雇用(長期安定雇用),年功制賃金を前提とした旧来の企業体質を,現在でも左遷の説明要因としたがることには無理がある.性善説のように,日本の企業も善哉(よきかな)という不変の結論を依然として抱きつづけている印象を受ける.

    左遷の哲学―「嵐の中でも時間はたつ」
    伊藤 肇
    産能大出版部

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    原題: 左遷論―組織の論理,個人の心理
    著者: 楠木新

    ISBN: 9784121023643
  • 『左遷論』楠木新
    --中央公論新社,2016.2, , 229p, 18cm
    (C) 2016 楠木新







  • [提供:岩波書店]
     自らの拘禁経験と博愛主義の精神から,延べ六回にわたりヨーロッパ十一カ国の監獄を歴訪したジョン・ハワード(1726‐90)は,徹底した調査と観察にもとづいて,監獄の現状を記し監獄改革を提言する報告書をまとめた.本書は,その一部を訳出したものであるが,伝聞を排し,直接見たことだけを記述した社会史の一級史料である――.


     18世紀末から19世紀前半にかけて,イギリスではジェレミ・ベンサム(Jeremy Bentham)を代表とする功利主義者,あるいは福音主義者らが奴隷貿易の廃止,衛生改革を含む政治改革を推進した.社会改良改革には,当然ながら監獄改革運動も含まれていた.監獄規律の改善については,チャールズ・ディケンズ(Charles John Huffam Dickens)が強い関心を寄せていた.1830年代には,ディケンズは頻繁に監獄を訪問し,コールドバス・フィールズ監獄所長から監獄の実態のレクチャーを幾度か受けている.ベッドフォードシャー州長官ジョン・ハワード(John Howard)は,ベンサムやディケンズに先駆けて,監獄改革に努めた人物である.メソジスト派に傾き,七年戦争勃発のためにフランスの捕虜となった経験から,1773年以降にヨーロッパ各地の監獄を精力的に視察した.

     囚人の置かれた劣悪すぎる環境,獄卒の堕落と不道徳を非難する報告書をまとめあげ,本書はその一部の訳出である.いわゆる書斎派のアプローチではなく,徹底的な調査と観察にもとづく記録により,ハワードは監獄の衛生面と債務囚の処遇について改革の重点を置いている.監獄だけでなく懲治院も見聞すると,日が射さず,窓もない地下室に代表されるような風通しが悪い空間では「監獄熱」が猛威をふるっていた.そこから天然痘や伝染病が蔓延して,多数の犠牲者が出ていることを報告している.どこの地域でも,獄卒や裁判所書記官へ賄賂を渡せない者――陪審が無罪の評決をした人,大陪審が起訴に値するほどの罪を認めなかった者,あるいは訴追した者など――は,すでに何ヵ月間も拘束されているにもかかわらず,賄賂を渡せないばかりに収容期間が長引いており,罪人ばかりか債務囚までも大量に苦しめられていた.

     汚職を拭い去るために,ハワードは看守に俸給をとらせることを州治安判事たちに上申すると,判事たちは「他の州で前例があれば前向きに検討する」と答えた.各地を調べた結果,どこの州でも判事たちは同じ返答を彼に伝えるばかりだったが,1774年3月にハワードは議会で証言し,庶民院から感謝をおくられている.同じ1774年,かのバスティーユ監獄について,その実態を記した元囚人の冊子が出版された.フランス政府はすぐに出版禁止の措置をとったが,ハワードはこれを入手し,「第4章 諸外国の監獄事情」(フランス)で紹介している.この監獄は,城塞ともいうべき堅牢を誇り,跳ね橋を渡って大きな門をいくつか通過しなければ,頑強な柵に守られた庭に位置する6つの石造りの塔に辿りつくことはできなかった.その石材は,厚さ10フィートもある「フリー・ストーン」であって,庭の突き当りに大営舎がある,という詳細な描写で説明されている.

     どこの国でも,監獄の実態を外部の者に知られることを嫌う.先々の地で有力者の理解を得て,視察を敢行したとはいえ,ハワードはどこの土地でも「歓迎されざる改革者」だった.各地の通行を拒否されたり,旅行仲間の密告であやうく逮捕されかけたことすらあったという.彼が視察旅行をした距離は,本人のメモ記録では4万2,000マイルに及んでいる.その行動力と本書の刊行がなければ,1835年監獄法の成立で恣意的・放任的な規律,不潔と腐敗の横行していた監獄事情に対する監獄規律論は,実態とはかけ離れたものになってしまったであろう.後年ベンサムの唱えた「パノプティコン」「望ましい監獄制度を支える原則――公開性・虐待防止・監察制度――」への影響も,無視できないことは明らかなのである.もともと病弱であったハワードは,視察旅行先で避病院患者の熱病に感染し,クリミアのヘルソンで死んだ.1866年,人道主義を是とするハワード協会が設立され,イギリス獄制改革に貢献した.

    監獄と工場―刑務所制度の起源
    マッシモ・パヴァリーニ,ダリオ・メロッシ
    彩流社

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    Title: THE STATE OF THE PRISONS. 3rd ed.
    Author: John Howard

    ISBN: 4003346513
  • 『十八世紀ヨーロッパ監獄事情』ジョン・ハワード ; 川北稔, 森本真美 訳
    --岩波書店,1994.10, , 306p, 15cm
    (C) lapse







  • [提供:時事通信社]
     改憲か護憲かで揺れていた1955年.若き憲法学者が,子どもたちに向けて一冊の本を残していた.人間の歴史の中で,憲法は何のために,どのようにして作られてきたのか.そして,なぜ大切にしなければならないのか.憲法の本質を,やさしく語り掛けるように解説.憲法制定に関わった著者が贈る子どもたちへのメッセージ.60年ぶりの名著復刻――.

     東大法学部講師を経て幣原内閣の憲法問題調査委員会(松本委員会)に助手として参加,後に内閣法制局参事官の立場で,憲法制定に関与した佐藤功は,成蹊大・上智大・東海大教授を歴任した.本書の初版は,自主憲法の制定を掲げる自由民主党(幹事長は岸信介)が結成された1955年.翌年には,9条改正を視野に入れた憲法調査会が設置されている.つまり,権力者の恣意的支配に対抗する「立憲主義精神」に貫かれた本書は,冷戦当時,民主主義の制限をやむなしとする改憲派との緊張関係を背景に書かれている.

     戦後,内容的に明治憲法と変わりのなかった憲法改正要綱(松本案)を,GHQは拒否した.皇居を臨む日比谷の第一生命ビルを接収した場所に置かれた民政局には,弁護士,法務博士などニューディーラーが多く詰めていた.そのニューディーラーに浸透していたフランクフルト学派――マルクス主義の影響も強い現代社会の「総体的解明」路線――に無知なベアテ・シロタ・ゴードン(Beate Sirota Gordon)を人権小委員会に参画させ,GHQ草案が起草される.それを仕方なく受諾した帝国議会の「帝国憲法改正草案要綱」にもとづき,日本国憲法が1947年5月3日に施行されたのである.

     こうした経緯から,この国の憲法は「アメリカに押しつけられた憲法」と称されることがある.しかし,「国民が憲法の最後の番人にならなければいけない」という佐藤の主張は鮮やかで,政治権力を法(憲法)によって規制しようという立憲主義の原理原則は,憲法の原案を誰が作成したかにかかわらず,次の3つを明記しているのであれば,その意義を墨守しなければならないことになる.

     「民主主義と,基本的人権と,そうして平和,この三つはどうしても変えてはならない」.現憲法に定める幸福追求権,人身の自由,生存権,労働基本権などの人権規定は,世界人権宣言や国際人権規約に先んじており,そのことをもって,立憲民主主義の価値を堅持する基礎とするべきだろう.本書の読者層は中学生を強く意識しており,「憲法が君たちを守る.君たちが憲法を守る」と最初と最後に分かりやすく,しかし普遍性を力強く語りかける格調は高い.

    憲法という希望 (講談社現代新書)
    木村 草太,国谷 裕子
    講談社

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    原題: 憲法と君たち
    著者: 佐藤功

    ISBN: 9784788714915
  • 『憲法と君たち』佐藤功
    --時事通信社,2016.10, 復刻新装版, 197p, 20cm
    (C) 1955 佐藤功







  • [提供:作品社]
     いかにして世界は,再編されているのか?21世紀世界を支配するに至った新自由主義30年の政治経済的過程とその構造的メカニズムを世界的権威が初めて明らかにする.渡辺治《日本における新自由主義の展開》収載――.

     新自由主義(ネオリベラリズム)と呼ばれる経済思想の教義――起源・原因・含意――を論じる本書は,市民の自由や権利の保護より資本の自由な活動を優位に置く教義が,国家機構に浸食している度合いと影響を分析する.1973年の「もう一つの9.11」といわれるチリのアジェンデ政権クーデターと,新自由主義陣営の刺客"シカゴ・ボーイズ"による実験.アパルトヘイト後の南アフリカを蹂躙した思想の実践.1979年のサッチャー政権と米連邦準備制度理事会議長の就任,レーガン政権に先立つ鄧小平の「改革・開放」.
    ‘新自由主義とは何よりも,強力な私的所有権,自由市場,自由貿易を特徴とする制度的枠組みの範囲内で個々人の企業活動の自由とその能力とが無制約に発揮されることによって人類の富と福利が最も増大する,と主張する政治経済的実践の理論である’
     これらを代表的メルクマールとしても,この支配的な言説様式は「世界を解釈し生活し理解する常識(コモンセンス)に一体化」するほどにあらゆる世界へ浸透し,破壊的プロセスを伴って増殖を続けている.著者は,きわめて強力な発展力学で推し進められてきた新自由主義の「時間」「場所」の両面から,その帝国主義的ジェスチャーを批判する.絶対王政や重商主義を退け,政府の役割を縮小し自律的な社会の運動法則を論じた古典的自由主義の考えを焼き直し,20世紀の新自由主義者らは同盟関係を結び,多数派勢力を率いて資本主義に新自由主義思想を刻印した. 
    ‘新自由主義化は,グローバルな資本蓄積を再活性化する上であまり有効ではなかったが,経済エリートの権力を回復させたり,場合によっては(ロシアや中国)新たに創出したりする上では,目を見張るような成功を収めた.新自由主義的議論に見られる理論的ユートピアニズムは主として,この目標を達成するために必要なあらゆることを正当化し権威づける一大体系として機能してきたというのが私の結論である’
     それは,「次世代の政治的リーダーたちが取り除きたくても取り除けない遺産」となったことであり,新自由主義が世界的にもたらした現実を「略奪による蓄積」「剥き出しの階級権力の各国および国際的な回復と再構築」と本書は指摘するのである.自立,自由,選択,権利という聞こえのいい言葉で善意の仮面をかぶり,支配階級の権力回復という閉ざされた民主主義を巧みに偽装していることの考察はスリリングではある.ただし,その価値体系の逆照射となる,崇高な自由の展望としての民衆運動の復活は,希望的言及の域にとどまっている.

    資本主義の終焉――資本の17 の矛盾とグローバル経済の未来
    デヴィッド・ハーヴェイ
    作品社

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    Title: A BRIEF HISTORY OF NEOLIBERALISM
    Author: David Harvey

    ISBN: 9784861821066
  • 『新自由主義―その歴史的展開と現在』デヴィッド・ハーヴェイ ; 渡辺治 監訳 ; 森田成也, 木下ちがや, 大屋定晴, 中村好孝 訳
    --作品社,2007.3, , 395p, 20cm
    (C) 2005 David Harvey







  • [提供:講談社]
     人事がおかしくなるとき,会社もおかしくなる.巨艦・パナソニックの凋落の原因も,実は人事抗争にあった.会社の命運を握るトップ人事は,なぜねじ曲げられたのか.誰がどう間違えたのか.元役員たちの実名証言によって,名門・松下電器の裏面史がいま明らかになる!上司の出世争いに辟易するサラリーマンの共感を得たベストセラー――.

     松下電器(現パナソニック)の役員/OB会「客員会」.著者の取材当時,この老害互助会では企業年金と別途,毎月手当としてヒラ取締役で20万円,常務で30万円,専務で40万円,副社長で80万円ほどが支給されていた.副社長以上は終身支給である.このような手厚い福利厚生は珍しいことではないが,創業70年を超えた1990年代以降,凋落の一途をたどったパナソニックを翻弄してきたのは,信じがたい無能者たちの人事抗争にあることを論じる本.論証はさほど緻密でないが,現役時代の憤懣を聞いてもらいたくてうずうずしていたOBの自尊心を巧くくすぐり,興味深い証言を次々に引き出している.
    ‘『そういうことだったのか・・・』.彼らは,幾度となくつぶやいた.松下電器とパナソニックの役員OBや経営幹部たちを訪ね歩き,それまでの取材成果をもとにトップ人事について議論していた時のことだ.経営凋落の原因が,トップ人事にあることはわかっていた.しかし,取締役会のメンバーといえど,入り組んだ背後事情や,複雑な人間関係が生み出した情動の力学がどのように作用したかなどを,細大漏らさず把握できていた人は,驚くほど少なかった.多くは,その時々,知り得た事柄を繋ぎ合わせ,それぞれ独自の解釈のもと自分なりの理解を引き出していたのである’
     日本を代表する名門企業の経営幹部に,果たしてそこまで厚顔無恥な人間がいるのか. ドイツ,ポーランド,ハンガリー,トルコなどに広く知られた諺で「魚は頭から腐る」とある.取締役会では,議題よりも出された1万円弁当のメロンの味の薄さ,小ささが熱心に議論される.経営戦略よりも社内政治に長けた人間だけが出世し,N社長は「人間として劣化した経営者」.M社長は学生時代の球技には明るいが,経営上のことは「聞いてない」「わからん」=「聞いてないからわからん」だけで乗り切ったとOBから冷笑されている.ハンドル付きのノートPC,台所シンクの三角ダストボックスのような形状のエアコンなど,糞の役にも立たない製品が開発され,欠陥製品のリコールも目立って増えた.

     リスク管理や中長期的な戦略がなく,過去の遺産と評判をじりじりと食い潰すことでしのいでいる斜陽が払拭されていない.カリスマ創業者が世を去った後,巨大な組織は繁栄を続けるかに見えるが,裏を返せば爛熟期であり,弛緩した制度の刷新,財政改革などを成功させる立役者がいなければ安定しない.とはいえ,パナソニックは,東証の株価指数で時価総額の特に大きい日本のリーディングカンパニーTOPIX Core30の銘柄のひとつ.2018年に創業100周年を迎え,相談役制度を廃止し,社長経験者が就いてきた特別顧問を無報酬,80歳上限を設けるなど風通しはよくなりつつある.中興の祖が育ってきているのか.

    松下幸之助は私たちの中に生きている パナソニック100年 あなたの街のでんきや物語
    街を元気にプロジェクト
    PHP研究所

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    原題: ドキュメント パナソニック人事抗争史
    著者: 岩瀬達哉

    ISBN: 9784062816694
  • 『ドキュメント パナソニック人事抗争史』岩瀬達哉
    --講談社,2016.4, , 269p, 15cm
    (C) 2016 岩瀬達哉







  • [提供:中央公論新社]
     一九六〇〜七〇年代に蜷川虎三,美濃部亮吉,黒田了一,飛鳥田一雄など個性的な首長を擁し,脚光を浴びた地方の革新自治体.だが,現在では,「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ.本書は,革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し,その功罪も描く.国政とも深く関係して躍進し,そして消えていった地方の"左翼政権"は何を残したのか.現在の国政や地方自治を再考する試み――.

     1960年代後半から70年代,都市の過密化,住宅問題,交通問題,公害問題への警戒と不満が大都市・近郊都市に増加した.自民党と中央政府直結の支援ではなく,革新政党――日本社会党あるいは日本共産党――の支援を受けた首長が選出される自治体が急増し,国政にも影響を与えた.代表的な例でいえば,蜷川虎三知事(京都府),美濃部亮吉知事(東京都),飛鳥田一雄市長(横浜市)などである.いまや「革新自治体」という用語自体,ほとんど死語に近い.第3期美濃部都政の末期,固定資産税の引き上げに失敗し,財政難に苦しむ知事本人が自治省と労働組合の両方に頭を下げて回る姿が繰り返し報道され,「バラマキ福祉」「無計画な人件費」という壮大な無駄で財政赤字を垂れ流すイメージが固定化した.しかし,京都府も横浜市も,蜷川や飛鳥田の退任時には財政黒字だったことは忘れられている.

     なぜ,1979年の統一地方選挙では,革新自治体から「保守・中道」自治体へという,いわゆる逆転現象が生じたのか.本書は,革新自治体の登場の背景から,地方"左翼政権"の功罪と痕跡を論考する.革新自治体の挫折を検討する仮説モデルは,宮本憲一や進藤兵の研究が一定の到達を示してきたが,保守と革新のイデオロギー分析,革新政党内部の対立を扱うものが多く,実証研究は十分とはいえない.本書では,中道政党――特に公明党――との連携不足が,革新自治体の時代的終焉の鍵であったと見ている.1974年に松本清張氏の仲介で「創共協定」が結ばれ,公明党と共産党をつなぐ試みが行われたが,協定は決定的な意味をもたなかったということになる.

     美濃部都政の財政再建の失敗から,革新陣営は1979年の都知事選で総評議長の太田薫を推す.太田の支持はほぼ社共支持層にとどまったのに対し,自民党と民社党,公明党が推した鈴木俊一が太田を破った.大阪府知事選では,共産党アレルギーをもつ社会党組織が「公害対策は企業の生産性を圧迫する.メダカやホタルが府税を負担してくれるわけではない」「私のバックボーンは皇国史観」などと発言した元自治官僚の岸昌を支持,社会党は求心力を失っていった.自民党や公明党に比べ,党員の少ない社会党は,労組票と浮動票に依存していたから,都市部の新住民を支持基盤として取り込むことがそもそも困難だった.

     革新政党地方組織と革新首長の対話が噛合わず,革新政党は中道・反共政党との選挙協力の妥協案を模索するようになり,保守対革新という単純な政治構造が崩れ去った.福祉拡充,公害規制,教育条件の整備,シビルミニマムの提唱など,今日の政策提言に近似する問題提起を行った意味で,高度経済成長期に革新自治体が出現した歴史の意義は無視できない.その一方で,統治権を行使する政体としてみた場合,日本における福祉国家的地方政府,また地方分権改革の先駆の重荷を果たすほどの強靭さを持ち得なかったように思われるのである.

    自治体発の政策革新―景観条例から景観法へ
    伊藤 修一郎
    木鐸社

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    原題: 革新自治体
    著者: 岡田一郎

    ISBN: 9784121023858
  • 『革新自治体―熱狂と挫折に何を学ぶか』岡田一郎
    --中央公論新社,2016.7, , 211p, 18cm
    (C) 2016 岡田一郎







  • [提供:みすず書房]
     「わたしの政治への関心は,ぜんぶ託児所からはじまった.」英国の地べたを肌感覚で知り,貧困問題や欧州の政治情勢へのユニークな鑑識眼をもつ書き手として注目を集めた著者が,保育の現場から格差と分断の情景をミクロスコピックに描き出す――.

     2013年にナショナル・チルドレンズ・ビューローが公表した調査リポート"Born to Fail?"以降,イギリスの教育界とメディアに頻出するようになった単語「ソーシャル・アパルトヘイト」.調査リポートでは,貧困に陥った子どもが1969年から160万人増加したことに警鐘を鳴らしている.外交政策で失脚した労働党ブレア政権で,高く評価された「教育,教育,教育」政策による「子どもの貧困削減」は,2010年の保守党政権では大きくシフトされ,タブロイド紙は公的扶助を受給したほうが最低保障賃金で働くより収入が高いことや,子沢山のシングルマザーが公的扶助と育児補助金を海外旅行や整形手術に費やしていることを報道した.

     さらに福祉受給者全体をバッシングすることで,保守党は支持率を維持し続けた.ユーモアのある毒舌な著者が,ロンドンの南,海峡に面したイギリス有数のリゾート地ブライトンで保育士として勤め始めるのは2008年.勤務先は,「平均収入,失業率,疾病率が全国最悪水準1パーセントに該当する地区」の無料託児施設である.子どもをこの施設に預けていた保護者は,ミドルクラスから下層に降りてきたヒッピー系インテリゲンチャたち(「アナキスト」),10代の妊娠やドラッグ常習者,親子三代で公的扶助受給者など(「チャヴ」),イギリスに渡って日が浅く,英語力も低い外国人(「移民層」)に分類される.

     「最下層の子どもたちに未来を与える」ための託児所は,緊縮財政下で運営は週3日の午前中のみとなり,子どもの数も激減した.この施設を,著者は「緊縮託児所」と名付けた.2015年3月からの1年半で,緊縮託児所は補助金カットでアナキストとチャヴの利用者が姿を消し,移民層だけが残った.さらに託児所は,運営が困難となり,最後にはフードバンクに鞍替えして閉鎖となってしまった.「政治は議論するものでも,思考するものでもない.それは生きることであり,暮らすことだ」.ラディカルな変更と閉鎖を遂げた託児所の移り変わりと,そこに居場所を求めていた人々の心が荒み,移民層がチャヴを排除する事態が進行している.そこには,移民がイギリス内で迫害され排除される一般的イメージとは逆に,最貧層のイギリス人が移民から居場所を奪われている事実が描き出されている.

     ソーシャル・アパルトヘイトは,最底辺の人々,それも幼い子を養育する世代が人種と階級の両面から分断され,「ユナイテッドなはずのキングダム」でミドルクラスと貧困層で階級戦争が勃発していることで,ますます強まることは不可避.そして,対立する社会階層のどの位置に生まれ,何を与えられて育つかで人生の機会が左右される子どもたち.子どもと触れ合い成長発達を支援する日々の保育の現場では,忘れられがちなのだろうが,本書は,マルクス主義史観による「今日までのすべての社会の歴史は階級闘争の歴史である」(『共産党宣言』1848年)の忠実な論証である.敵対階級の誤りを暴露し,自己の立場の正しさを主張するイデオロギー闘争を論旨としているのだ.

    THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本
    ブレイディ みかこ
    太田出版

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    原題: 子どもたちの階級闘争
    著者: ブレイディみかこ

    ISBN: 9784622086031
  • 『子どもたちの階級闘争―ブロークン・ブリテンの無料託児所から』ブレイディみかこ
    --みすず書房,2017.4, , 285p, 20cm
    (C) 2017 ブレイディみかこ




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