妙義山は古くから信仰の山です。
妙義神社の創建は
宣化天皇2年(537)に開かれたのが始まりと伝えられている古社で、
当初は波己曽大神として平安時代に編纂された歴史書
"日本三代実録"にもその名が記されています。
元禄年間に記された「妙義大権現由来書」によると
1006年(寛弘3年)にこの山に悪魔降伏のために妙義権現と名づけ、
千手観音を奉り「あ」字を写して火難除けと国土安楽を願ったとあります。
古代からの山岳信仰と、山岳修行の修験道と仏教が習合した
神仏習合の寺院と神社であったようです。
↑鳥居の向こうに妙義山が見えます。
山こそが御神体であることの証明のようです。
傍らには山の湧き水が美しい小川となって流れています。
↑総門です。
1773年建立の、国指定の重要文化財です。
金剛力士像が祀られ、まさに仏教の仁王門です。
神仏混交の神社でこれほど仏教の形が残っているのは珍しいです。
仁王門の傍らに、
綺麗な「狐の剃刀」(キツネノカミソリ)が咲いていました。
この花は、彼岸花の仲間です。
彼岸花(またはマンジュシャゲ)はお彼岸に、
狐の剃刀はお盆近くに咲くなんて面白いですね。
けれど土砂崩れがあって現在修復中で入れません。
国の重要文化財の黒漆塗り金箔張りの荘厳な本殿なのですが、
残念ながら修復が終わるまで見ることが出来ません。
上毛の日光とも言われるほど素晴らしいものだそうですが残念です。
また来いということでしょうか…。
↑こちらが仮本殿の「波己曽社」(はこそしゃ)です。
この建物は1656年(明暦2年)の建立で、県指定重文です。本殿より古い建物です。
もともとはこちらが本殿だったようです。
まわりの彫刻も素晴らしいものでした。
↑こちらは現在社務所と宝物殿になっていますが、
旧「宮様御殿」です。
宮様がこちらにお参りされた時にお泊りになられるために
造営されたそうです。
↑群馬県指定の天然記念物の「ウラジロカシ」です。
↑旧宮様御殿の玄関です。
さすがに立派なつくりになっています。
一般人はここから入ることは出来ません。
↑天狗のお面が飾られています。
密教、修験道などとのかかわりの深さがうかがわれます。
↑宮様御殿のお座敷から外を観ると、
綺麗な庭の向こうに下界が見渡せます。
この旧宮様御殿は宝物館となっていて
貴重な仏像(円空の作品も有ります)や、仏画などが展示されていて
一見の価値ありです。
本殿の修復が終わったら必ずまた来たいと思いました。