半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

NHKスペシャル TPPは日本に何をもたらすのか

2015年12月06日 | 自分の時間
撮りためたビデオを見ている中で、ちょうど10月に「大筋合意」をしたことを受け、甘利経済再生担当大臣と3人のパネラーで意見を交し合ったNHKスペシャルがありました。

内容はタイトルほどのことはなく、いつもの通りというか、「政府側」と「対する立場」の人達の意見が交わされたというものでした。

ただ、TPPとかに詳しい人にとっては中身が無い内容だったと思いますが、政治に疎い私にとっては「あっ、なるほどね」と勉強になる内容でした。


まず、TPPというのは、「グローバリゼーションの行き着くところ、つまり、経済活動の未来は国境が関係なくなる」という理想の1つの過程であるということですね。

GATTやWTOというものがありますし、EUやASEANや各国間のFTAというのものがありますが、試行錯誤をしながらも「理想」に向かって、利害関係のある国同士が、腹黒いものを持ちながら、いかに自国に有利な貿易圏を作るかを、頑張っているわけです。

また、そういった活動の中で、「中国VSアメリカの戦いの1つ」という位置づけがあるわけですね。

AIIPというのがあるそうで、中国、韓国、ロシアやEUの主要国(ドイツ、フランスなど)など50カ国以上が参加しているのですが、これは中国が主導して「貿易ルール」を作って、アメリカに対抗していこうとしているわけです。

世界の貿易相手として中国はどこも外すことが出来ません。
だから、中国の主導したAIIPにも入るわけです。

そして、これは中国の思惑です。

中国は「世界をアメリカと我が国の2大国でコントロールしていこう」とアメリカにメッセージを送り続けています。
しかし、アメリカはちゃんちゃらおかしく「2大大国の1つとして中国がある」なんていうことは、絶対に認めません。
さらに、最近は南沙諸島の埋め立て問題などあまりの無法者の振る舞いに、警告をしていましたが、その警告を無視する中国に対して、実力行使に出ています。
まあ、戦争にはなりませんが。

そんな流れで進めてきたのが、中国に対抗する経済圏を作る「TPP」なわけです。

榊原さんが言っていましたが、なるほど、TPPは中国に対するブロック経済圏なわけですね。

AIIPは中国主導の経済圏、TPPは日米中心の経済圏なわけえす。


「中国が世界の経済ルールを決めるわけではない、我々が決めるんだ」というストレートなオバマのビデオも流れていて「へ~、中国を名指しするぐらい、ここまでストレートに言うんだ」と驚きました。


そういったことを知り、勉強になりました。


それはそうと、番組を見ての感想ですが、甘利経済再生大臣と他の反対派の議論は、正に安保法案と全く同じで「立場が違う」から話がかみあわない。

安保関連法案では、政府側は「国際情勢が日本だけ自分のことだけ考えていればいいという状態ではなくなっている」、野党は「10を超える法案を1つ1つ議論せず、全てまとめて安保関連法案として1つの法案にし、通そうとしているのが無理がある」というところで、話が折り合いませんでした。

TPPも、甘利さんは「日本は既に開放していて、むしろこれから攻めることが出来る。12カ国で自由に共通したルールで経済貿易が出来る」という主張。

一方、反対派は「一番の貿易相手である中国に対するブロック経済圏を作ることになる。アメリカとの関係は安保の問題で、経済圏で言えば中国を敵に回してよいのか?また、既に海外の関税比率は低く、あまり効果が無い分、デメリットが多い」という主張。


また、私は自称「農村コーディネーター」ですので、なるほどな~と思った東大大学院教授の農業に冠するお話でした。

・例えばアメリカは、お米の生産価格12,000円に対し、販売価格4,000円との差額は補填している。それに対し、日本の米は競争力が無い。
だから、「米、肉、乳製品など、この5商品は必ず守る」、と国会で決議した項目を、結局、撤廃している。このことについて、なんら説明が無い、これでいいのか?

・ウルグアイランドガットのように、金をばらまいて終わりで、何もならなかった。今回もセーフティーネットを作るといっているが、それでは意味が無い。「強い農業を作る」といったって、いったいどうやって作るのか?

・過去「農家」に対して、未来に繋がるシステムを作ってはいない。「農業」といっても、「農家」が産業化することはそうはなかった。

・農業は単なる産業の話ではない。環境、食料安保、自給率なども含め、単なるGDPで測るだけのものではない。

このお話、全く同感でした。


「農業」と「農家」を履き違えているんです。


以前も何か書いたことがありますが、世界の「農業」は、スケールが違うんです。
北海道なんて世界からみたら規模でいえば、子どものレベル。


「規模の効率化」なんていうものは、日本ではそもそも出来ない。比較にならない。

さらに、「補助金」の金額が比較にならない。

例えば、アメリカで100万ドルの売上げがある米農家がいれば、補助金は6割以上なわけです。

それに引き換え、日本の農業の補助金なんて無いに等しいもの。

メディアは補助金が農業をダメにした、なんていうけど、全くの嘘。

補助金というのは、大体が「農業土木」とか「土地管理事務所」とか「水管理なんとか」といったところに行きはしますが、1件1件の農家の収入の半分が補助金、なんていうのは聞いたことがありませんよね?

せいぜい、機械などの投資の1/3とか半額を補助する、といったぐらいです。


戦後、1960年代から「規模の拡大による産業化」は、うたわれてきました。
そのほとんどが失敗です。

何故か?

日本のような狭い耕作地しかないところは、農業ではなく「農家」が守っているんです。

その「農家」が産業として上手くやっていくためには、若手や他から来る人材にお金をバンバン投資して、今までの「先祖代々の土地をまもるため」に農業をやっている方々ではなく、小規模でも中規模でもいいから、「商売人」を育てないと、ほとんど効果が無いんです。

結局、ブランド牛とか道の駅とか、一部のものが光り輝いていますが、あれは国の補助とか大規模化とか関係ないんですね。

個人の努力なんです。

規模の経営を大きく掲げても、「また言っているよ」というのが農家側の立場です。

そして「またどうせ途中で方針転換するんだろう」という政府に対する不信があります。


そんな中で、TPPとか言っていますが、「国富全体から見れば、TPPはすべき」といった主張をする人もいるでしょう。

でも、結局、そもそもTPPがあろうがなかろうが、日本として「食料自給率はどうするの?」といったことを、経済産業省と農水省では違っていて、経済産業省の勝利みたいな形でTPPを推進してしまっていますが、本当のところ、どうするのか決めてよ、ということだと思います。

食料安全保障をどうするの?

TPPがあろうがなかろうが、もうあと10年で国産の農産物は激減していくのをどうするの?


もっとその前のことで言えば、「マニフェスト」で約束したことを実行するかどうかが政治家だとしたら、下野していた時代の自民党が「TPP絶対阻止!民主党は農業を切り捨てるのか!」といったポスターを貼り、選挙をしていた自民党が、政権奪取したとたんに掌を返して「TPP推進」になってしまったのは、どうするの?

なんてことを思ったりしたわけです。

あ~、また長文になってしまった

以上で終わりにします。


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地球ドラマチック 「イースター島 モアイ像の謎に迫る」

2015年12月05日 | 自分の時間
録画していたテレビを見ていたら、「NHKの地球ドラマチック」という番組を奥様が予約していたみたいで、流れ出何となく見てみました。


私は世界一周をした時にイースター島に行ったことがあります

イースター島はモアイで有名な島ですから、誰もが一度は行ってみたいものですよね。

しかし、全てのモアイ像は倒されていたそうです。

私がイースター島に行ったのは10年ほど前ですが、日本の重機メーカーのコマツが尽力して倒されたモアイを立て直していたりして、ブルーシートがかかったモアイ像や「komatsu」の文字があって、「日本の支援の手がこんなところまできているのか」とびっくりしたのと同時に、「日本」「コマツ」という名前がイースター島で聞けたこともびっくりしました。

また、現地に住む人からイースター島の昔話を聞いて、それもびっくりしたのを思い出しました。

どういう話かというと・・・

「イースター島は、今は岩石と草しか生えない島だけど、昔はヤシの木などが茂る森林だらけの島でした。
 しかし、人口が増え続け、段々食糧不足に陥ってきました。
 その流れで森林は伐採され、島から木々が消えうせ、最後の方では島の中で部族の対立があり、耳長族と耳短族の対立があり、勝った方は負けた方の人肉も食べていたということでした。
 その戦いで負けた方のモアイが倒されていきました。そして最後には全てのモアイが倒されたのです」

というお話でした。

それは、単なる「モアイがある島」という観光地としてしか見ていなかった私には、衝撃的なお話でした。


ところが、今回のテレビでは違う説も最近出てきたということを知りました。

もともとあったのが「人口増大による食料不足から来る部族対立」という説でしたが、もう1つの対抗する説は「人口増大は無く、部族対立も無い平穏な島であったが、気候の大変動による森林の衰退があり、モアイは津波などで倒された」という説です。

どちらが正しいかわかっていないのですが、この2つの説があるということは、10年ほど前に私が話を聞いたイースター島の方は、1つめの説を信じていたわけです。

しかし、別の説が出てきたということで、「その島の歴史がこうだった」と思っていたのが、時代が経ると「実は違ったのかもしれない」、ということがあるもんだな~ということ。

で、なんでこんなことになったかというと、実はイースター島は「西欧諸国による奴隷狩り」の場だったそうです。
西欧諸国はイースター島を「イースターの日」に「発見」すると、奴隷商人がアフリカや日本の島原で行ったように、「奴隷狩りの格好の場所」として知識階級をことごとく奴隷として連れ去ったそうです。

奴隷承認は、知識階級、神官や部族の長、中には島の王様も連れ去ったそうです。

そのため、島の伝統を知る長老や神事を司る人達など、島の歴史を語る人達がいなくなってしまったそうなんです。

だからイースター島の歴史は、考古学者が調べている、ということなのです。

なんとも酷い話です。。。


また、モアイ像の中でも特別なモアイ像を、大英博物館に持ち去り、今だ返却されていないということも。

私は昔から「イギリスは、よくぞまあ、世界各国から持ち去った文化遺産を平気で博物館に展示してあるな」と批判の目を持っているのですが、イースター島の一番大切な「別格のモアイ像」も大英博物館にあるということでした。

こういった番組を見るにつけ「かつては、ほとんどの人間は、地域に根付き、先祖崇拝をし、自然の中で生きてきた。しかし、産業革命後の欧米列強諸国が世界を植民地化し、戦争の火種をばら撒いた」という人間の歴史事実に対して、どう人は生きていけばいいかと思いを馳せますし、これをどういった形で子供達へ伝えていくのか、ということを考えます。


いずれにしろ「モアイがある島」というだけのイースター島も、人が暮らしていた長さだけ、様々な歴史があったんだ、ということを知ることが出来ました。

なんてことを考えましたが、いずれにしろ、久々に地球の裏側にあるイースター島に思いを馳せることが出来た時間でした
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私が愛する日本人へ ドナルド・キーン 文豪との70年

2015年12月04日 | 自分の時間
撮りためたビデオをたくさん観まして、色々刺激を受けたので書きますね。

まず、1つめが10月に放映された「私が愛する日本人へ ドナルド・キーン 文豪との70年」。

これには感動しました。
これは永久保存版だと思いました。

そもそも、私が「生きるってどういうことだろう?」という漠然な不安や疑問を持ちながら若い頃を過ごしてきて、出会ったのが、農村にまだ残っていた「日本人の生活文化」でした。

そして、それこそが私の求めていたものだと確信し、そこに触れ、今は成田という地域に根付くよう生きているつもりです。

そんな私だからこそ、外国人であるのにも関わらず、あるいは外国人だからこそ「日本人とはいったい何なのだろう?」と興味を持ち、また日本人から「日本人に伝えるべきことって何なのでしょうか?」と聞かれたきたキーンさんが伝えるメッセージはびんびんに響きました。

主に日本文学を中心に、日本人はどういった感性を持って生きてきたのかを伝えてきたキーンさん。


すぐに散ってしまう桜を愛でる日本人。「ずっと残っていたら桜ではない」という日本人にとまどったキーンさん。

川端康成さんの文章が曖昧すぎると思って本人に聞くと「その余白にある余情が良いと思う」という答えられたキーンさん。

戦争中、死ぬとわかっていても突撃し全滅する、あるいは自決する兵士達を「美しい」と日記で書いた谷崎潤一郎さんのことを「あの先生までもがなぜ自ら死ぬことを美しいというのか?」と疑問に思ったキーンさん。

そして、東日本大震災後、「ほとんどの外国人は逃げました。しかし私は違う。私は日本を信じている」といって日本人に帰化したキーンさん。


そういったキーンさんの立場、目からみると、日本という国、日本人がどうであったかがありありと浮かんできます。
(もちろん、もはや、キーンさんの言う日本人らしい日本人というのは、今では90歳以上の方でしょうから、ほとんどいないのかもしれませんが。キーンさんも93歳。かつての日本人に会い、生きてきた方ですし)

また、日本の現状について本当にこれで良いのか?、ということを考えるときに、海外と比較すると、日本が特別なのか世界から見ても普通なのかが良くわかりますよね。

異文化と照らし合わせると、それが特異なのかどうなのかがわかることが多いと思うのです。

同じように、キーンさんの視点から見た日本のことを聞くと、「なるほど」と思うことが多々あります。


戦後70年特集をやり続けている唯一のテレビ局のNHKに、私は今年はとても好感を持っていますが、このキーンさんの特集は見事だと思いました。

そして、昔買って、結局読まなかった「雪国」を読み直そう、そして太宰治や谷崎潤一郎などの代表作ぐらい読まなくちゃ、という思いが湧いてきました

と同時に、キーンさんの本も読もうと


生涯をかけて日本のことを考えてきたキーンさん。

この番組の最後に、「日本人へのメッセージ」ということで、発せられた言葉が以下の言葉です。

日本人以上に日本のことを考えてきた存在だからこそ、心打たれました。

「日本人は自分達の伝統に興味が無いということは。ひとつの弱点だと思います。
いちばん良い事は過去のもののよさを勉強して、知るようになって、自分のものして、自分がそういうものから特別な愉しみを得ることです。
伝統は時々隠れている、見えなくなる、しかし流れているんです、続いているんです。
それは日本のいちばんの魅力です。」
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子どもとドライブ

2015年12月03日 | 素敵な家族・子供との時間
水曜日は毎週、みみずの会の「朝採れ野菜ボックス」というものを配達しています。

と同時に、子どもがお絵かき・工作教室にも通っていて、配達がほぼ無い週はお迎えにいったりしているのですが、今回は、雨もあり、子どもが風邪っぴきだったので、お迎えついでに一緒に配達ドライブに


子どもは、当然お腹がすくので、まずは1件目に行っている間に、近くのコンビニでおろし、「肉まん・ピザまん・ジュースを買ってね」とお使いをたのみ、1件目から戻ってきたら、一緒にドライブ

いや~、やっぱり寒い日のホカホカの肉まんやピザまんは美味しいですね~

超久々に食べましたが、コンビにのものでも、ほっかほかのふわっふわで、心が温まります

子どもも「うわっ、むっちゃ美味い心が暖かくなるね~」と超ご満悦。

私も1人で配達をしていると、ラジオが相手でまあ仕事気分なのですが、子どもが隣にいると、それはそれで楽しいドライブになるわけで、子どもはお腹が喜び、私も喜び、なんだか楽しいドライブになりました

子どもも「こういった配達なら、毎回いいよね」と言っていました

とても幸せな時間でした
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たくあん作り

2015年12月01日 | 農的体験・生活
土曜日の「食と命の教室」で、たくあん大根をたっくさんもらってきました

普通のたくあん大根は、普通の青首より細く長いのが特徴なのですが、高柳さんのところのたくあん大根は、今年は見事にビックになっていて、通常の倍ぐらいの太さ、長さも1,5倍ぐらいとまあ、凄いんです

それのお手入れということで、風呂場で大根洗い。


小さな子ならしゃがんで入れるぐらいの大きな漬物樽でもこんな感じの超ビックサイズです


普通、これは葉つきのまま洗って、葉っぱのところで結んで干すのですが、高柳家では面倒なので生のまま漬けているそうです。
なので、生のまま樽に入る大きさにカットして、そこに塩・糠を振って、重石をつけて作っちゃうとのこと。

ということで、今回は半分をその生方式にして、半分を干してみようと考えました。

まず、重さを測ったら全部で12㎏
すぐに食べるなら3%ぐらいですが、私は5%ぐらいの塩分で漬けます。
そこに糠と、たまたま干してあったみかんの皮があったので、香り付けで入れます。

これに重石をしたら、あとは水があがって来たらオーケーです


こちらはベランダにとりあえず置いてみた大根。
この太さじゃ干しあがらないか、、、


まっ、いずれにしろいつも青首でやっていたのですが、今年は初のたくあん大根ですので、どんな仕上がりになるか楽しみです
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