半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

福島の牛の問題

2011年07月21日 | 自分の時間
肉牛の放射能汚染が騒がれていますね。

千葉県も、一時期「牧草に規制値を超える放射能が測定されたので、牛にあげないで」というお達しが出ていました。

福島は、当然、そういった通達が出ていたのでしょう。

しかし、牛に飼料としてあげて、牛から値が出てしまった。

肉牛に限らず、恐らく、大手メーカーの「乳製品」や生物濃縮が進んでいる「魚介類」も、調べれば、流通しているものの一部には、規制値を超えるものがあるんじゃないかな~、と思います。

するとどうしても、福島県産のものは遠慮したい、、、という気持ちになります。正直な気持ちです。
野菜などもわざわざ西日本のものを取り寄せる人が増えており、大手も西日本のセットをPRしています。消費者ニーズにあった商売の仕方として上手だし、悪いことでは無いと思います。


そんなことを思っていましたが、成田近辺の有機農業の中心的存在の「おかげさま農場」の代表の高柳さんのコラムを見たら、生産者側の感情、意見、思いが書いてありました。

なるほど。。。

「ワラを与えないで」といった紙切れ1つの通達で、ただでさえ忙しい第一次産業のみなさんが全てを理解して行動する、なんていうことが、そもそもありえない。

昨日、TVで細川原子力災害担当大臣が「想定外でした」といっていましたね。。。でも、相手の立場にたってみたら、思うことはあるはずです。

ワラを与えないなら、じゃあ、何をエサとしてあげるの?
代わりにどこのワラや飼料を使えば良いの?明日にでも持ってきてくれるの?
その飼料代は保障してくれるの?

それだけじゃないですよね。。。

家畜の糞尿は、土壌や地下水汚染するどうにもならない日本の国家的問題です。
それを「有機農業推進」という看板を使って、少しでも地域で循環・処理できるようにしてきたわけです。
しかし、もう、どこも糞尿はひきとってくれないでしょう。

農家さんだって、有機農業で使っていた家畜の糞尿を使えず、ワラ、もみがら、糠などを使えないわけですよね?

おいておけば、県や国が廃棄してくれるの?
その代わりの堆肥作りなどに使う飼料はくれるの?

収入が途絶えたか、激減しているみなさんに、明快な解を出してあげてほしい。


本当は、各産業ごとに地域に根ざした現場がわかるリーダーに意見を聞き、対応策を一緒に考えるしかないと思うのですが、村・町の上には県があり、県の上には国がいる。。。どうにもならない。。。

生産者が浮かばれない状態が未だに続いているわけです。。。


別の話では、安全性を確かめて商売をしようと自ら牛の検査を進み出た方がいたそうです。
しかし、なんと「規制値超えが判明」してしまったがために、その地域の牛は出荷停止。。。
その方は、白い目を浴びながら家に閉じこもっているそうです。

地震があったのは仕方が無い。
原発が放射能を撒き散らしたのは誰もが許せない問題だけど、その後の処理、対応は人次第。

どうか、この国を支えてきた第一次産業のみなさんを追いやらないで下さい。

食は命です。
食は日本の農村生活から切り離せない「文化」です。
命や文化につながるものが、破壊されていくのを一刻も早く止めて欲しいです。


以下、おかげさま農場の高柳さんのコラム
       ↓
(産地の声)vol.999                      2011.7.18
 福島県南相馬郡の牛肉が放射能汚染された、との報道が続いています。それ以
前からお茶の汚染そして野菜の汚染等が問題にされ、消費者への放射能被害が
問題にされてきました。そして生産者がどう管理してきたか、どういう気持ちだとかの
報道がなされる。
 私にはどうもそういう報道に違和感がありました。どこがと言われると分からなかった
のですが、今回の報道を見ていて気がついたことは、報道には原因者が登場してい
ない、ということです。
 消費者にとって放射能汚染が心配なのはよく分かります。生産者の側にしたって
いつもと変わらぬ飼育をしてきたのであって、わざわざ放射能を食べさせたわけでは
ないのです。でも報道はそれを出荷したことが問題というような方向付けです。出荷
させないことで問題を解決するかのようなことを言っています。
 放射能を発生させた一番の大元は東電福島原発であり国です。原因者である
国や東電に対しその責任を求めるのが最初ではないか。その報道姿勢が問題だと
思います。まず「こういう状況作り出した原因者としてどう責任をとりますか?」と東電
と国を取材し対応を求めるべきではないか、と思う。
 放射能は見えない。臭いもない。感じることもない。そこに住む人たちは今まで
通り生きるしかない。そして今まで通りの仕事をしてきて、いきなり放射能が検出
されたから出荷停止、と言われては理不尽以外の何者でもあるまいと思う。
 そんなバカなことがあるか、と言う心情は当然の感情でしょう。国には原子力委
員会、保安委員会、被害シュミレーションのできるスピーデイなる機関や体制が
あるにもかかわらず、納得でき国民に分かる情報はひた隠しにしてきた節が感じら
れる。であるが故に今回のようなことが起こっている、というのが真実ではないか。
原因者が口を閉ざし、情報を握ったまま、そして先が見えない、というのでは国民
は浮かばれない。
 分かっていれば出荷しない。役所は通達を出したと言うが、1片の紙切れで役
目を果たしているかのようなことを言っているが整合性がない。どこがどれだけ汚染
したか。具体的なものが生活上で示されなければ分からないのにそういう基本的
情報は示されていない。農薬も同じですが、消費者よりも生産者の方がより被
害を受ける。牛を育てている人は被曝する中で生活し仕事をしているのですか
ら。経済の問題を越えて私達の生存基盤の問題だと思います。
    おかげさま農場・高柳功
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