MUSIC IS THE SCENERY

いつも背景には音楽がある。
インディー・ポップ中心の洋楽ブログ。

<この1枚>Al Stewart「Past, Present and Future」

2007-06-26 04:23:55 | この1枚
Al Stewartのアルバムといえば75年から78年に出されたAlan Parsonsプロデュースによる3部作(「Modern Times」=75年、「Year Of The Cat」=76年、「Time Passages」=78年)が有名です。なかでも「Year Of The Cat」と「Time Passages」は、タイトル曲がそれぞれ全米トップ10ヒットとなったほどで、サックスが効果的に使われた都会的な洗練された曲として有名です。

しかし、初期の彼の作品を聴くと全くの別人のようです。スコットランド・グラスゴー生まれで67年にレコード・デビューしていますが、初期の5作品はBob Dylanの影響も感じられる、独特の繊細さを持ったフォーク・ソングです。さらにいうと4枚目までは自分の恋愛に関しての曲が大半を占める私小説的な作品でした。
歌詞の面での転機になったのが74年の5作目「Past, Present and Future」です。音楽的にはさほど変わっていませんが、歌詞はそれまでの私小説中心のものから、題材を史実にとり自己流の解釈で曲を作るようになっています。

「Old Admirals」は英国海軍元帥の人生を基に年を取るにつれて好まれない人となっていく老人の歌です。「Warren Harding」は禁酒法を作った1920年代の米国大統領の失落の人生を歌っています。「Roads to Moscow」はドイツ軍によるロシア攻略を、「Nostradamus」はあの予言者のことです。他にも「Post World War Two Blues」(戦後ブルーズ)や、現在を歌った「Soho (Needless to Say)」などが収められています。
それまでの自分の恋愛の遍歴を歌った曲や失恋の曲は封印され、以後はこの路線が曲作りの大きな柱となり、題材をギリシャ神話やローマ神話、フランス革命などに求めるようになります。

ちなみにこのブログのタイトル『MUSIC IS THE SCENERY』は、「Post World War Two Blues」の歌詞の一節、Music was the scenery(音楽は舞台背景だった)から取っています。

Roads To Moscow↓
http://www.youtube.com/watch?v=XnrLmwGVSDM
Soho(Needless to Say)↓
http://www.youtube.com/watch?v=jsX1SBqTbYs
Nostradamus(別ヴァージョン)↓
http://www.youtube.com/watch?v=BtuxppOpBkE
Post World War Two Bluesの歌詞↓
http://www.alstewart.com/lyrics/postworldwariiblues.htm
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする