たぬき隊長の詰所

バイク好きなおっちゃんの趣味と生活の備忘録

ハウルの動く城 3

2005-01-28 13:33:17 | movies
 それにしても、荒地の魔女はどうして90才になる呪いなんてものをかけたのだろうか?
 子猫になって、”ご主人様ぁ~”と言わせてみるとか(キャラがかなり違うな…)、 カカシになってカブとハウルとの間で揺れるとかってのも面白そうなのだが…

 アホな話はともかく、いくら荒れ地の魔女の恐ろしさや理不尽さを強調するためとは言え、ハウルに街で声を掛けられて空中を散歩した夜、店にやってきた荒地の魔女と張り合った程度のことで、90才の老婆ににされる古くて強い呪いを掛けられてしまったら、町中若い娘なんかいなくなってしまいそうだ……
 呪いがいつ解けたのかばかりが問題にされているようだが、そもそも呪いのきっかけとその内容とのバランスが取れていないと感じるのは、私だけか?

 ハウルの動く城は、見方によっては結末間際のハウルとソフィーの約束が発端の出会いに結びつくパラドキシカルな構造を持つ映画なのかもしれない。もし、カルシファーとの契約した直後、自分の名を呼び、すぐに消えていった、名前も知らない不思議な少女との約束をハウルが記憶し続けていたとしたら……

 ハウルの心臓(心の象徴か)を求め続けた荒地の魔女にとっては、ハウルの心の中のその少女は長い間自分の願いを妨げる不愉快な存在、”その少女が存在するが故に自分の願いが叶わない”呪っても呪い尽くせないほどの対象と感じられたのではないだろうか?
 その少女をハウルが捜し当てた。それを知った荒地の魔女が少女に呪いをかけた。彼女は過去にハウルと約束している以上、必ずハウルの城に向かい彼と関わりを持つはず。たとえソフィー本人に自覚はなくても……そう考えて。
 だからこそ、ソフィーのポケットにハウルに当てた”星云々”の言葉を記したカードを入れておいたのではないか?

 そう考えていくと、荒地の魔女がソフィーにかけた古い強い呪いとは、古くプリミティブなものであればあるほどその単純さ故に強い呪いという意味も勿論含んでいるだろうが、それと同時に、荒地の魔女がハウルの心を求める強さや時間の長さを背景とした強い情念が生み出した呪いという意味もあるのではないかと思うのだ。
 ”呪い”は”魔法”異なり、その背後にはきっと”情念”があるはずだから。それならソフィーを他でもない”老婆”に変えてしまうということの意味も納得できるのだ。また、この呪い(=情念)を軸に、荒地の魔女とソフィーの変化を相互に関連づけてとらえていくのも面白いのではないか。最後の”しかたないねえ、大事にするんだよ”の意味も、呪いが解けたかどうかの答えも、それでまた深く変わっていくように思う。
 しかし、城の話はいつ書けるのだろう。

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