備前焼まつり

　秋本番。岡山県備前市伊部地区で開かれた、この季節恒例の「備前焼まつり」に出掛けた。備前焼は、日本６古窯の一つにも数えられる有名な焼き物。友人に陶芸家がいる関係から、さまざまな陶芸の作品に触れる機会が多いが、これまでは正直言って、備前焼にはあまり興味がなかった。

　「わびさび」の分からぬ、人間的な未熟さもあって、どちらかというと、釉薬のかかった派手目な物に目が行きがちであったが、まつりに出展された各窯元の焼き物を見るうちに、備前焼のイメージが変わった。

　備前焼と言っても、窯元ごとに微妙に違う作風があることが会場を回ってよく分かった。今回、そんな中からある窯元の物が気に入り、ついつい衝動買いしてしまった。福袋として売られていた、平焼きの皿や徳利、小鉢など６点で、買い値以上のお徳感があると満足している。作者はまだ若い。「もし、人間国宝にでもなったら…」なんて、取らぬ狸の何とかを夢見てる。